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ムコダインのジェネリック医薬品であるカルボシステインは、風邪などで痰や鼻水が出ているときなどによく使われますが、飲んでからどの程度で効果が現れ始めるか、どの程度効果が持続するかという点が気になる場合もあるかと思います。
そこで、公開されているデータを元にカルボシステインの効果発現時間、持続時間から、カルボシステインがちゃんと効いているのかについて解説していきます。
カルボシステインの基本的な情報はミナカラ薬辞典をご参照ください。
カルボシステイン錠500mg/カルボシステイン錠250mg/カルボシステインシロップ小児用/カルボシステインDS50%/カルボシステインDS33.3%
カルボシステインの効果発現時間は1〜2時間程度と想定
まずは、効果が現れるまでの時間について、薬の血中での濃度データを参考に、推定していきましょう。
薬に付いている添付文書を見ると、カルボシステインの使用した時の血中での濃度は以下のようになります。
個人差はありますが、カルボシステインを飲んでから体の中で最も濃度が高い最高血中濃度に到達する時間は2.5時間となっており、早ければ1~2時間ほどで体の中で効果が現れはじめると想定できます。
しかし、その効果は比較的緩やかに現れることも多いため、カルボシステインはその効果がなかなか実感しにくいという面もあります。
そのため、2~3日飲み続けることで、ようやくその効果が実感できるというケースも少なくありません。
このように、カルボシステインは効果を実感するまでは少々時間がかかることもありますが、ある程度の期間を飲めば効果が得られる薬なので、必ず処方された量をしっかりと飲み続けることが大切です。
なお、今回の推定はあくまで血中での濃度データをもとにしているものであり、実際の実験結果などとは異なる可能性がある点はご注意ください。
カルボシステインの持続時間は4〜8時間程度と想定
カルボシステインは1日3回の使用を指示されることが多い薬ですが、正しい用法で服用した場合は、ほぼ1日中効果が得られると考えられます。
添付文書を見ると、カルボシステインは血中での濃度が最も高くなってから、薬が代謝などされて濃度が半分になるまでにかかる時間(消失半減期)がおよそ1.6時間となっています。
このデータから効果の持続時間の目安を推定すると、飲んでから4~8時間程度は薬の効果が続くと想定でき、1日3回の使用では1日中効果が得られるということになります。
カルボシステインを処方されたときは、指示された通りに飲み忘れなくしっかりと使用することが重要と言えるでしょう。
カルボシステインの服用間隔は?
カルボシステインの効果発現時間、効果持続時間が分かったところで、次に気になるのはどれくらいの間隔を空けて飲めばいいのか、ということではないでしょうか。
カルボシステインは1日3回服用する使い方が基本です。その点からも4〜6時間ほどは時間を空けるようにしてください。
また、添付文書の血中濃度から逆算しても、4時間後以降に服用することで安全かつ一定の薬の効果を保つことができると考えられます。2時間以内など極端に短い時間に続けて服用すると、副作用などが出やすくなる危険性も考えれますので、必ず指示された用法に従いましょう。
カルボシステインが効果なし、効かないと思っても継続を
ここまで、カルボシステインの効果が現れるまでの時間と持続時間を見てきましたが、カルボシステイン自体は劇的に効果を実感できるような薬ではありません。
そのため、飲んでも効いている気がせず、効かないなら止めてしまっても構わないのでは、と考える方もいるのではないでしょうか。
しかし、カルボシステインは薬の効果を実感できるまでに比較的時間がかかることも多いため、処方された数日間は飲み続けることが重要となっています。
効果が実感できなくても、実際には体の中で効果が発揮されていると考えられるので、医療機関から指示された通りに薬を飲み切ることを心がけましょう。
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