人前に立つと極度の緊張感や不安感に襲われ心拍数が上がり、手足や声が震えてしまう、という人は「社交不安障害」という病気かもしれません。

一昔前では、このような人は単なる引っ込み思案な性格と思われていましたが、近年の研究により、脳内の神経伝達物質のバランスを原因とする病気ではないかと考えられています。

病気であると認識する人が少ないため、長年症状に苦しむ患者さんが多いですが、適切な治療を受けないとうつ病に発展する可能性もあります。

社交不安障害の症状、原因、治療法について勉強してみましょう。

社交不安障害はどんな病気?

社交不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)は、人前などの社会的な場面において極度の緊張や不安、恐怖を感じてしまう病気です。

誰しも人前に立つ時や、初対面の人と会話をする時は緊張をしますが、社交不安障害の人の場合、その緊張や不安が多すぎるため、人前に出ることを避けてしまったり、仕事の幅を狭くしたりなど、生活習慣に支障をきたしてしまいます。

この病気の特徴は、思春期~20代での発症が多いことです。

この年代は受験や就職、結婚などの人生の岐路となる場面が多い時期ですが、社交不安障害を発症することによって、これらの選択肢が狭まり、様々なチャンスを逃す結果になってしまう可能性があります。

また30代になり、職場で管理職になったり、子どもが幼稚園に入り保護者同士の付き合いがはじまることがきっかけで発症することもあり。

社交不安障害は適切な治療を受けない限り、症状が改善することは殆ど無いと考えられていますが、まだまだ世間では病気という認識が薄いため、治療を受けずに長年症状に苦しんでいる方が多い病気です。

またこの病気はうつ病を併発するリスクが非常に高く、社交不安障害に悩む約70%がうつ病を併発するといわれています。

また、うつ病患者の約30%が社交不安障害を併発するともいわれています。

社交不安障害によく見られる症状

社交不安障害を発症すると以下のような場面で、症状を発症することが多くなっています。

社交不安障害がよく見られる場面

・上司や先輩などの目上の人との会話

・初対面の人との会話

・人前で話をする

・大人数の中で自分の意見を発表する

・誰かを誘う

・試験を受ける

・催し物を主催する

・人前で電話をする

社交不安障害でよく見られる症状

・心拍数が上がる

・息苦しくなる

・顔が赤くなる

・汗をかく

・手足、全身、声が震える

・口の渇き

・吐き気

・めまい

・パニック発作を起こす

社交不安障害の原因

人間の脳内には、脳細胞同士の情報伝達の役割を担う神経伝達物質が存在し、これらが人間の意欲や不安、恐怖、喜びなどの様々な感情に関係があるとされています。

脳内の神経伝達物質の1つのセロトニンというものがあるのですが、セロトニンは恐怖や不安を抑えて神経バランスの均衡を保つ働きがあります。

社交不安障害の原因の1つとして、このセロトニンがうまく機能していないことが考えらえています。

その他にも遺伝的要素や、環境的要因などが原因となる場合もあるようです。

さいごに~社交不安障害の治療法について~

社交不安障害はうつ病などの精神疾患を併発する可能性が非常に高いため、少しでも気になる症状がある場合は、一人で悩まずに精神科や心療内科への受診をおすすめします。

社交不安障害の主な治療方法は薬物治療とカウンセリングを中心とした精神療法です。

薬物治療の場合は、主に脳内の神経伝達物質のバランスを整えるSSRIや、不安や緊張を和らげる抗不安剤を使用します。

昔と比べ副作用は少なくなっていますが、人によってはその薬が合わない場合もあります。医師とよく相談をしたうえで、薬の処方を受けてください。

不安や緊張も症状が軽い場合は、漢方薬など市販の薬での治療薬もあります。

市販薬について、詳しくは関連記事をごらんください。