オシリアが肛門のかゆみに効く!かゆみに効く成分と効果を解説
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薬剤師監修日:
オシリアはお尻・肛門のかゆみを改善する市販薬です。オシリアの効果や配合されている成分それぞれの効能、使用上の注意を解説します。

お尻の穴のかゆみがひどいと、日中の勉強や仕事に集中できず、夜に起こると場合によっては寝不足の原因になってしまうこともあります。しかし場所が場所なだけに人に相談しにくく、放置してしまっている人も多いのではないでしょうか。
肛門がかゆくなる原因は?
まずは肛門がかゆくなる原因を知りましょう。肛門のかゆみを改善するためには薬の使用だけでなく生活習慣の見直しも大切です。
下着や汗による刺激
下着や生理用品による摩擦が肛門に刺激を与え、かぶれや炎症が起こることがあります。
また汗も肛門を刺激してかゆみを引き起こす原因のひとつです。夏に起こる肛門付近のかゆみは汗が原因であることも多いです。
刺激物の食べ過ぎ
食べ物に含まれる刺激物質が排便の際に刺激となることもあります。特にカフェインやアルコール、唐辛子などの食べ過ぎが原因となります。
また香辛料の多い食事は下痢の原因にもなり、下痢が続くことで肛門に負担がかかりかゆみが起こることもあります。
皮膚の衛生状態が悪い
肛門周辺の汚れも皮膚への刺激となりかゆみを引き起こすことがあります。
不衛生な状態も問題ですが、肛門の洗い過ぎにも注意が必要です。過度な洗浄で皮膚の保護に必要な油分まで流してしまい、皮膚のバリア機能が低下してかゆみなどの炎症が起こることもあります。
痔などの病気が原因
痔などの病気がかゆみの原因となる場合もあります。
このうち、痔(いぼ痔・切れ痔)の初期段階であれば市販薬で対処することもできます。
しかし、肛門付近に強いかゆみや痛みがあるなどの場合は速やかに病院を受診することをおすすめします。
また尖圭コンジローマ、外陰膣カンジダ症・カンジダ膣炎などの性感染症が原因となっていることもあります。性感染症の疑いがある場合は必ず病院で検査を受け、適切な薬を処方してもらいましょう。
オシリアの効果は?
オシリアの添付文書には効能・効果として以下の記載があります。
効能・効果
きれ痔(さけ痔)・いぼ痔の痛み・かゆみ・はれ・出血の緩和及び消毒
オシリア添付文書(小林製薬株式会社) より引用
オシリアには肛門付近で起こるかゆみや痛み、腫れ、出血を緩和する効果があることが分かります。また殺菌作用のある成分も含まれているため、患部の消毒効果もあります。
オシリアの成分
オシリアには以下の成分が配合されています。
(100g中)
成分名 | 分量 |
ヒドロコルチゾン酢酸エステル | 0.5g |
ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 1.0g |
リドカイン | 3.0g |
イソプロピルメチルフェノール | 0.1g |
トコフェロール酢酸エステル | 3.0g |
このうち、オシリアの特徴的な成分はヒドロコルチゾン酢酸エステルとジフェンヒドラミン塩酸塩です。この2つの成分が肛門で起こるかゆみなどの炎症を抑えます。
ではそれぞれの成分について詳しく見ていきましょう。
ヒドロコルチゾン酢酸エステル:ステロイド
ヒドロコルチゾン酢酸エステルはステロイドの一種です。ステロイドには腫れや赤みなどを抑える抗炎症作用があります。
オシリアはヒドロコルチゾン酢酸エステルが一般用医療医薬品の承認基準内の最大量配合されています。
ステロイドは効き目の強さによって「もっとも強い」から「弱い」までの5段階に分けられています。ヒドロコルチゾン酢酸エステルは5段階中もっとも低い「弱い」に分類されており、ステロイドの中では作用が穏やかです。そのため肛門というデリケートな部分にも使用することができます。
ジフェンヒドラミン塩酸塩:抗ヒスタミン剤
ジフェンヒドラミン塩酸塩はヒスタミンという成分の働きを抑える抗ヒスタミン剤の一種です。ヒスタミンはかゆみなどの症状を起こす原因物質なので、ヒスタミンの働きを抑えることでかゆみをやわらげる効果があります。
リドカイン:局所麻酔剤
リドカインは皮ふなどの表面を一時的に麻痺させる局所麻酔成分です。即効性があることが特徴で、かゆみや痛みを抑える効果があります。
オシリアにはリドカインが基準内(一般用医薬品外用痔疾用薬承認基準)の最大量配合されており、かゆみや痛みを抑える効果が期待できます。
イソプロピルメチルフェノール:殺菌剤
殺菌作用のある成分です。肛門部で細菌が繁殖するのを抑える効果があります。
肛門部にかゆみや痛みがあるときは小さな傷が出来てしまっている可能性があります。傷に細菌が入り込み繁殖すると炎症の原因となるため、殺菌作用のあるイソプロピルメチルフェノールを塗ることで炎症を緩和することができます。
トコフェロール酢酸エステル:ビタミンE
トコフェロール酢酸エステルはビタミンE誘導体です。血行促進作用により、皮膚や粘膜の新陳代謝を促します。
オシリアの使い方と注意点
適量をとって肛門部に塗ります。指で塗ることに抵抗がある場合には、トイレットペーパーに薬を取って塗ることも可能です。
1日3回まで使用することができます。
してはいけないこと
■肛門付近が化膿している場合はオシリアを使用しないでください。
■長期間の連用は避けてください。10日間ほど使用しても症状が良くならない場合は使用を中止して医師や薬剤師に相談しましょう。
妊娠していても使える?
オシリアにはヒドロコルチゾンというステロイドが配合されています。
そのため、妊娠中の使用には注意が必要です。
母体の状態や患部の状態によって適した薬が異なりますので、安全面の観点から、妊婦の方はオシリアを使用する前に医師や薬剤師へ相談するようにしてください。
副作用はある?
使用後に皮ふの発疹・発赤、かゆみ、はれ、刺激感、化膿が現れた場合は副作用の可能性があります。そのほか、いつもと違う症状や異変を感じた場合は使用を中止して医師や薬剤師に相談しましょう。
オシリアは薬局やインターネット通販で買える?
オシリアは薬局やドラッグストアで購入できます。また、インターネット通販でも購入が可能です。
オシリア 10g【指定第二類医薬品】

おわりに
お尻のかゆみがツライときは市販薬の活用も有効な手段です。かゆみを抑えることでかき壊しを防ぐことができます。
かゆみが起こってからの対処も大事ですが、かゆみが起こらないように予防することも大切。まずは下着を清潔にしたり食生活を見直したりといった生活習慣の改善を行いましょう。
肛門付近のかゆみや痛みを改善する市販薬には今回紹介したオシリア以外にもさまざまなものが販売されています。かゆみや痛みを早く治すためにも症状や用途にあった薬を選びましょう。
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