アレジオン錠ってどんな薬?
アレジオン錠は、花粉症を含むアレルギー性鼻炎で病院にかかった際に処方される飲み薬です。くしゃみや鼻水といった鼻の症状の緩和に役立ちます。
アレジオン錠の有効成分は、エピナスチン塩酸塩です。成分量の違いで2種類の錠剤があり、医師は患者の年齢や症状、体質により使い分けます。
・アレジオン錠10(1錠中エピナスチン塩酸塩10mg含有)
・アレジオン錠20(1錠中エピナスチン塩酸塩20mg含有)
アレジオン錠が効くメカニズム
アレジオン錠は、アレルギーの原因物質であるヒスタミンをブロックすることで、アレルギーによる鼻の症状を緩和します。この働きを「抗ヒスタミン作用」といいます。
抗ヒスタミン作用がある薬は「抗ヒスタミン薬」と呼ばれ、販売された年代などによって「第1世代」と「第2世代」に分けることができます。アレジオン錠は第2世代の抗ヒスタミン薬です。
第2世代の抗ヒスタミン薬は一般的に第1世代より眠気などの副作用は出にくいとされています。
アレジオン錠にはどんな副作用がある?
抗ヒスタミン剤は、脳へ流入することで副作用を引き起こすおそれがあります。
ここでは、アレジオン錠の副作用でみられる症状や発生頻度について解説します。
アレジオン錠の主な副作用と発生頻度
臨床試験と市販後の使用成績調査によると、アレジオン錠の副作用は3.12%の人に現れました。最も多い症状は眠気で、1.21%の人に現れました。
眠気を催すと集中力・判断力・作業効率の低下を招くおそれがあります。そのためアレジオン錠を飲んだ後は、自動車などの運転や機械の操作に注意が必要です。
そのほかの副作用と発生頻度は以下の通りです。
副作用 | 発生頻度 |
---|---|
口渇 |
0.33% |
倦怠感 |
0.32% |
胃部不快感 |
0.20% |
嘔気 |
0.18% |
頭痛 |
0.1~5%未満 |
不眠 |
0.1%未満 |
蛋白尿 |
0.1%未満 |
尿閉 |
0.1%未満 |
頻尿 血尿等の膀胱炎様症状 |
頻度不明 |
心悸亢進 |
0.1~5%未満 |
呼吸困難 |
0.1%未満 |
白血球数増加 |
0.1%未満 |
月経異常 |
0.1%未満 |
発疹 | 0.1~5%未満 |
蕁麻疹 かゆみ そう痒性紅斑 |
0.1%未満 |
浮腫(顔面、手足等) |
頻度不明 |
重大な副作用について
アレジオン錠の重大な副作用は発生頻度は極めて少ないですが、肝機能障害や黄疸、血小板減少などが報告されています。
初期症状には全身の倦怠感、食欲不振、発熱、吐き気・嘔吐などがみられます。
アレジオンを使用しているときに異常を感じた場合は、早めに医師に相談してください。
お酒を飲むと副作用のリスクは高くなる?
アレジオン錠とアルコールの併用について、製薬会社からの公式な注意喚起はありません。
しかし、一般的には薬とアルコール類の併用は推奨されていないため、飲酒を避けるのが賢明です。副作用のリスクが高くなるおそれもあるので、毎日の飲酒が習慣になっている場合は、受診した際に薬の服用時間や飲酒量などを医師に相談しましょう。
また、市販薬のアレジオン20では、アレジオン20服用前後の飲酒は禁止されています。
アレジオン錠のジェネリックと市販薬について
アレジオン錠は、1日1回飲めば良い点や眠気の副作用が比較的出にくい点から、病院で処方される機会も多い薬です。さらにジェネリック医薬品や市販薬などもあるため、選択肢の幅が広い点もメリットです。ここでは、アレジオン錠のジェネリック医薬品や市販薬について解説します。
アレジオン錠のジェネリック医薬品
ジェネリック医薬品は、先発薬の特許が切れた後に販売された薬を指します。ジェネリック医薬品の有効成分は先発薬と同じものです。ジェネリック医薬品を処方してもらうと、薬代をおさえることができます。
アレジオン錠10、アレジオン錠20それぞれにジェネリック医薬品があります。
アレジオン錠の市販薬
薬局やドラッグストアで購入できる市販薬にはアレジオン錠と同じ有効成分を配合したものがいくつかあり、エスエス製薬の「アレジオン20」はその一つです。
アレジオン20は、1日1回飲めば効果が持続します。なお、飲むタイミングは就寝前に定められています。
アレジオン20は眠気や吐き気などの副作用が出る場合があります。
また、アレジオン20は薬を飲む前後の飲酒が禁じられているので注意しましょう。
アレジオン20 6錠 医療用とアレジオンと同成分配合 (第2類医薬品)【第二類医薬品】
アレジオン20 12錠 アレルギー性鼻炎 花粉症に (第2類医薬品)【第二類医薬品】
アレジオン錠を処方された人の中には、通院が難しく、市販薬に切り替えたいと考える人もいることでしょう。しかし切り替えの際にはいくつかの注意点がありますので、購入前に必ず医師や薬剤師に相談してください。
また、下記に該当する場合も医師や薬剤師に相談しましょう。
・アレジオン錠を飲んでいた期間も含め、1週間くらい市販薬を飲み続けても症状が良くならない場合
・アレジオン錠を飲んでいた期間も含め、症状が良くなっても2週間以上市販薬を使用する予定の場合
以下の記事ではアレジオン20以外の花粉症による鼻水やくしゃみなどに使える市販薬をご紹介しています。
おわりに
使用回数や眠気の副作用が出にくいという点などからアレジオン錠は継続して飲みやすい薬です。アレジオンなどの花粉症の薬を上手に使って、花粉症シーズンを乗り切っていきましょう。