
カルボシステインは痰を出しやすくする去痰薬、ムコダインのジェネリック医薬品ですが、鼻水や鼻づまりの症状に処方されることもあります。
なぜ去痰薬であるカルボシステインが鼻水や鼻づまりに使われるのでしょうか。
この記事では、カルボシステインが鼻水にどのように作用するのか、また子供や赤ちゃんにも使えるのかといった点について解説していきます。
カルボシステインの鼻への作用
カルボシステインは鼻の粘膜に作用して鼻水、膿(うみ)などのドロドロとした粘液を体外に出しやすくするため鼻水、鼻づまり、副鼻腔炎などへの効果を期待して処方されることがあります。
カルボシステインの主な作用は去痰作用ですが、気管に対する作用と同じように炎症で傷ついた鼻の粘膜を修復したりすることで、鼻水や膿などを流れやすくします。
また、慢性の副鼻腔炎では鼻の奥に膿が溜まった状態ですが、カルボシステインには鼻の奥に溜まった膿を流れやすくして外へ出す機能を改善する効果も期待できます。
飲んだ後は鼻水が増える?
カルボシステインは鼻水のネバネバを薄くして、サラサラと流れやすい鼻水に変えて体外に出しやすくするため、飲んだ後は一時的に鼻水の量が増えたと感じることがあります。
鼻水や痰には「ムチン」という粘り成分が含まれていますが、鼻づまりや痰が喉に絡むといった症状のときはバランスが崩れ、正常時に比べて「ムチン」の比率が増えています。
カルボシステインには鼻水や痰に含まれる「ムチン」の分泌量を調節する作用があり、ねばついて鼻の奥に詰まっている鼻水を流れやすくするのです。
そのため、カルボシステインを飲んだ後は鼻水が流れやすくなって鼻づまりが改善されます。
このようにカルボシステインを飲むと鼻水が流れやすくなり、鼻水の量が一時的に増えたと感じますが、薬が正しく作用しているために起こるものです。
そのため短期間であり、極端なものでなければあまり心配はありません。
カルボシステインは子供や赤ちゃんでも使える薬
ムコダインと同様カルボシステインの副作用の中で頻度が最も高いものは、食欲不振の0.24%です。
子供や赤ちゃんには、カルボシステインシロップ小児用やカルボシステインDS(ドライシロップ)など、錠剤よりも飲みやすいタイプのものが作られており、痰切り薬として処方されることがあります。
また、子供に限った場合、中耳炎の一種である滲出性中耳炎の薬として処方されることもあります。
気管への作用と同様に、鼓膜の奥にある中耳の粘膜にも作用し、炎症で傷ついた粘膜を修復したり、中耳に溜まった浸出液(耳垂れ)を体の外に出す効果が期待できます。
カルボシステインは年齢に関係なく、医師に指示された用法・用量を守って使用することが大切です。
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