2019年12月11日
血圧降下の原因・対処・お薬・疑われる病気を解説します。分からないことがあれば薬剤師に相談することができます。
一般的に、お酒の飲み過ぎは高血圧の原因と考えられています。しかし、飲酒の直後においては血圧が降下する傾向にあるため、過剰なアルコール摂取や長時間にわたる飲酒が血圧降下を招くことがあります。
高齢者の場合、食後に著しく血圧が降下することがあります。食後は食べ物を消化するために血液が腸に集中します。血液を腸に集めた状態を維持するためには、心拍数を増やして血管を収縮させなければいけません。
しかし高齢者は、こうした状態を維持することが難しく、結果として血圧が降下してしまいます。血圧降下のほかには、めまいやふらつきといった症状が現れることがあります。
通常は、横になっている状態や座った状態から立ち上がると、一時的に血圧が上昇します。自律神経の働きによって、体が立ち上がることで増加した重力の負荷に適応しているためです。
ところが、自律神経が正常に働かないと、立ち上がった際に血圧が急激に降下してしまいます。血圧降下は一時的なもので自然と治まることがほとんどですが、場合によっては転倒や失神を招くこともあります。
急に立ち上がることが血圧の降下を招いている場合は、ゆっくりとした動作を心がけましょう。特に朝など起きた直後は注意してください。
余裕のある起床時刻を設定し、寝床から起き上がる際は少しずつ体勢を変えて、30秒くらいかけて立ち上がるようにしましょう。
食後に血圧降下が起こる場合、食事中は炭水化物の摂取量を減らしましょう。それ以外の時間では低炭水化物の食品を少しずつこまめに摂るようにしてください。
一日全体の炭水化物摂取量を調整することで、食後の急激な血圧降下を緩和させることができます。
血液中にアルコールがある間は血管が拡張されるため、血圧が下がってしまいます。飲酒の直後に著しい血圧降下がある人は、アルコールの摂取を控えることが理想的です。
立ち上がる際の血圧降下は、昇圧薬や血管収縮薬を使用することがあります。
食後の血圧降下が気になる場合は、塩分を保持したり生活を整えたりすることで、症状緩和につながります。