はじめに

更年期には、月経異常をはじめとする更年期不定愁訴症状と言われる様々な症状が出やすくなりますが、その症状は他の病気と区別がつかないことも多いため、自己判断は難しいものがあります。
そこで更年期障害と診断するための検査があります。更年期障害の検査内容を知ってきましょう。
 

更年期障害の検査には大きく5つのポイントがあります

1、問診

まず問診で症状の聞き取りを行います。
どのような症状が、いつ頃から、どんな風に、どの程度あらわれているのかなどを具体的に聞き取ります。
 

2、内診

内診はおもに産婦人科系の検査を行います。卵巣や子宮内の状態を確認する検査で、子宮内膜症、卵巣のう腫、子宮がんや卵巣がんなどの病気を初期段階で発見出来る検査でもあります。
内診は更年期障害だけでなく、婦人科系の病気の早期発見にも役立ちます。
 

3、血液検査(血中ホルモン測定)

女性ホルモンの血中濃度(量)を調べます。更年期の「ホルモン濃度の基準」があるため、ホルモン濃度が更年期に一致しているか、更年期障害が起こっているかどうかを調べます。血液検査は最も診断が付きやすい方法といえます。

まず、女性ホルモンの分泌には脳からの指令システムがあり、ある法則があります。

1、視床下部から「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」が分泌

2、脳下垂体から「FSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)」を卵巣に向けて分泌

3、卵巣から「エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)」が分泌


逆に卵巣には女性ホルモンの分泌量を脳にフィードバックする働きがあり、今度は卵巣→脳下垂体→視床下部の流れで、分泌量が多いときには少なく、少ないときには多くするというように必要に応じて視床下部に指令を出させています。

このように、女性ホルモンの分泌にはある法則があり、更年期特有の症状として、卵巣の活動が低下しエストロゲンの量が減ると分泌を刺激するためにFSH(卵胞刺激ホルモン)が増えるのです。

またエストロゲンの量は、エストロゲンの一種であるE2(エストラジオール)の血中濃度を測ることで分かります。

これをもとに血液検査では、以下の2つの濃度を測ります。

①E2(エストラジオール)濃度

E2濃度によりエストロゲンの濃度が分かるため、重要な指標になります。
数値が10pg/ml未満になった場合、更年期障害が疑われます。

②FSH(卵胞刺激ホルモン)濃度

FSH(卵胞刺激ホルモン)は、エストロゲンの分泌量が減ると卵巣を活性化させてエストロゲンを出させようとするため増えることになります。
よって、FSHの濃度が高いほど卵巣機能が低下していることになります。
数値が40mIU/ml以上の場合、更年期障害が疑われます。

この2つの濃度を計り、両方の数値が更年期のパターンに当てはまれば、更年期障害と診断されることになります。
 

4、骨量・骨密度測定

更年期ではエストロゲン(E2)が少なくなるため、骨形成や代謝異常が引き起こされ骨量が急激に減少してしまいます。
骨粗しょう症は痛みなどの自覚症状はほとんどなく、急に転びやすくなるなどで骨折などを招く可能性があります。
そのため自分の骨の状態を知っておくことが大切です。
 

5、心理検査

更年期障害の背景には心理的なストレスも大きく影響している場合があり、精神状態の不安定からうつ病などを発症する可能性もあるため、その兆候を知る為に行います。性格や考え方、行動の傾向などから心の健康度などを調べます。
検査によってうつ病や神経症などの精神的な問題が見受けられる場合は、専門医により適切な治療を行う必要があります。

更年期障害のおおよその検査はこのような内容です。
 

検査はどこに行けばいいの?

更年期障害の検査を受けるには、婦人科のかかりつけ医がいればそこでの相談がベストです。
もしかかりつけ医がいなければ、内科や婦人科で受けられます。
最近では、更年期障害専門外来も増えてきたので、近くに専門科がある場合はそちらを受診するのも良いでしょう。
 

検査の費用はいくらくらい?

更年期障害の検査費用の多くは5,000円程度ですが、料金は前後します。
保険がきく検査などもありますが、病院によって検査内容が異なる場合があります。通常、婦人科の病気が疑われた場合、治療を行うための検査には保険は適用されます。
まず検査費用については直接病院に確認しましょう。
 

おわりに

更年期には、このような検査によって、ホルモンの量や骨の状態などを知ることができるため、更年期障害症状がある、ないに関わらず、検査を受けておくことも更年期の健康管理の一つの方法といえるかもしれませんね。