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クラリスロマイシンDS小児用は溶かすことで苦味を感じさせてしまうことがあるため、飲むのを嫌がる子も少なくありません。液体の飲み物など、何かに混ぜても薬の苦味をあまり感じさせることなく、子どもに飲ませる方法を紹介します
クラリスロマイシンドライシロップ(クラリスロマイシンDS)小児用は、主に細菌による感染症の治療や予防に広く使われている抗生剤で、様々な病気の原因となる細菌の増殖をおさえます。
ドライシロップ(粉薬)であるクラリスロマイシンDS小児用は、水などに溶かして飲む薬です。
しかし、溶かすことで苦味を感じさせてしまうことがあるため、飲むのを嫌がる子どもも少なくありません。
この記事では、液体の飲み物など、何かに混ぜても薬の苦味をあまり感じさせることなく、子どもに飲ませる方法を紹介します。
クラリスロマイシンDSと味の相性がいいのは牛乳、ココア:薬のコーティングをはがしづらい飲み物に混ぜるとよい
クラリスロマイシンDS小児用を飲む時に混ぜると苦味を感じづらい飲み物は以下のようなものがあります。
■ 牛乳
■ ココア
他にも、以下のような食べ物と混ぜるのもおすすめです。
■ バニラアイスクリーム
■ プリン
■ 練乳
牛乳やココアの場合は、クラリスロマイシンDSを液体の中に入れて混ぜ合わせて飲んでもいいですし、先に薬だけを口に入れ、あとから牛乳やココアで流しこんでもかまいません。
バニラアイスクリームやプリンと一緒にクラリスロマイシンDSを飲む場合は、薬を上にまぶすのではなく、バニラアイスクリームやプリンで挟み込み、そのまま飲み込むことで苦みを感じる前に体内に運ぶことができます。
さらに、そのあと水などで口の中の残留物を飲んでしまえば、薬が口の中に残ることも少なくてすみます。
牛乳やココア、アイスクリームやプリンなどと一緒に薬を飲ませて大丈夫なのか心配される方もいるかもしれませんが、薬の飲み合わせとしては問題ありません。
クラリスロマイシンDS小児用は、苦味の成分を甘くコーティングすることで苦味を緩和させている薬です。
牛乳やココアをはじめ、バニラアイスなどはこの薬のコーティングを剥がしにくいため、苦味をあまり感じることなく薬を飲むことができるのです。
酸性飲料はクラリスロマイシンDSのコーティングを剥がしやすい
クラリスロマイシンDS小児用を飲ませるのに相性の悪い飲み物は以下のようなものがあります。
■ スポーツドリンク
■ オレンジなど柑橘系の果汁のジュース
■ 乳酸菌飲料
クラリスロマイシンDS小児用の苦味を緩和させるコーティングは、酸性に弱いという特徴を持ちます。
スポーツドリンクや柑橘系のジュースなどの酸性の飲み物は、薬のコーティングを剥がしやすく、苦味があらわれてしまいます。
ヨーグルトなども同様に酸性の要素を持つので、クラリスロマイシンDS小児用と一緒に口に含むには相性の悪いものだと言えます。
クラリスロマイシンDSと味の相性の悪い薬もあるので注意
クラリスロマイシンDSを処方された時、ムコダインやアスベリンといった薬をいくつか同時に処方される場合があります。数種類の薬を同時に飲むという行為も薬の苦味が増す原因になるといわれています。
これらを一緒に飲んでしまうと、クラリスロマイシンDS小児用の薬のコーティングが剥がれ、苦味があらわれやすくなります。
もし、何種類かの薬を処方された場合はクラリスロマイシンDSだけは分飲んだ方が苦みを感じづらいでしょう。
更に薬を飲む順番として、一番苦みが強いとされる抗生剤は一番最後に飲み、甘い薬から飲んだほうが苦みを感じにくく、薬に対する抵抗感も薄れる傾向もあります。
クラリスロマイシンDSとムコダインDSが同時に処方された場合は、それぞれ別々に飲むようにし、片方の薬を飲んだ後によく口の中をすすいてでからもう片方の薬を飲むようにしましょう。
製薬会社によってクラリスロマイシンDSの味に違いがあります
ジェネリック医薬品は先発薬とは味や形状が違う場合があります。
ジェネリック医薬品であるクラリスロマイシンDSの味や特徴も製造している会社によってさまざまです。
■ クラリスロマイシンDS小児用10%「トーワ」
特異な芳香があり、味は甘い。白色〜帯黄白色をした粉末。
■ クラリスロマイシンDS小児用10%「タカタ」
においはないかわずかに特異なにおいがある。味は甘い。微黄白色〜微褐色の微粒又は粉末。
■ クラリスロマイシンDS10%小児用「サワイ」
ストロベリーのような芳香があり、味は甘い。白色の粉末状または粒状。
■ クラリスロマイシンDS10%「MEEK」
芳香があり、味は甘い。白色の粉末。
■ クラリスロマイシンDS10%小児用「EMEC」
ストロベリーのような芳香があり、味は甘い。白色の粉末状または粒状。
■クラリスロマイシンDS10%小児用「日医工」
味は甘く、白色の粉末。
クラリスロマイシンDSはどんなときによく使われるのか?
クラリスロマイシンDSはレンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌など、様々な細菌に対して効果を発揮する抗生剤です。
例えば、以下のような病気の時に医師の判断で処方されます。
・呼吸器感染症
気管支炎・肺炎・扁桃炎(へんとうえん)・咽頭炎(いんとうえん)・喉頭炎(こうとうえん)など、いわゆる風邪症状
・耳や鼻の感染症
中耳炎・副鼻腔炎(ふくびくうえん)など
これ以外にも、風邪が長引いたときなどに、感染症予防などの目的で使用されます。
抗生剤は処方された分をきちんと飲みきることが大切です。抗生剤を飲みはじめると、病気の症状が劇的に改善され、まるで完治したかのような状態になる場合もあります。
しかし、それは身体の中の細菌の数が減少したというだけで、まだ完治した状態ではありません。
一見、治ったようにみえても体内ではまだ撃退しきれていない細菌が存在している可能性もあります。
症状をぶりかえさず、きちんと病気を治すためには、処方された分の薬を飲みきるようにしましょう。
クラリスロマイシンDSの使用中や副作用で注意したいのはこちら
薬を飲むと心配されるのが副作用。一般感染症の治療目的でクラリスロマイシンDS小児用を飲んだ場合、主にあらわれる副作用は発疹と下痢です。
もしも、軽度のものであれば様子をみましょう。しかし、発疹の場合は広範囲に及んでいたり重度のものである、下痢の場合は何度もトイレに駆け込まなければいけない頻度であったり水っぽい下痢であるときは使用を中止し、医療機関に相談しましょう。
また、滅多におこるものではありませんが、冷や汗・顔色が青ざめたり、手足の冷えしびれ・じんま疹・全身が赤くなったり、顔や喉がはれる・ゼーゼー、ヒューヒューいうような息苦しい呼吸・めまいや意識が薄れたりするアナフィラキシー様症状やショック症状などがでたら重い副作用がでているといえます。
また、これらの症状は薬を服用してわりと早く出る傾向が強いとされています。
薬を飲んだ後にこういった症状が見られた場合はただちにを病院で診察をうけるようにしましょう。
重度の副作用については、こちらに一覧がありますのでご覧ください。
参考:クラリスロマイシンDS小児用10%「トーワ」(処方薬)
クラリスロマイシンDSと飲み合わせの注意(相互作用)があるのはこちら
薬の飲み合わせによっては重篤な副作用をおこしたり、身体が危険にさらされてしまうことがあります。
クラリスロマイシンDS小児用の場合は、下記のような薬を飲んでいたら使用しないように注意しましょう。
・オーラップ(ピモジド)
・ジヒデルゴット(エルゴタミン)
・アドシルカ(タダラフィル)
・スンベプラ(アスナプレビル)
・バニヘップ(バニプレビル)
・ベルソムラ(スボレキサント)
また、併用禁止ではなくても医師・薬剤師に相談しながら使う必要がある薬もあります。
既に飲んでいる薬があれば、必ず医師・薬剤師に確認をするようにしましょう。
近年は薬を飲むためのオブラート商品も豊富!クラリスロマイシンDSでもお試しを
クラリスロマイシンDS小児用は、1日2~3回に分けて飲む薬ですが、年齢や体重、症状によって一回分の薬の量がかわります。
医師・薬剤師に指示のもと、用法・用量をまもってのみましょう。
苦みを感じさせずに飲める飲み物や食べ物を紹介してきましたが、近年では薬をのむためのゼリー状のオブラートなど、子どもに薬を飲みやすくする商品も増えてきています。
あまりに嫌がるようならこうした商品を使うのもひとつの方法です。
また、同じ成分を持つ違う薬で試してみるのもいいでしょう。医師・薬剤師と相談して薬を切り替えてみてください。
クラリスロマイシンドライシロップ以外の粉薬の飲み合わせ対策もありますので、こちらの記事も参考にしてみてください。