貧血は何科に行くべき?病院の受診科と治療法を解説
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薬剤師監修日:
貧血の症状が現れた場合は病院の何科に行けばよいのかを徹底解説。貧血以外の症状がある場合の受診科も紹介しています。女性は婦人科で貧血診断できるのか、病院での貧血の治療法やどんな薬が処方されるかなどの疑問にも答えます。

貧血は何科の病院へ行けばよいの?
「健康診断で貧血という結果が出たけれど、何科を受診すればいいかわからない」「立ちくらみやめまいがするけれど、原因が貧血なのか疲れなのかわからない」といったときは、まずは内科を受診しましょう。
血液の病気全般を扱う血液内科もありますが病院数が少なく、近所になかったり、あっても受診までに時間がかかる場合があります。
総合病院に行く場合も、受診する科に迷ったらまずは内科を受診しましょう。
内科での検査の後に、必要であればより専門的な検査が可能な科へ紹介してもらうこともあります。
貧血以外の症状がある場合は何科を受診?
貧血のほかにも明らかな症状がある場合は、最初から専門の科を受診して検査を行うことも可能です。
血便・血尿が出る場合は消化器科・泌尿器科を受診
血便が出る場合は消化器科、血尿が出る場合は泌尿器科を受診しましょう。
貧血の症状のほかに、便・尿の異常や食欲不振などの体調不良が続く場合は、消化器系の病気が原因で貧血が起きているおそれがあります。
過去に胃潰瘍など消化器系の病気にかかったことがある場合は、消化器内科を受診しましょう。
鮮血が出る・痔の場合は肛門科を受診
痔の出血は少量に感じられるため、なかなか貧血と結びつきにくいものですが、長期間の出血が続くことで貧血になるおそれがあります。
痔の程度が重いと輸血が必要になるほどの貧血になることもあります。
明らかな痔の症状がある場合は、内科ではなく肛門科を受診しましょう。
痔は症状によっては市販薬のケアが可能です。
痔に効果を発揮する市販薬はこちらの記事でもご紹介しています。
生理の量が多い場合は婦人科を受診
貧血の検査は婦人科でも可能です。
生理の経血が多かったり生理痛と同時に貧血が起こったりする場合は、子宮の病気が原因となっているおそれもあります。
病気でなくても、貧血を起こす程の過多月経は治療の必要があるため、婦人科を受診しましょう。
病院での貧血の治療法
血液検査のあとは、検査結果に合わせてより精密な検査で原因を調べます。原因がわかった段階で、原因に合わせた治療や食事指導などが行われます。
感染症やがんなどによる貧血の場合や、複合的な要因が重なっている場合は、原因となる病気の治療が行われます。
原因によっては手術や入院を要することもあり、あまりにひどい貧血の場合は輸血がが必要です。
まずは検査で原因を突き止め、治療の方針や使用する薬剤などを決めます。
病院で処方される鉄欠乏性貧血の薬
貧血の原因の一つである鉄欠乏性貧血の場合は、鉄剤で鉄を補給します。同時に、鉄分不足を補う食事療法が行われます。
【鉄欠乏性貧血の治療で病院で処方される主な鉄剤】
商品名 | 鉄含有量 |
フェロミア錠 | 50mg/1錠 |
フェロ・グラデュメット錠 | 105mg/1錠 |
フェルムカプセル | 100mg/1カプセル |
鉄剤は吐き気・下痢・便秘などの消化器症状の副作用が比較的出やすい薬です。
そのため、経口の鉄剤による副作用が出た場合には、点滴で鉄を補うなどの対処法が取られます。
市販薬のなかには鉄欠乏性貧血に効果を発揮するものがあります。
鉄欠乏性貧血に使える市販薬はこちらの記事でもご紹介しています。
おわりに
貧血には、鉄分不足、消化器の病気、生理の異常など必ず原因があります。
貧血の原因を解明するには、血液検査が必要です。受診する科に迷ったら、まずは内科で血液検査をうけましょう。