ヘルペスはどんな病気?
ヘルペスとは、ヘルペスウイルスが原因で起こる感染症のことです。ヘルペスウイルスは皮膚や粘膜に感染し、水ぶくれや潰瘍(かいよう)などの症状を引き起こします。感染力が強く、唾液や患部への接触、せき、くしゃみなどで感染が広がっていきます。
ヘルペスとは単純疱疹または帯状疱疹のことを指します。
単純疱疹は体のどこにでも感染し、唇に症状が現れる口唇ヘルペス、性器に症状が現れる性器ヘルペスなど、感染部位によって名前が異なります。
帯状疱疹は体の痒みが1週間程度続き、水ぶくれが帯状に発生します。
いずれも一度症状が落ち着いても、ストレスや疲労、病気などで免疫力が低下したときに再び症状が現れやすくなります。
■口唇ヘルペス
唇のまわりに違和感、かゆみやほてりを感じます。その後、赤く腫れて水ぶくれになります。水ぶくれがかさぶたになった後は、2週間ほどで回復します。
■性器ヘルペス
性交渉などで感染し、性器やお尻などに水ぶくれや皮膚のただれができます。初めての発症では、激しい痛みや発熱をともなうこともあります。
■帯状疱疹(たいじょうほうしん)
体の一部に帯状の水ぶくれが発生します。
ヘルペスが原因で頭痛が起こるの?
ヘルペスウイルスは口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどの症状を引き起こしますが、ヘルペスウイルスにより頭痛が起こることもあります。
ヘルペスが原因で起こる頭痛
ヘルペス脳炎
単純ヘルペスウイルスの感染や、免疫力低下による再活性化によって引き起こされる急性脳炎のことをヘルペス脳炎といいます。
ヘルペス脳炎は実際のところ発症のメカニズムはわかっていません。最初は軽い頭痛、発熱、咳・鼻水から始まりますが、数日後に嘔吐、けいれん、意識障害、幻覚、錯乱、せん妄状態、記憶障害などがあらわれます。この症状があらわれた場合、神経内科、内科、小児科などに緊急で受診することが必要です。しかし、なかには頭痛や発熱がない症例もあるため注意が必要です。
ヘルペスによる頭痛の症状が出たら
ヘルペスウイルスによる水ぶくれの症状が出た場合、もしくはヘルペスウイルスによる頭痛が疑われる場合、症状に合った薬を処方してもらう必要があるため、まずは内科や皮膚科に相談しましょう。症状によっては、神経内科、脳神経外科、ペインクリニック、耳鼻咽喉科での受診が必要な場合があります。ヘルペスウイルス感染症は珍しい感染症ではありませんが、気になる症状があればしっかり病院を受診して早めに対処しましょう。
また、ヘルペスウイルスによる頭痛は、口唇ヘルペスの初感染による一時的な症状であるときもあれば、合併症による発生、さらに脳がウイルスに感染している深刻な状態であるおそれもあります。
初めて口唇ヘルペスを発症した場合は、原因や症状など詳しいことが特定できないため市販薬は使用できません。ただし、口唇ヘルペスの再発の場合であれば市販薬による治療が可能です。口唇ヘルペスに効く市販薬や薬の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。