子どもの難病といわれる「川崎病(急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群)」は、毎年1万人以上がかかる病気ですが、発症してから急性期の治療が鍵を握り、その後いかに後遺症を残さないようにするかが大きな目的です。

ただし一旦完治すれば二度とかからないというわけではなく、子どもの時期の再発と、大人になってからの再発もあるため注意が必要です。

今回は川崎病の発症から再発、日常の注意点について見ていきましょう。

川崎病の2つの疾患

1、急性熱性疾患(急性期)

① 5日以上続く高熱(ただし治療により5日未満で解熱した場合も含む)

② 全身に不定形の赤い発疹

③ 両目の結膜(白目)の充血

④ 唇が荒れて真っ赤になり、イチゴ状舌(舌がイチゴのようにブツブツ)になる

⑤ 手のひらや足の裏に腫れやむくみ、赤くなり、熱が下がった回復期に指先から手や足の皮膚がむけてくる

⑥ 頸部(首)のリンパ節が腫れる

これら主要症状の他に、不全型として、BCG接種部位が赤くなる、黄疸、腹痛、下痢、関節痛、頭痛、けいれんなどの症状が起きることもあります。

2、冠動脈障害を主として心疾患(後遺症)

川崎病の急性期に最も心配な合併症は、「冠動脈瘤(かんどうみゃくりゅう)」です。

冠動脈の血管壁に強い炎症が起きると、血圧に耐えられなくなり血管が広がって瘤(こぶ)ができることがあります。​

将来、血管が狭くなったり血栓(血の塊)で血管が詰まったりして、狭心症や心筋梗塞を起こす危険性が高くなります。

川崎病の再発率と時期・症状

川崎病の再発率は、全体の約3%にみられ、2回以上の再発の報告もされています。
再発する時期は、約半数が1年以内です。

ただし成人してから再発する場合もあります。
子どもの場合、再発した際は、発熱や発疹をはじめとする急性期と同様の症状が現れます。

成人の症状の多くは、突然の激しい胸の痛みなど、心臓発作を起こすケースです。

心筋梗塞を起こすまで無症状のことが多い

治療後、炎症が完全に治まり冠動脈瘤などが無い場合は過度の心配は不要です。

一方で、冠動脈瘤ができた場合、瘤(こぶ)の大きさが、直径が4ミリ以下の場合は、1年ほどで自然に消えてしまうことがありますが、4ミリ以上、特に8ミリ以上の大きな動脈瘤が残った場合には、元気に過ごしながらも無症状のまま、突然、心筋梗塞をおこすことがあります。

後遺症のある人が、治療を中断し、成人になって突然、心臓発作を起こすケースが多く見られるのは、大人になって後遺症があると知りながらも、特に症状がないからと自己判断で治療を中断することです。

冠動脈の状態は成長と共に変化し、心臓障害のリスクが高くなることがあるため、​定期的な検査や治療の継続が大切です。

川崎病急性期カードの普及

川崎病にかかったことがある場合、体に異常や再発など、何かあった場合、小児期に川崎病にかかったことを伝えることと、その際の情報が必要になります。

「川崎病急性期カード」は、急性期の状態や治療法、心臓合併症などの医療情報をカードに記載し、その後の健康管理に役立てるためのものです。

急性期カードの詳細はこちら→川崎病学会のHPをご覧下さい。

再発予防は子どもから大人まで生活習慣病の予防を。

川崎病は、後遺症が残らなかった場合でも「冠動脈には炎症が起きた」と考えられています。

動脈硬化や血管の老化が早まる危険もあるとされているため、生活習慣病の予防が重要とされています。

○バランスの良い食事

○肥満対策(過食や高脂血食を控える)

○適度な運動・運動不足の解消

○大人は喫煙の禁止

これらは子どもから大人まで、あらゆる疾患防止のために大切なことですが、特に川崎病にかかった場合には、血管の炎症を起こさないために、一般的な生活習慣の予防が非常に大切となります。

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さいごに

川崎病の初期症状は、風邪や他の病気と間違いやすいため、川崎病にかかったことがある場合は、再発も視野に入れ、早期に診断し治療することが重要ですね。

また、川崎病の治療方法について気になる方は、アスピリン療法について以下の記事で解説していますので、ご参照ください。

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