はじめに

厚生労働省の「抗不安薬・睡眠薬の処方実態についての報告」によると、2009年における推定処方率は抗不安薬で5.0%、睡眠薬で4.7%であり、医師から処方される抗不安薬や睡眠薬を飲んでいる人は全国で600万人いると考えられます。

睡眠剤はこのような社会において正しい使い方をすることで生活をサポートしてくれるものです。

この記事では、睡眠薬の中でも治療で処方されることの多い、ベンゾジアゼピン系睡眠薬に関する疑問を解決します。

睡眠薬の種類

治療で使う睡眠剤は、主に次のようなタイプに分けられます。

①ベンゾジアゼピン(BZ)系薬…ハルシオン、レンドルミン、マイスリー、デパスなど

②メラトニン受容体作動薬…ロゼレムなど

③オレキシン受容体拮抗薬…ベルソムラなど

どのタイプも効き方、副作用、依存性、耐性について異なった特徴をもっているためシーン別に使い分けが必要になります。

②③は、近年発売された薬です。

①のベンゾジアゼピン系睡眠薬は昔から使われており、現在も主流となっています。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬に関する疑問について

一度飲むとやめられなくなるって本当?

現在、ベンゾジアゼピン系の薬は、精神科に限らず様々な診療科で使われています。

すぐに効果を発揮し、処方通り正しく使えば安全性の高い薬剤です。

ただし、だらだらと使い続けると効果が出なくなったり、薬がないと眠れない体になってしまうので、長期で使用する場合は、適した薬剤への変更などが必要になることがあります。

また、急に止めるとリバウンド(反跳性)不眠が起きます。これは、眠れない、または眠りが浅くなり、熟睡感が得られない状態をさします。

この状態は1週間程度続き、この間にまた薬の服用へと戻る方もいます。

このリバウンド不眠は、医師の指示通り、ゆっくり減量していけば防ぐことができます。自己判断による、中止は避けましょう。

ずっと飲んでいると薬が効かなくなるって本当?

薬は、肝臓の酵素によって分解されます。

長期使用することで、酵素が増え、分解速度が上がり、効きにくくなります。

ただし、効かなくなる訳ではないので、医師と相談しながら、薬の種類を考えて行きましょう。

お酒飲んだ後に睡眠薬を飲んではいけないのはなぜ?

基本的に飲酒後、その日に睡眠薬を飲むのはやめましょう。

アルコールも薬も脳の活動を抑えるため、薬が過度に作用し転倒・昏睡の原因になります。

アルコールも睡眠薬も両方とも、肝臓で分解されますが、お酒→薬の順で分解されるので、薬が想定より大幅な時間、効果を発揮してしまう原因になります。これは、翌朝の異常な眠気につながります。

酔いが醒めてから睡眠薬を服用する方法も考えられますが、アルコールを分解するには、長い時間が必要です。成人男性で、コップ1杯のビールを代謝するのには2時間かかります。

お酒を飲んでしまったら、睡眠薬の使用は避けるのが無難といえます。

さいごに

現在のベンゾジアゼピン系の睡眠薬は非常に安全な薬で高い効果があります。

ただし、薬に頼りきるのではなく、あくまで基本は生活環境を整えることで治していくことが大切です。

寝付けない場合は離床する、起床時間を一定にし起床後は太陽光に当たるなど、出来ることから取り組んでいきましょう。