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足がパンパンに腫れる!下腿浮腫と足背浮腫とは?

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薬剤師監修日:

むくみは医学的には浮腫と呼ばれます。この記事では足のむくみ(下腿浮腫と足背浮腫)の原因の解説と、女性にむくみが起こりやすい理由をご紹介します。

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監修薬剤師 :ミナカラ薬局 薬剤師 高橋 伊津美

足がむくむ下腿浮腫とは?

「足がむくむ」状態は、多くの人が経験したことがあることですが、特に女性や高齢者に多いといわれる症状です。

足のむくみを、医学的には「浮腫(ふしゅ)」と呼びます。
浮腫にはひざから足首までの部分がむくむ「下腿浮腫(ふしゅ)」と、足の甲部分がむくむ「足背(そくはい)浮腫」があります。

むくみ=浮腫(ふしゅ)とは

むくみ(浮腫)とは、皮下組織に細胞外液が異常に増加した状態のことです。

また、まだ目に見えてむくみが発症していなくても、皮下組織に水分がたまり始めることにより体重の増加がみられることもあります。

むくみ(下腿の浮腫/足背の浮腫)の原因

細胞外液とは、細胞の外に存在している水分です。

細胞外液は全身の細胞に栄養を届けたり、老廃物を細胞外に運び去ります。

むくみ(浮腫)は、この細胞外液が毛細血管壁を通過して、血管内から皮下組織に移動することで発症します。

足のむくみは片足だけの場合が多くみられますが、両足ともに腫れることもあります。
足は体で最も低い場所にあるため、重力の関係でむくみが生じやすい部位です。
しかし、本来ならば体内の水分バランスが良好に保たれているので、むくみは起こりません。
むくみが起こるのは、何らかの理由で体内の水分バランスが崩れ、組織と細胞の間に余分な水分が溜まるためです。

病気によるむくみ(浮腫)

■腎臓病(腎不全・ネフローゼ症候群など)
腎臓の機能が低下して水やナトリウムの排泄障害(尿があまり出ない)が起こるために老廃物がたまり、むくみ(浮腫)が起きます。
また、腎臓の機能が低下すると、尿の中に大量のタンパクが出ます。これが尿蛋白(にょうたんぱく)です。
すると血液中のタンパクが減るために濃度の調節が必要となり、血液中の水分を外に出そうと働くことで、むくみ(浮腫)につながります。

■心臓病(うっ血性心不全など)
心拍出量の減少で全身にうまく血液を運べなくなると血管内に余分な水分がたまります。その水分が血管外にしみだしてむくみを生じます。

■肝臓病(肝硬変など)
肝臓の機能が低下すると、血液中のタンパク質の濃度が低くなり、タンパク質による水分を引き付ける力が弱まり皮下組織に水分がたまります。
もしくは、周囲の組織にあるタンパク質に引き付けられて、血管から水分がもれ出してむくみ(浮腫)を発症します。

■甲状腺の病気(甲状腺機能障害など)
甲状腺の機能が低下すると、体内の水分代謝が悪くなりむくみ(浮腫)を発症します。むくみ(浮腫)が重症化したものを粘液水腫と呼びます。

タンパク質不足によるむくみ(浮腫)

タンパク質の一種「アルブミン」が不足するとむくみ(浮腫)が起こる場合があります。
この「アルブミン」はアミノ酸がおよそ600個連なったもので、これが血液中(血漿中)に存在することにより血管の外側と内側の水分量を調節しています。
しかし、アルブミンが不足すると濃度を保つために、水分が血管の外に流れ出てむくみ(浮腫)を起こします。
アルブミンが不足するおもな原因は、下記の通りです。

タンパク質(肉・魚・乳製品・豆類など)の摂取が不足している。

  • 肝臓の障害が起きてアルブミンが作られていない。
  • 腎臓の障害が起きてタンパク質が大量に排泄されてしまう。
  • 腸の障害が起きて、タンパク質の吸収ができない。

薬によるもの

薬の副作用で、むくみ(浮腫)を起こすことがあります。
その理由は、薬によってむくみ(浮腫)に深く関係する肝臓や腎臓に影響を及ぼしてしまうことがあるからです。
痛み止めや、糖尿病の薬、副腎皮質ステロイド薬などが挙げられています。

薬を変更することでむくみ(浮腫)が改善することがあるため、まずは主治医に相談してみましょう。

長年の立ち仕事・妊娠

長年の立ち仕事や妊娠により、足の静脈が圧迫されることがあります。
すると、静脈の弁の働きが悪くなって血管がこぶのように浮き上がります。
これは、いわゆる足のむくみを伴う血管の病気で「足の静脈瘤(下肢静脈瘤)」と呼ばれています。

むくみが女性に多い理由は、女性特有の原因?

女性にむくみが多い理由としては以下のことが考えられます。
また、女性特有の原因で起こるむくみの症状は一過性である場合が多いとされています。

  • 女性は出産に関わる臓器があるので血液が心臓に戻りにくい体の構造となっています。そのため、心臓に戻れない血液が細胞外液となって皮下組織にたまってしまうことがあります。
  • 女性は月経などのせいでホルモンバランスの変化が起こりやすい傾向です。ホルモンバランスが変化すると、体内の水分調節も乱れやすくなります。
  • ダイエットによりタンパク質が不足しがちになってしまいます。すると、血管の外側と内側の水分調節がうまくいかなくなってしまいます。
  • 女性は足の太さを気にしやすいので、必要以上に足のむくみに敏感な方が少なくありません。つまり、女性に足のむくみが多いというよりは、男性よりも足のむくみを気にしやすいという見解もあります。

おしまいに

むくみ(浮腫)は、一過性(一晩寝て起きると症状が回復しているなど)であれば大きな心配は要りません。

むくみ(浮腫)対策にはウォーキングや、着圧ストッキングの利用、塩分・水分の取りすぎに注意する、足を心臓より高くして眠るなどの方法が有効です。
しかし、以下のような変化があらわれたり、なかなか回復しないようであれば病気が隠れている可能性があります。早めに内科か、もしくは泌尿器科を受診しましょう!

  • あきらかに尿の量が減った
  • 急激に体重が増えた
  • むくみ(浮腫)が回復する兆しがない
監修薬剤師

ミナカラ薬局薬剤師高橋 伊津美

(経歴)
  • 昭和大学大学院薬学研究科修了
  • 昭和大学薬学部客員講師
  • 株式会社ミナカラ/ ミナカラ薬局
  • 薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
  • 【著書】
  • •現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
  • •現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル
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