高血圧はどんな病気なの?

人の胸に耳を当てると「ドキドキドキ…」と音が聞こえますよね。この音は、まさに人が生きている証。人間の心臓は絶え間なく収縮を繰り返して、カラダに血液を送り出しています。この血液が酸素や栄養を各器官へ運搬してくれるので、カラダが正常に機能しているというワケです。そして、この血液循環が行われるとき、血液が血管を通る際にかかる圧力が「血圧」です。
血圧の状態には、以下の2種類があります。

◆上の血圧(最高血圧/収縮期血圧)
…心臓が収縮して血液を押し出した瞬間の血圧→最も強く血管に圧力がかかります。

◆下の血圧(最低血圧/拡張期血圧)
…心臓が拡張した時の血圧→最も低く血管に圧力がかかります。

この2種類の血圧、どちらの数値が基準値より高い場合も「高血圧」と判断されます。数値が高いということは、心臓が縮小した場合も、拡張した場合も、血管に強い圧力がかかっているということです。

 

正常血圧と高血圧の基準値

【成人における血圧値の分類】高血圧治療ガイドライン2014年版より

分類 上の血圧   下の血圧
至適血圧 120未満   かつ  80未満
正常血圧 120~129 かつまたは 80~84
正常高値血圧 130~139 かつまたは 85~89
Ⅰ度高血圧 140~159 かつまたは  90~99
Ⅱ度高血圧 160~179 かつまたは  100~109
Ⅲ度高血圧  180以上 かつまたは 110以上
(孤立性)※収縮期高血圧 140以上 かつ 90未満

※上が140以上、下が90以上の場合、高血圧であると判断されます。
至適血圧とは、1997年にアメリカの合同委員会にて設定された理想的な血圧値です。
※正常血圧の基準値は、健康と思われる人の検査値をもとに算出したものです。

正常高値血圧とは、正常範囲内で少し高めの血圧です。
※収縮期高血圧とは、下の血圧は正常で、上の血圧が高いことを示します。
 

【それぞれの測定法における高血圧の基準値】高血圧治療ガイドライン2009年版より

お医者さんだと少し緊張してしまうので高め…昼間よりも夜の方が低め…など、血圧測定の場所や時間が違うことで血圧は変動します。そのために、以下のような高血圧の基準値があります。

  上の血圧 下の血圧
診察室 140 90
家庭 135 85
昼間(自由行動下) 135 85
夜間(自由行動下) 120 70

 

高血圧の種類とは?

高血圧には、以下の2種類があります。

  • 本能性高血圧(一次性高血圧)
    …原因があきらかではなく、「遺伝・生活習慣・加齢」が影響している。
    …日本の高血圧患者の90%がこのタイプである。
    …進行状況は徐々に進む。
     
  • 二次性高血圧
    …原因が明確である。
    …日本の高血圧患者の10%がこのタイプ。
    …進行状況が急速である。
    …原因となる病気の治療などで改善する。

    …二次性高血圧を引き起こす病気の種類
     

    腎性高血圧…腎臓機能の異常(二次性高血圧のなかで一番多い)

    血管性高血圧…心臓や大動脈の障害

    内分泌性高血圧…ホルモン(内分泌)の病気によるもの

    薬剤誘発性高血圧…ほかの病気の治療薬などによるもの

    神経性高血圧…脳腫瘍、脳出血、脳炎、脳血管障害などによるもの

    その他…閉塞性睡眠時無呼吸症候群・妊娠高血圧症候群・甘草などの長期服用・Liddle症候群

     

高血圧にならないための生活習慣とは?

  • ダシをとる、酸味を加えるなど工夫して、塩分を控える
  • 食物繊維やカリウムを含む野菜や果物を積極的に摂る
    (ただし、腎障害を患う人のカリウム摂取は危険なので推奨しない)
  • カロリーやコレステロールの高いものを控える
  • 減量・適正体重を維持する(BMI(体重kg)÷(身長m×身長m)が25未満)
  • 軽めの有酸素運動をする
  • アルコールを控える
  • 基本的には禁煙
  • 寝不足にならないようにする
  • 可能な限りストレスを避ける

 

おしまいに~

高血圧はハッキリとした自覚症状がないまま重篤な病気へと発展することから、「サイレント・キラー」という異名を持っています。
重篤な病気とは、脳卒中や心筋梗塞、心不全など、最悪の場合は死に至るほどのもの。

しかし、専門機関は「生活習慣の複合的な修正は、高血圧の改善において非常に有効である」と伝えています。「サイレント・キラー」に勝手なことをされないためにも、今から血圧を測る習慣を持ち、生活習慣全体を改めて、高血圧という病気を遠ざけてしまいましょう。

ちなみに、自覚症状が無いながらも、頭痛や動悸、または眠気などのサインは多少あるようなので、自分のカラダが発するサインを見逃さないように!