着床出血は妊娠初期のサイン!量・生理との違い・出血の時期・妊娠検査薬について
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着床出血は妊娠初期のサインともいわれています。着床出血はいつ起こるのか、出血期間、量、色の特徴、生理との違いについて徹底解説します。また、妊娠検査薬を使用するタイミングについても解説します。
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着床出血とは?
精子と卵子が結びつきできた受精卵は、約7日間ほど時間をかけて細胞分裂を繰り返しながら子宮に移動します。子宮の中にたどり着いた受精卵は子宮内膜の表面に着地し、表面からさらに奥へ潜り込みしっかりと着床します。
その際、着床により子宮壁が傷ついて血がでることを「着床出血」といい、医学的には「月経様出血」と呼びます。着床出血は受精卵の着床の合図ともいえるのです。
着床出血が起こるのは全体の約2%ほど
通常の妊娠で着床出血がみられるのは全体の2%と予測されています。
50人に1人に起こる計算になりますが、着床出血に気がつかないまま出産までを過ごす人も多く、2回目の妊娠のときだけ着床出血が起こったというケースもあります。
着床出血がなくても受精卵はちゃんと着床するので、出血がないからといって心配する必要はありません。
着床出血はいつ起こる?
着床出血は妊娠初期のサインであり、生理予定日の1週間前〜数日前に起こるのが一般的です。
生理前の女性の体は、排卵期になり「プロゲステロン」という女性ホルモンを分泌しはじめます。このホルモンが「妊娠する準備をするように!」と体に働きかけます。
基礎体温グラフでは、妊娠すると排卵期の後にプロゲステロンが分泌し続け高温期に入り、そのまま続きます。妊娠しなかったらプロゲステロンが低下し基礎体温も下がっていきます。
黄体期が過ぎて高温期が14日以上続いていれば着床の可能性があり、反対に基礎体温が下がりその後生理がきたら着床していないということになります。
ただし、基礎体温の違いはあくまでも目安です。
生理前に高温期が続く方もいるので、基礎体温の変化だけでは判断をしないように気をつけましょう。また、生理周期に乱れがない人でも、生理予定日に多少のずれが生じることもありますので、日頃から基礎体温を測っておくことをおすすめします。
着床出血の期間・血液量・色:生理との違いは?
着床出血かどうかを判断する上で、出血の状態は欠かせない要素です。出血の状態は個人差があり明確な症状はありませんが、着床出血に良くみられる特徴があります。
出血する期間は2~7日ほど
着床出血の期間は2~7日程度が目安です。生理と比べると期間が短いといわれますが個人差が大きく、生理と同じ一週間程度出血がある人もいます。
生理と比べて少ない血の量
着床出血の出血量は、通常の生理と比べて少ないことが特徴です。トイレットペーパーにうっすら血がつく程度の方がほとんどです。しかし、生理の初日も微量の出血があることが多いので、この時点で着床出血と判断するのは難しいでしょう。
血の色は薄いピンクや茶色
ドロっとした赤やうっすらピンク色など、色の薄さや濃さなどに個人差がみられますが、多くの場合はおりものにピンクや茶などの色が薄くつく程度です。
腹痛が起こることも
着床出血時に起こる、チクチクした痛みや生理痛に似た痛みを「着床痛」と呼ぶこともありますが、今のところ医学的根拠はないとされています。
いずれにしても、突然の出血があり痛みを感じたら着床出血以外の婦人科系疾患の可能性がありますので医療機関を受診しましょう。
妊娠検査薬を使うタイミングに注意
着床出血の可能性がある場合、妊娠検査薬を使って妊娠を確かめるという方法があります。ただし、妊娠検査薬を使う時期には注意が必要です。
妊娠検査薬に反応するのはhcG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)という妊娠時にでる特有のホルモンです。
着床出血が起こっても、妊娠検査薬に十分反応するくらいhcGが分泌されていないと正確な検査結果を確かめることができません。
着床出血が起こるのは早ければ生理予定日の7日前であり、着床出血が起こった直後は妊娠検査薬で確かめるには早く、陽性反応は出ません。
妊娠検査薬で結果を確認したいときは、生理予定日からさらに7日ぐらい過ぎてから試すようにしましょう。
受精卵が着床しやすい体をつくるために
着床しやすい体になるポイントの1つに、子宮内膜(胎盤)の厚みがあります。子宮内膜は受精卵が着床する大切な場所です。
子宮内膜の厚みが十分にあると受精卵が着床しやすくなり、そのためには妊娠の際に大きな役割をもつ「黄体」という器官が元気でいることが必要です。
黄体は排卵後に卵巣でつくられ、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌する役割があります。
黄体ホルモンには、子宮内膜を厚くし着床の手助けしたり、体温を上昇させ高温期を維持する働きがあります。また、子宮の収縮を抑えるため着床後の妊娠の継続にも必要です。
黄体ホルモンの分泌が減ると「黄体機能不全」といった症状になると同時に、子宮内膜が育たなくなり着床しにくい体となってしまいます。
黄体ホルモン増加させるために、次のようなことを心がけましょう。
お腹や下半身を冷やさない
黄体機能不全の方に良くみられるのが体の冷えです。妊娠に大きく関わる子宮内膜や卵巣などがある子宮は、体の中でも冷えやすい場所といえます。
黄体を元気にするために下半身の冷えに注意し、お腹や腰回りを温めてあげましょう。
ビタミンEの摂取
黄体ホルモンを増加させるにはビタミンEの摂取が効果的です。ビタミンEは老化防止や生殖機能維持にもよい成分です。
アーモンドなどのナッツ類、アボカド、ホウレンソウ、小松菜などの野菜類、、卵、納豆などビタミンEを含む食品を食事にプラスしてみましょう。
また、ビタミンEとビタミンCと一緒に摂取することで、ビタミンEの作用を高めることができます。イチゴ、キウイ、オレンジ、パプリカ、キャベツ、ジャガイモなどビタミンEを含む食品を一緒に食べましょう。
おわりに
時期や季節によって身体の変化が多いのも女性の体ですが、不確かな知識や不要な心配で身体からのサインを見逃さないようにしたいものです。着床出血が起こる妊娠初期はとてもデリケートな時期。不安なことやいつもと違う変化があるときは、我慢せずに医療機関を受診しましょう。
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