日本人の約3分の1が高血圧

高血圧は生活習慣病の中で最も多い疾患といわれ、なんと日本人の約3分の1が該当するとされています。
ご家族、あるいはご自身が病院で「血圧が高いですね」と、言われた経験がある人は多いのではないでしょうか?

放っておくと、気付かぬうちに症状が悪化して心筋梗塞や脳卒中を招く可能性があります。
そこで今回は、高血圧対策におすすめの、ちょっとした生活の工夫をご紹介します。
 

高血圧の食事対策!食べ方や調理のコツをつかんで血圧を下げる

肥満の人の高血圧発症率はそうでない人の3倍なのをご存知ですか?
高血圧対策にはカロリーコントロールや食事量の調節が大切です。そのためのコツをご紹介しましょう。

高血圧対策1:食器をひと回り小さいものにする

人間には満腹感とは別に「食器に入っているものを残さず食べる」という心理が働きます。
食器が大きい分、食べる量が増えてしまうので、お皿や茶碗をひと回り小さいものにしましょう。
さらにスプーンもワンサイズ小さいものを使い、食べる速度を落とすと、少しの食事量で満腹感を感じるようになりますよ。

高血圧対策2:21時以降の食事は控える

高血圧の原因となる肥満を防ぐには、食事をする時間にも気を付けなければいけません。
21時以降の食事は、なるべく控えるようにしましょう。
21時を過ぎると体は睡眠に向けて自律神経を、交感神経から副交感神経に切り替えていきます。
その影響で代謝機能が低下するので、食べたものが脂肪になりやすいのです。

高血圧対策3:具は大きめに切る

肥満対策には食べる時間のみならず、食べる速度も重要です。
人間の体は食事をはじめた20分後から、脳は満腹感を感じるようになっています。
時間をかけて食事をするには、具を大きめに切りましょう。ザクザクっと大きめに切る方が調理も手軽にできるので一石二鳥です。

高血圧対策4:具材に困ったら海藻を使う

スープ、和え物、サラダ・・具材に困ったら海藻を使いましょう。
海藻には、カリウムという血圧を下げる成分が含まれているほか、血圧を一定に保つカルシウムやマグネシウムも豊富です。
さらにフコダインやアルギン酸には血圧の上昇を抑える効果が期待できます。しかもカロリーはゼロです!

高血圧対策5:ラーメンを食べるときはれんげを使わない

みんな大好き、ラーメン!高血圧の方も例外ではないと思います。
しかしラーメンには血圧を上げる塩分がたっぷり含まれていることは、皆さんご存知でしょう。
おおよその目安ですが、ラーメンには約8グラムの塩分が含まれおり、そのほとんどがスープです。

そこで、ラーメンを食べるときにはれんげを使わないようにしましょう。スープを飲まないことで、約5.5グラムの減塩ができます。
高血圧の人は1グラムの減塩で血圧を1ミリ下げられるのでこれは大きなチャンスです。
「ラーメンと言えばスープなのに・・」と残念がる声も聞こえそうですが、そこは麺に絡まるスープだけで我慢しましょう。

高血圧対策6:お酒の適量を知ろう

飲酒には血圧を変動させる作用があり、飲酒後1~8時間は血管の拡張から血圧が下がりますが、その後上昇する傾向にあります。
お酒の量が増えるほど血圧が上昇するふり幅も大きくなるので注意が必要です。
以下の表を参考に適度な量を、ゆっくり飲むようにしましょう。
 

お酒の種類 アルコール度数 目安
ビール 5%  ロング缶(500ml)1本
日本酒  15% 1合(180ml)
缶チューハイ 5% 1.5缶
焼酎 25% 約110ml
ウイスキー 43% ダブル1杯(約60ml)
ワイン 14% グラス2杯弱(180ml)

※健康のためには1日1種類のお酒をのむことを目安にしてください。
 

高血圧対策7:血圧を下げる簡単レシピ

ここからは高血圧対策におすすめ、血圧を下げる食材を使った簡単なレシピをご紹介します。
 

~トマトときゅうりの酢の物~

①きゅうり(1本)を一口大にカットし、ミニトマト(8個)を半分にカット
②米酢(大さじ2)、砂糖(小さじ1)、減塩しょう油(小さじ2分の1)を混ぜたもので和える

→酢には血圧を下げる酢酸(アデノシン)やアルギニンが含まれています。

 

~焼きセロリ~

①セロリを4~5センチ大にカット
②オーブントースターや焼き網で焼く
③焼き目がついたら、お皿に盛ってレモン汁をかける

→セロリは焼くことで薬効が増し、独特のにおいも和らぎます。
また、セロリには血圧を下げるカリウムが豊富なほか、心筋梗塞の原因となる血栓を作りにくくするビラジンが豊富です。

 

~納豆の食べ方アレンジ~

その①:納豆1パックに対して、大さじ1のすった黒ゴマを食べる直前にかける(タレは付属のものを使用)

→納豆に含まれるポリアミンは老化による高血圧を防ぎ、黒ゴマには血流促進する効果があります。

その②:納豆1パックに対して、オクラ1本とめかぶ50グラムをプラス(タレは付属のものを使用)

→ネバネバの元である「多糖類」という成分には、免疫細胞を活性化する作用がふくまれ、高血圧を招きやすい便秘を解消してくれます。

 

高血圧対策8:血圧を下げるお茶とは?

水分補給の面からも高血圧対策をしていきましょう。おすすめの飲物は「お茶」です。

緑茶

カテキンには血圧の上昇を抑える効果が。また血圧降下成分GABA(ギャバ)も含まれているので相乗効果も期待できます。

ギャバロン茶

GABA(ギャバ)が緑茶の5~10倍含まれています。1日コップ3杯、3か月以上の摂取を目安に飲みましょう。半数以上の人に降圧効果があらわれたという報告もあります。

ウーロン茶

ウーロン茶ポリフェノールはカテキンの集合体。血圧上昇を抑える作用が期待できます。またウーロン茶に含まれる「テアニン」には副交感神経を優位にして心身をリラックスさせる効果も。

 

高血圧対策9:正しい方法でウォーキングを始めよう

血圧を下げるには食事だけではなく、運動も欠かせません。
運動後、血圧は約半日にわたって収縮期血圧は18~20ミリ、拡張期血圧は7~9ミリ、平均して下がるとされています。
今回は最も手軽に始められる有酸素運動・ウォーキングに注目してみます。

正しいウォーキングのポイント

●強度は「ややきつめ」。じんわり汗ばむが、お喋りができる程度を目安に。
●1回あたり30~60分を、週に3回程度行うと良い。
(厳しい場合は3000歩から始めてみましょう)
●歩く前に、軽くストレッチをしておく
●歩く姿勢は背筋を伸ばして、顔を正面に。
●歩幅の目安は「身長-100センチ」
●歩くときは、つま先を上げて踵からつくように
●通気性の良い服装で
●歩く前に、コップ1杯の水分補給を。途中でのこまめな水分補給も忘れずに

ウォーキングに適した靴の選び方も知っておくと便利です。

靴を買うタイミングは、夕方
足がむくみやすい時間帯を選んで、靴を買うとウォーキング中に靴がキツくなるリスクが減ります。

つま先に余裕を残す
つま先が窮屈な靴は、ウォーキングによる体重移動に適応できず、痛みを感じることに。

靴底の状態をチェック
厚みがあって着地の衝撃を吸収する靴底を選びましょう。また試着時は土ふまずと靴がフィットしているか注目してみてください。

 

高血圧対策10:たばこは控える

喫煙家の方には酷なことだとは思いますが、やはり「たばこを控える」ことは血圧を下げるためには欠かせません。
たばこを1本吸っただけで血圧は10~20ミリちかく上昇し、しかもその状態が15分以上継続します。例えば1日20本吸ったら、約5時間は高血圧状態です。

たばこで血圧が上がる原因は「ニコチン」と「一酸化炭素」。ニコチンによって交感神経と副腎皮質を刺激され、血圧上昇物質の分泌が促されます。
また一酸化炭素によって軽い酸欠状態になることで心臓の負担がかかり、心拍質が上昇。これも血圧上昇につながります。

いきなり禁煙が厳しい場合は、特に血圧の高い「起床後」「イライラしているとき」「お腹がすいたとき」からたばこを控える習慣をつけていきましょう。

 

そのほか日常生活で出来る、高血圧対策

さいごに、食事や運動のほかにできる日常生活のちょっとした高血圧対策をご紹介します。

高血圧対策11:室内では、タオルやネックウォーマーで首を温める

首にある血管「動静脈吻合」(AVA)が冷えで閉じてしまうと、血行不良となり末端まで血液が届けられず、血圧も上がってしまいます。
夏も冷房で室内は冷えているので、季節を問わず室内ではタオルやネックウォーマーで首を温めるようにしましょう。
ただし、締め付けは逆に血圧を上昇させてしまうのでゆるめに巻いて下さいね。

高血圧対策12:インテリアや小物の色選びに注意

イライラや憂鬱な気持ちなど、心の状態は血圧に影響を与えます。
そんな人間の心理状態に影響を与えるもののひとつに「色彩」があるのです。
インテリアや小物を選ぶときは、興奮を誘う赤やオレンジは控え、パステルカラーやベージュ、グリーン、ブルーなどを選ぶと良いですよ。

高血圧対策13:寝るときは横向きがいい

あなたは寝ているとき、イビキをかきますか?もしイビキをかく場合は、横向きに寝ることをおすすめします。
イビキによって呼吸が止まっている間は、体内の酸素が不足して血圧も上昇してしまうのです。
横向きに眠れば上気道を舌がふさぐことがなくなり、スムーズに呼吸ができます。
このほかイビキの原因となる寝酒も控えましょう。

高血圧対策14:正しい入浴方法を知ろう

高血圧の人にとって寒暖の差が激しいお風呂は、特に注意しなければいけない場所です。
以下の対策で突然の発作を回避しましょう。

○脱衣所をヒーターやストーブで温めておく
○服を脱ぐ前に湯船のふたを取り、シャワーで浴室の壁を温める
(浴室を先に暖めておく)

○みぞおちくらいまでの半身浴を心がける(水圧で心臓に負担を与えない)
○飲酒後2時間は入浴しない
○長湯はNG(湯船につかるのは1回5分を2~3回繰り返すのを目安に)
○湯船につからずシャワーのみは厳禁

 

さいごに

14の高血圧対策はいかがでしたか?
ちょっとした日常生活の工夫で、血圧は下げることが可能です。できることから、ぜひ始めて頂きたいと思います。
高血圧のことをもっと知りたい!という方には以下の記事もおすすめです。
 

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