子ども・赤ちゃんも水虫になる|原因は白癬菌
水虫の原因は白癬菌という真菌(カビ)の一種で、皮膚の角質層に白癬菌が寄生することによって水虫になります。
子どもや赤ちゃんも大人と同様に、水虫になる可能性はあります。
子ども・赤ちゃんの水虫には抗真菌成分配合の水虫薬を使用しましょう
大人同様、子ども・赤ちゃんの水虫は、真菌に効果のある抗真菌成分が配合された水虫薬でケアできます。
水虫薬は、市販薬としても販売されています。
原因が白癬菌でない場合、症状が悪化する可能性も
水虫が市販薬でケアできるのは、原因が白癬菌だとわかっている場合です。
症状の原因が白癬菌ではなかった場合、市販の水虫薬を使用しても効果がなく、かえって症状を悪化させる可能性もあります。
初めて水虫と疑わしい症状が出た場合は、まずは病院で検査を受けましょう。また、2歳未満の赤ちゃんは市販薬の使用よりも、医師の診断が優先されるため、まずは病院を受診しましょう。
子ども・赤ちゃんの水虫に効く市販薬の選び方|抗真菌薬配合
大人同様、子ども・赤ちゃんの水虫にも抗真菌成分が配合された薬を使用します。抗真菌成分が水虫の原因である白癬菌に効果を発揮し水虫をケアします。
市販されている水虫薬は、成分や剤形によって適した症状が異なるため、子どもや赤ちゃんの症状にあった薬を選ぶとよいでしょう。
症状に合う成分を選ぶ
水虫薬には抗真菌成分の他にもさまざまな成分が含まれており、症状によって適した成分が異なります。
水虫薬を選ぶ際には、抗真菌成分の他にどんな成分が配合されているかを確認しましょう。
症状 | おすすめの成分 |
---|---|
かゆみが気になる方 | かゆみ止め成分 |
皮膚がかぶれやすい方 | 抗真菌成分のみ |
患部の状態で選ぶ
水虫薬は、クリームや軟膏といった剤形の違いによって、適した患部の状態が異なります。子ども・赤ちゃんの水虫がどのタイプかチェックしてみましょう。
患部の状態 | おすすめの剤形 |
---|---|
ジュクジュクタイプ | クリーム |
カサカサタイプ | 液体、クリーム |
ゴワゴワタイプ | クリーム |
患部の状態によっては当てはまらない場合もあるため、どの剤形の薬を選んだらいいかわからないときは、医師または薬剤師に相談するとよいでしょう。
水虫でかゆみが気になる子ども・赤ちゃんに
水虫によるかゆみが気になる子ども・赤ちゃんには、かゆみ止め成分が含まれる水虫薬を検討しましょう。
ハイミズムシールEXクリーム|1日1回
ハイミズムシールEXクリーム 20g【指定第二類医薬品】
有効成分 | 剤形 | 使い方 |
---|---|---|
テルビナフィン塩酸塩 ジフェンヒドラミン塩酸塩 グリチルレチン酸 イソプロピルメチルフェノール |
クリーム | 1日1回 |
ハイミズムシールEXクリームは、水虫(白癬)に効く抗真菌成分に加え、かゆみ止め成分と殺菌成分が配合された水虫薬で、水虫によるかゆみにも効果を期待できます。
クリームタイプのため、伸びが良く広範囲に塗りやすい、ジュクジュクしている患部にもカサカサしている患部にも使いやすいという特徴があります。
抗真菌成分のみの水虫薬
子ども・赤ちゃんは皮膚が薄く、塗り薬の成分によってかぶれを起こしやすいこともあります。そのため、市販薬を使用する際には、有効成分が抗真菌成分のみの水虫薬を利用するとよいでしょう。
有効成分が抗真菌成分のみの水虫薬は、複数の成分が配合されている水虫薬に比べて、かぶれのリスクが少ないと考えられます。
ラミシールATクリーム|1日1回
ラミシールATクリーム 10g【指定第二類医薬品】
有効成分 | 剤形 | 使い方 |
---|---|---|
テルビナフィン塩酸塩 | クリーム | 1日1回 |
ラミシールATクリームは、有効成分が抗真菌成分のみの水虫薬です。有効成分が1種類だけのため、子ども・赤ちゃんにおすすめです。
クリームタイプのため、伸びが良く広範囲に塗りやすい、ジュクジュクしている患部にもカサカサしている患部にも使いやすいという特徴があります。
ラミシールAT液|1日1回
ラミシールAT液【指定第二類医薬品】
有効成分 | 剤形 | 使い方 |
---|---|---|
テルビナフィン塩酸塩 | 液体 | 1日1回 |
ラミシールAT液は、有効成分が抗真菌薬のみが配合された水虫薬です。有効成分が1種類だけのため、子ども・赤ちゃんにおすすめです。
液体タイプのため、さらりとした使い心地が特徴です。カサカサしている水虫に適しています。
市販の水虫薬の正しい塗り方と注意点
市販の水虫薬を使用する際は、以下の点に注意してください。
広範囲に薬を塗る
白癬菌は症状の出ていない部位にも存在するため、薬は広範囲に塗るようにしましょう。指の間から足裏全体に広く塗ることが大切と言われています。
薬は最低でも1か月間塗り続ける
白癬菌は自覚症状がなくても患部に残っている可能性があるため、症状が良くなったからといって自己判断で使用をストップするのはやめてください。
水虫薬を使用して症状が良くなっても、最低でも1か月は使用を続けることが基本です。詳しくはお薬の説明文書を確認しましょう。
入浴後に薬を塗る
水虫薬を使うタイミングはお風呂上がりがおすすめです。患部が清潔であり、皮膚がやわらくなって薬が浸透しやすいためです。
同じ時間に塗る習慣をつけておけば、塗り忘れを防ぐこともできます。
家庭でできる水虫の予防・対策
水虫の予防・対策に大切なのは、清潔な環境です。
皮膚に付着した白癬菌は、付着から24時間以内であれば洗い流すことができるので、毎日お風呂に入り、普段から足や体を清潔に保ちましょう。
ほかに身近にできる水虫の予防・対策としては次のようなものがあります。
・スリッパやサンダル、足ふきマットの共用は避けてこまめに洗う |
子ども・赤ちゃんの水虫に関するQ&A
子どもが水虫になってしまった場合、周囲の方へ感染するリスクも考慮する必要があります。感染を広めないためにも、保護者が注意をすることが大切です。
保育園や幼稚園には行ってもいい?
文部科学省が発表している『学校において予防すべき感染症の解説』によると、水虫(白癬)になっても、出席停止の必要はないとされています。
しかし、接触の多いスポーツなどは、感染リスクがなくなるまで試合や練習を休ませるようにとされています。
また、保育園や幼稚園では、床やマットなどの裸足で他の子どもと接触する機会が多くあります。周囲への感染リスクを減らすためにも、子どもに水虫の症状がある場合は、念のため園に連絡をした方が良いでしょう。
プールには参加してもいい?
プール水や足洗い槽で水虫に感染することはありませんが、共有のマットなどに白癬菌が落ちて、それが感染源となる可能性があります。
水虫の症状が強い場合は、プール施設の使用をやめて、まずは治療に専念した方が良いでしょう。
水虫になった場合のプール利用については、各施設に確認しましょう。
水虫の原因と感染経路
水虫の原因は細菌ではなく、白癬菌という真菌(カビ)の一種です。
白癬菌は、身体のさまざまな部位に感染することがあります。その中でも高温多湿なところで繁殖しやすいという特徴があるため、靴や靴下で蒸れやすい足に水虫の症状が出る方が多いです。
家庭内の感染経路
家庭内に水虫の人がいる場合、畳・床・足ふきマット・スリッパなどいたるところに、はがれ落ちた足の皮や垢がついています。
足ふきマットや絨毯などを共有していると、それらに付着した白癬菌から水虫に感染します。特に足の水虫は家庭内からの感染が多いため注意が必要です。
その他の感染経路
銭湯やプールなどの公共施設にある更衣室の床や足ふきマット、トイレのサンダルなどは、日常的に不特定多数の人が利用しています。
利用者の中に水虫の人がいると、気づかないうちに白癬菌を踏んだり触ったりしてしまうおそれがあります。白癬菌が足などに付着してもすぐに洗い流せば感染しないため、帰宅後によく洗うことが大切です。
水虫(白癬)の種類と症状
水虫の症状は大人も子どももほとんど同じです。白癬菌は足だけでなく、手や頭、陰部などに感染することもあります。
足白癬(あしはくせん/足の水虫)
足の水虫は足白癬(あしはくせん)といい、主に3つのタイプに分けられます。
足の水虫の種類 | 特徴 |
---|---|
趾間型 (しかんがた) |
・足の指の間の皮膚が白くふやけてジュクジュクする ・皮がむける ・強いかゆみをともなう |
小水疱型 (しょうすいほうがた) |
・足の裏や側面に、水ぶくれができる ・水ぶくれが破れると乾燥し、皮がむける ・強いかゆみをともなう |
角化型 (かくかがた) |
・足の裏やかかとの角質が厚く、硬くなる ・ひび割れをともなうこともある ・かゆみは無いことが多い |
爪白癬(つめはくせん)
足の爪が変形する・厚くなる・色が白や黄色に濁るといった症状が現れますが、痛みやかゆみを感じることはほとんどありません。
爪白癬は塗り薬が浸透しにくく、市販薬では治療ができないため、病院を受診する必要があります。
手白癬(てはくせん)
手に小さな水ぶくれができたり、手のひらの皮膚がガサガサになったりします。
足の水虫と同じように、症状によって指間型・小水疱型・角化型の3つの種類にわけられます。
股部白癬(こぶはくせん/いんきんたむし)
股部白癬(こぶはくせん)またはいんきんたむしと呼ばれます。
かゆみが強く、円形〜半円形の赤く盛り上がった発疹があらわれます。発疹の中心は治っているように見えることも特徴のひとつです。
股部に感染した場合は、太ももの内側や上部、下腹部にまで発疹が広がることもあります。陰嚢に発疹症状が出ることはあまりありません。
比較的男性がなりやすい傾向がありますが、女性にもあらわれる症状です。
頭部白癬(とうぶはくせん/しらくも)
頭部白癬(とうぶはくせん)の主な症状は頭皮のカサカサや紅斑です。髪の毛が楕円形に抜けたり頭皮の表面にフケのような細かいクズが出たりすることもあります。症状がひどい場合には、化膿をともない、毛穴から膿が出ることもあります。
戦前はよく見られた症状ですが、現在は比較的まれな症状です。