高血圧は自覚症状のないサイレントキラー

生活習慣病の中で最も多い疾患と言われる、高血圧。
高血圧が恐ろしい点は、自覚症状がなく、じわじわと体に負担を与える「サイレントキラー」(静かなる殺し屋)であることです。

人によっては高血圧によって動悸、息切れ、頭痛といった症状が出てくる場合もありますが、これらは高血圧に限った症状ではありません。
こうした点から、高血圧と自覚したころには合併症が進行していたというケースも多くみられます。

そこで今回は、高血圧の早期発見のために知っておきたい「高血圧になりやすい人」や「高血圧の合併症の前兆」に注目してみましょう。


 

こんな人は注意!高血圧になりやすいタイプとは?

高血圧の人の約9割が、原因の特定できない「本態性高血圧」です。しかし、性格的な要因や生活環境などが大きく関わっていることは明らかになっています。
特に以下の傾向がある人は高血圧になりやすいので注意が必要です。

高血圧になりやすい人:メタボ・肥満気味の人

高血圧と肥満は、切っても切れない関係にあります。
これは脂肪によって末梢部分の血管が圧迫され、血流を阻害することが血圧上昇につながるためです。
このほか内臓脂肪の増加によるインスリンの働きの低下によって、ナトリウム排泄機能も低下して高血圧になるケースもあります。
ナトリウムが体に蓄積されると、血管のむくみや収縮で末梢血管抵抗を上げてしまったり、血圧上昇にかかわるホルモンの分泌を促してしまうのです。

高血圧になりやすい人:ストレスを抱えやすい人

常に緊張感や不安を抱えており、心からリラックスすることが難しい、いわゆる「ストレスを抱えやすい人」は高血圧になりやすい性格と言われています。

●面倒見がよい
●周囲に気遣いができ、人付き合いもよい
●几帳面である
●何事も完璧に行おうとする
●時間に追われた生活をしている
●競争心が強い
●目標に向かって、日々頑張っている

どれも素晴らしいことですが、適度な息抜きで心身を休めることが、高血圧を予防し、健康を維持するためには欠かせないようです。

高血圧になりやすい人:高齢者

加齢とともに血圧を調整する心臓の働きが衰え、血管の弾力も失われていきます。
また、これまで蓄積されてきた血液中のコレステロールによって動脈硬化が進み、血液の通り道も狭くなっているのです。
さらに年を重ねるほど、血圧は上下の差が大きく開く傾向にあるとされ、それだけ血管への負担も増えることに。
こうした体の変化が高齢者に高血圧の人が多い理由です。
血圧の変動を少しでも抑えるために、激しい動きは避け、ゆっくりした動作を心がけましょう。
 

高血圧になりやすい人:更年期の女性

女性は男性と比べて血圧が低い傾向にありますが、これは女性ホルモン「エストロゲン」の働きのためです。
しかし閉経によってエストロゲンの分泌量が減ると、動脈が硬くなり、高血圧になりやすくなります。
また更年期の間は自律神経のバランスが乱れ、体の変調が起こりやすいので、血圧の調整が乱れて高血圧になりやすいので注意が必要です。

高血圧になりやすい人:妊娠中の女性

一方で女性は、妊娠中の高血圧にも気を付けなければいけません。
妊娠中に高血圧の症状があらわれる女性は多く「妊娠高血圧症候群」と呼ばれています。
特に以下の方は注意して、妊婦健診では定期的に血圧や体重測定などを行いましょう。

●35歳以上の高齢出産である
●過去に妊娠高血圧症候群になったことがある
●歯周病をはじめとした感染症がある

 

高血圧の合併症(脳梗塞、脳卒中、心筋梗塞)の前兆となる症状は?

気付いたころには高血圧の合併症が、かなり進行していたというリスクを避けるために合併症の前兆を知っておきましょう。
ここでは特に高血圧の人に多い合併症「脳梗塞、脳卒中、心筋梗塞」にみられる前兆について解説します。

高血圧による「脳梗塞」の前兆・症状

脳の動脈に血液のかたまりが詰まってしまう脳梗塞では、こんな前兆がみられます。

●グルグル回転するような、めまいがする
●舌がもつれる
●歩行中に、突然よろけてしまう
●ペンやお箸が上手く握れず、突然落としてしまう
●ものが二重になって見える
●ひどいイビキ

 

高血圧による「脳卒中」の前兆・症状

高血圧による動脈硬化がかなり進行してしまった状態で起こる脳卒中。
前兆を経験した人の3割が将来、脳卒中になると言われていますので、早期発見・治療が重要です。
こんな前ぶれがみられないか、注意しましょう。

●片方の手足から力が抜ける、あるいは痺れる
●しょっちゅう、ものにつまずく
●言葉が出なくなったり、理解できなくなった
●視野が欠ける、ものが二重に見える
●めまいがする、まっすぐ歩けない
●経験したことのない激しい頭痛
●ろれつがまわらない

 

高血圧による「心筋梗塞」の前兆・症状

脳卒中と並んで、高血圧の人が突然襲われる頻度が高いのが心筋梗塞です。
心筋梗塞の前兆は特に分かりにくく、突然発症することが半数以上とされていますが、血圧が高い自覚のある人は小さな症状も見落とさないように気を付けましょう。

●急に胸が苦しくなる(みぞおちを圧迫するような痛みなど)
●目がチカチカすることが増えた
●冷や汗が出る
●疲れやすくなった
●奥歯や下顎が痛む
●頻繁な吐き気
●左肩、背中が痛い
●のどが詰まる感じ

 

さいごに:50代になったら月1回の定期検査を


自覚症状のない高血圧を早期発見し、適切な治療を行うには定期的な検査が欠かせません。
20代の場合は1年に1回、30代なら4ヶ月に1回(年3回)、40代の場合は2ヶ月に1回(年6回)の検査をお勧めします。
また2人に1人は高血圧と言われる50代の場合は、ぜひ月に1回、検査を受けて頂きたいです。

高血圧と早めに分かれば、生活習慣の改善によって合併症の予防が可能になります。
いま一度、ご自身の血圧を見直してみませんか?

高血圧の検査は初めてで不安・・という方は以下の記事がおすすめです。
関連記事:高血圧の治療、病院は何科?どんな検査・問診がある?

 

(image by Photo AC)
(image by Photo AC)