ジェニナックの効果・副作用を解説|飲み合わせに注意が必要な薬は?
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薬剤師監修日:
ジェニナック(ガレノキサシン)の効能・効果・副作用などについて解説します。ジェニナックと飲み合わせに注意が必要な薬も紹介。ジェニナックを使用する際の注意点についてもあわせて解説します。

ジェニナック(ガレノキサシン)はどんな薬?
ジェニナック(メシル酸ガレノキサシン水和物)は抗菌薬で、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎などに使用されます。
1日1回の服用で効果を発揮するため、日常生活においても使用しやすい薬です。
ジェニナックの用法・用量
通常、ジェニナックの用法・用量は、成人において1回400mgを1日1回とされています。
1日1回服用するだけで済むのは日常生活でも使いやすいため、ジェニナックのメリットでもあります。
ジェニナックの効能・効果
ジェニナックの効能効果は、「咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎」となっています。
ジェニナックの副作用
ジェニナックの主な副作用には、発疹、下痢、 便秘、頭痛などがあります。
ほかにも副作用として報告されている症状がありますので、ジェニナックを服用中にいつもと違う症状がある場合には、医師や薬剤師に相談しましょう。
重大な副作用
頻度は稀ではありますが、重大な副作用も報告されています。一例として以下にあげますが、他にも報告されている症状があるため、なにか異常を感じたら、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。
重大な副作用名称 | 初期症状など |
---|---|
ショック アナフィラキシー |
皮ふのかゆみ・じんま疹・声のかすれ・くしゃみ・のどのかゆみ・冷や汗・息苦しさ・動悸・めまい・息切れ・意識の混濁など |
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 中 毒 性 表 皮 壊 死 融 解 症 |
高熱(38℃以上)・目の充血・めやに・まぶたの腫れ・くちびるや陰部のただれ・のどの痛み・皮ふの広い範囲が赤くなるなど |
徐脈・洞停止・房室ブロック |
めまい・意識の低下・息切れ・脈がとぶ・脈が遅くなる・胸の痛み・胸の不快感・動悸・気を失うなど |
心室頻拍・心室細動 | めまい・動悸・胸が痛む・胸部の不快感・意識消失・失神・けいれんなど |
劇症肝炎・肝機能障害 |
倦怠感・食欲不振・発熱・黄疸・発疹・吐き気・おう吐・意識がなくなる・白目が黄色くなる・手のふるえ・皮膚が黄色くなるなど |
低血糖 | 冷や汗・吐き気・強い空腹感・寒気・動悸・手足のふるえ・目がちらつく・ふらつき・脱力感・頭痛・ボーッとする・眠気・ろれつが回らない・意識がなくなる・けいれんなど |
偽膜性大腸炎(クロストリジウム性大腸炎) | 頻繁な下痢・腹痛など |
無顆粒球症・血小板減少 | 突然の高熱・寒気・のどの痛み・手足に点状出血・あおあざができやすい・出血しやすいなど |
横紋筋融解症 | 筋肉痛、手足に力がはいらない、こわばる、全身がだるいなど |
幻覚・せん妄等の精神症状 | 実際にはない物が見えたり聞こえたりするように感じる・意識が乱れるなど |
けいれん | 顔や手足の筋肉がぴくつく・意識が薄れる・手足の筋肉が硬直しガクガクと震えるなど |
間質性肺炎、好酸球性肺炎 | 息切れがする・息苦しくなる・空咳(からせき)が出る・発熱など |
急性腎障害 | 尿量が少なくなる・ほとんど尿が出ない・一時的に尿量が多くなる・発疹・むくみ・倦怠感など |
ジェニナックと飲み合わせに注意が必要な薬
ジェニナックには、飲み合わせに注意が必要な薬が複数あります。
飲み合わせで副作用を起こすリスクを減らすためには、医師の診断を受けるときや薬剤師から薬をもらうときに、自分が飲んでいる薬を全て伝える、もしくはお薬手帳を見せてチェックしてもらうことが大切です。
自分では飲み合わせが悪くないと思っているものでも専門家が見ると気づく注意点などもあるので、お薬手帳などをしっかり活用して、自分の飲んでいる薬を正しく伝えましょう。
同時に服用するのを避けたい、飲み合わせに注意が必要な薬の一例には次のようなものがあります。
ロキソニンなどのフェニル酢酸系・プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤
ロキソニンやボルタレン(ジクロフェナクナトリウム)などのフェニル酢酸系やプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤の薬は、ジェニナックと併用することによりけいれんの症状が現れることがあります。
ただし、併用が禁止されているわけではなく、あくまで注意レベルです。医師が両剤を併用することを知った上で処方された場合は問題ありません。
なお、ロキソニンは市販薬でも「ロキソニンS」などとして販売されていますが、処方薬のロキソニンと同様に注意が必要となります。また、市販薬では風邪薬や痛み止めなどでイブプロフェンが含まれている薬が多いため、注意しましょう。
ジェニナックに限らず、薬を服用する際は、処方薬だけでなく、服用している市販薬についても医師または薬剤師に伝えましょう。
アルミニウム・マグネシウム・カルシウム・鉄・亜鉛を含む薬
「カチオン」と呼ばれる、アルミニウム・マグネシウム・カルシウム・鉄・亜鉛を含む薬とジェニナックを併用すると、ジェニナックの効果が弱まるおそれがあります。
もし、上記の薬を使用する場合は、ジェニナックの服用後2時間以上あけて使用するなどの注意をしましょう。
ニトログリセリン・硝酸イソソルビド
注射剤のニトログリセリンや硝酸イソソルビドは、海外において、ジェニナックと併用することにより血圧低下の副作用が増加する傾向が認められています。
クラスIA抗不整脈薬・クラスIII抗不整脈薬
クラスIA抗不整脈薬・クラスIII抗不整脈薬は、ジェニナックと併用することによりQT延長・心室性不整脈が現れるおそれがあります。
使用している不整脈の薬がクラスIA・クラスIIIに該当するかどうかは専門家でないとわからないので、不整脈の薬を使用している方は必ず医師に伝えましょう。
テオフィリン・アミノフィリン水和物
テオフィリン・アミノフィリン水和物とジェニナックを併用することにより、テオフィリンの中毒症状(消化器障害・頭痛・不整脈・けいれんなど)が現れるおそれがあるので、十分な注意して使用する必要があります。
ワルファリン
ワルファリンとジェニナックを併用すると、ワルファリンの作用が増強され、出血などの症状が現れることがあります。
観察を十分に行い、血液凝固能検査を行うなど注意することが必要とされています。
降圧作用を有する薬(降圧剤・利尿剤)
降圧作用のある薬とジェニナックを併用すると、降圧作用を増強してしまうおそれがあります。
血糖降下剤
血糖降下剤とジェニナックを併用すると、血糖降下作用を増強してしまうおそれがあります。
糖尿病の方は何かしらの血糖降下剤を飲まれている方が多いため、薬での治療をしている方は注意してください。
副腎皮質ホルモン剤
腱障害のリスクが増 大するとの報告があるため、これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすることと定められています。
ジェニナックの使用上の注意点
ジェニナックを使用する際は、次のようなことに注意してください。
アレルギーを経験している方
以前にジェニナックやジェニナックと同じキノロン系というグループの薬でアレルギーが出たことがある人は、ジェニナックを使用してはいけない決まりになっています。
基本的に一度アレルギーが出たことがある人は、2回目を使った時にも同じ症状が出るおそれがあるので、使用は避けましょう。
妊婦または妊娠している可能性のある方
妊婦または妊娠している可能性のある方は、ジェニナックを使用してはいけない決まりになっています。
妊婦または妊娠している可能性のある患者さんがジェニナックを服用したデータが不十分であり、安全性が確認できていないためです。
小児
小児(15歳未満)の場合は、臨床試験において小児への使用経験がなく、安全性が確認されていないため、使用してはいけない決まりになっています。
授乳中は注意
授乳中は使用してはいけないわけではありませんが、臨床試験で母乳中にジェニナックが移行することが認められています。
ジェニナックに限らず、授乳中には注意をしなければいけない薬が多数あるため、受診の際には、医師に授乳をしている旨を伝えましょう。
高齢者(65歳以上)は使用可能
高齢者(65歳以上)については、腱障害があらわれやすいとの報告がありますが、ジェニナック自体の使用は可能です。
間違って多く飲んでしまった場合は?
基本的には気づいた時点ですぐに医師に相談しましょう。
服用した量にもよりますが、濃度に依存する副作用の発現のおそれも考えられます。
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