突然耳が聞こえなくなる「突発性難聴」にも初期症状が!
健康で過去に耳の病気をしたことがない人が、ある日突然耳が聞こえなくなる「突発性難聴」。
聴覚に関係する神経に炎症が起き、いきなり耳が聞こえなく病気で、原因はいまだに明らかになっていません。ある日突然発症するので「突発性」という名がついていますが、経験者の話によると、発症前に次のような「初期症状」があるというのです。
- 片方の耳だけ雑音がする
- 片方の耳だけ少し聞こえにくい
- 片方の耳に綿や水など、何かが詰まっているような気がする
- フラフラとした軽いめまいを感じる
突発性難聴は、基本的に片方の耳に発症します。ですから初期症状の発症も片方の耳で、治療が早ければ早いほど回復も早く、完治しやすくなります。何かがちょっといつもと違うかも・・・?という微かなサインを見逃さないでください。
めまいや吐き気も引き起こす!突発性難聴 おもな症状
突発性難聴は、はっきりとした原因もなく「ある日、突然聞こえなくなる」ものです。
ですから少しずつ聞こえにくくなったり、徐々に悪化することはありません。「何月何日に発症」とはっきりわかる、片方の耳だけ聞こえない、などが主な特徴です。多く場合、難聴は一時的なもので、完治後に繰り返すこともありません。
難聴発症の前後に耳鳴りや吐き気、ぐるぐる目が回るようなめまいを伴うことがありますが、これも一時的なもので繰り返すことはありません。
聴覚神経に炎症を引き起こす原因とは?
突発性難聴の発症は40~60代に多く、現在のところ次の2つが主な原因と考えられています。
- ウイルスの感染
はしかやおたふく風邪、風疹など、ウイルス疾患が原因という説。ウイルスが内耳(耳のもっとも内側の部分)に侵入することで神経が炎症を起こし、難聴になるというものです。難聴の発症前に、風邪に似た症状や発熱があることが多いようです。
- 内耳の循環障害
内耳の血流が悪くなることで聞こえなくなるという説。血栓や出血があったり、ストレスなどで血管の痙攣が起こることで、内耳の毛細血管の血流が悪化するため嗅神経が影響をうけるというものです。
最優先の治療&対処法は「安静」です
突発性難聴になったら、真っ先に「安静」「休養」「ストレス解消」を心がけましょう。早期で軽症の場合は、これだけで自然治癒することがあります。
突発性難聴は、発症の前に精神的に大きなストレスを抱えていたり、睡眠不足や過労などで肉体的にも疲れが溜まっているケースが多いといわれています。ストレスにより内耳の血管が収縮することで聞こえにくくなることもあるため、まずは安静にし、充分な休養をとってストレス解消をはかることが、突発性難聴の治療でもっとも重要なことです。
ウイルスが関係している場合は、安静に加えて抗炎症作用をもつステロイド剤などによる点滴治療を行います。内耳の循環障害が原因の場合は、血管拡張剤や抗凝固剤による血流の改善が有効とされています。
ステロイド剤の使用によって血糖値が上昇する可能性がありますので、糖尿病の心配がある方や治療中の方は、血糖値の管理にも配慮してください。妊娠中や授乳中の方は、胎児や乳児への影響を考えて薬を選ぶ必要があります。耳鼻咽喉科とともに産婦人科とも連携をとって治療を進めましょう。
正確な診断と早期の治療が回復のカギ!
突発性難聴は、発症後、約48時間内に的確な治療を開始すれは聴力が回復することが多いものの、放置している時間が長くなればなるほど回復が難しくなっていきます。
突発性難聴になった、もしくはその予兆としてわずかでも聴力に変化を感じたら、できるだけ早く耳鼻咽喉科の専門医による診察を受けてください。正確な診断と早期の治療が回復度合のカギを握っています。
おわりに
突然耳が聞こえなくなれば誰しも慌てることでしょう。出来るだけ早く耳鼻咽喉科の診察を受けたうえで、「安静」を心がけてください。治療はもちろん予防のためにも、日頃からストレス解消をはかり、心身ともに疲れを溜めないことが大切です。
(image by photo-ac )
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