お風呂上がりの立ちくらみは貧血ではなく脳貧血

お風呂上りに立ちくらみが起こるのは、医学的いうと貧血ではありません。

貧血とは、血液中の赤血球や、赤血球に含まれるヘモグロビンという体内に酸素を運ぶ成分がなんらかの原因で減少して、血液中のヘモグロビン濃度が基準値以下に低下した状態をいいます。

立ち上がったときに目の前がクラクラする症状は、正確には貧血ではなく脳貧血と呼ばれます。

勢いよく立ち上がると血圧が急激に下がる起立性低血圧という状態になり、一時的に脳に十分な血液が送られなくなるために立ちくらみやめまいといった症状が現れるのです。

特に、熱いお風呂に入った直後は血圧が上昇し、立ち上がった際に血圧が下がることによって、激しい血圧の落差が生じるので立ちくらみが起こりやすくなります。

お風呂上がりの脳貧血を防ぐには?

急にお風呂から立ち上がらない

脳貧血は、立ち上がる時によく起こる症状です。

急に立ち上がると下半身に血液が集まりますが、通常であれば自律神経が下半身の血管を収縮させて上半身の血液量を保つように働きかけます。

しかし自律神経が乱れるとこの働きができず、一時的に脳への血液が少なくなり立ちくらみなどの症状が起こります。

湯船から上がるときは急に立ち上がるのではなく、ゆっくりと動くことを心がけましょう。

食事直後や飲酒した後にお風呂に入らない

食後1時間以内は血圧が下がりやすくなります。

また、飲酒も同様に血圧が下がりやすくなる原因になってしまうため、食事直後と飲酒時の入浴は控えましょう。

脳貧血はヒートショックで起こりやすい

ヒートショックとは、急激な温度変化で血圧が大きく上下に変動することによって起こる健康被害のことをいいます。

暖かい部屋から寒い部屋へ移動するときや、熱いお風呂に入ったときなどに起こりやすくなります。

特に冬場に多くみられ、立ちくらみやめまいといった脳貧血をはじめ、失神や不整脈、ときには脳卒中や心筋梗塞などを引き起こすこともあります。

冬のお風呂はヒートショックに注意

寒い脱衣所で服を脱ぐと体表面の温度が急激に下がります。

体温が下がると寒冷刺激という反応によって血管が収縮して血圧が急激に上がります。次に、浴槽の暖かいお湯に浸かり体が温まってくると、今度は血管が拡張して血圧が急激に低下します。

服を脱いで入浴するという一連の流れが血圧の乱高下を生じさせるため、めまいや失神といったヒートショックが起こりやすくなるのです。

■ヒートショックの危険性が高い人

次の項目に当てはまる方は、ヒートショックを起こしやすいので注意が必要です。

・65歳以上の高齢者
・高血圧・糖尿病・脂質異常症・動脈硬化といった基礎疾患を抱えている
・入浴前に飲酒をする
・42℃以上の熱いお風呂が好き

■お風呂でのヒートショックを防ぐ方法

ヒートショックを予防するためには、次のような対処法を行いましょう。

・脱衣所・浴室に暖房器具を設置する
・シャワーで浴室全体を温める
・お湯の温度を41℃以下にする

おわりに

お風呂上がりは健康な人でも起立性低血圧になって立ちくらみやめまいといった脳貧血が起こりやすい場面です。

浴槽で立ちくらみを起こして失神してしまうと命にも関わります。

立ちくらみを予防するためにも、お風呂から上がるときは勢いよく立ち上がらずに、浴槽のふちにつかまりながらできるだけゆっくりと立ち上がるようにしましょう。

また、お風呂に入るたびに毎回立ちくらみが起こるようであれば、低血圧症などの病気のおそれも考えられますので、一度病院を受診しましょう。