いんきんたむし・ぜにたむしに効く市販薬|抗真菌薬の選び方
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薬剤師監修日:
いんきんたむし(股部白癬)は股間周辺に赤い発疹が発生し、強いかゆみや痛みをともなう病気です。水虫と同じ白癬菌が原因で体部にも症状があらわれることがあり、ぜにたむし(体部白癬)と呼ばれます。この記事ではいんきんたむし・ぜにたむしの治療方法や市販薬について解説します。

いんきんたむし・ぜにたむしの原因は白癬菌
いんきんたむし(股部白癬)・ぜにたむし(体部白癬)の原因は、白癬菌という真菌の一種です。
水虫と同じ原因菌で、主に自分自身や家庭内の白癬菌が股間や体に感染・増殖することで発症します。
いんきんたむし・ぜにたむしを発症すると、円形〜半円形の赤く盛り上がった発疹があらわれます。発疹の中心は治っているように見えることも特徴のひとつです。
いんきんたむし・ぜにたむしは市販薬で治せる?
いんきんたむし(股部白癬)・ぜにたむし(体部白癬)を市販薬で治療できるのは、原因が白癬菌だとわかっている場合です。
症状の原因が白癬菌ではなかった場合、市販薬を使用しても効果がなく、かえって症状を悪化させる可能性もあります。
初めていんきんたむし・ぜにたむしと疑わしい症状が出た場合は、まずは病院で検査を受けましょう。
いんきんたむし・ぜにたむしに効く市販薬の選び方
市販薬には抗真菌成分が配合されており、主に剤形によって使い分けられます。
いんきんたむし(股部白癬)は、患部がデリケートゾーンであり、皮膚が擦れ合うことが多い部位です。
そのため、軟膏やクリームなどの患部への刺激が比較的少なく、保護作用のある剤形がおすすめです。
ぜにたむし(体部白癬)は、患部にただれや傷、ひび割れが無ければ使いやすいクリームや液体タイプがおすすめです。
患部に傷口がなくジュクジュクしていない状態で剤形に迷う場合は、塗り広げやすく液だれしにくいクリームタイプがおすすめです。
市販薬に含まれている成分
市販薬には、抗真菌成分以外にも、特有の症状を緩和するための成分が含まれているものもあります。
かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン成分などのかゆみを抑える成分が含まれている薬を選ぶといいでしょう。
掻いてしまったり、症状が進行すると患部がただれて炎症を起こすこともあります。その際は抗炎症成分が含まれた薬を使用することで、炎症がおさまりやすくなります。
また、患部からにおいが出ている場合は、においの原因となる細菌の繁殖を抑える殺菌成分が含まれている薬を選ぶとよいでしょう。
市販薬に含まれている成分 | 有効成分 |
---|---|
かゆみを抑える成分 (抗ヒスタミン成分など) |
ジフェンヒドラミン塩酸塩など |
抗炎症成分 | グリチルレチン酸など |
殺菌成分 | イソプロピルメチルフェノールなど |
いんきんたむし・ぜにたむしに効く市販薬|抗真菌成分配合
いんきんたむし(股部白癬)・ぜにたむし(体部白癬)には、抗真菌成分が配合された市販薬を選びましょう。
ハイミズムシールEXクリーム|かゆみ・赤みに
ハイミズムシールEXクリーム 20g【指定第二類医薬品】
有効成分 | 剤形 |
---|---|
テルビナフィン塩酸塩 |
クリーム |
ハイミズムシールEXクリームは、白癬菌に効く抗真菌成分に加え、かゆみ止め成分と殺菌成分、抗炎症成分が配合された水虫治療薬です。
いんきんたむし(股部白癬)・ぜにたむし(体部白癬)によるかゆみ、赤みにも効果を期待できます。また、殺菌成分が患部周辺の雑菌の繁殖を抑えます。
1日1回の使用で良いため、デリケートエリアに何回も薬を使いたくない、といった不安がある方にもおすすめです。
伸びが良く、広範囲に塗りやすいクリームタイプで、軟膏と比べてべとつきが少ないことから、下着を履いていても比較的気になりにくい使用感となっています。
ラミシールAT液|有効成分が抗真菌成分のみ配合
ラミシールAT液【指定第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
---|---|
テルビナフィン塩酸塩 |
液体 |
ラミシールAT液は、有効成分が抗真菌成分のみの水虫薬です。
シンプルな設計ですが皮膚によく浸透し、角質層に存在する白癬菌を殺菌します。
液体タイプのため、さらりとした使い心地が特徴です。乾燥(カサカサ)タイプの患部におすすめです。
ピロエースZ軟膏|保護効果の高い軟膏タイプ
ピロエースZ軟膏 15g【指定第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
---|---|
ラノコナゾール |
軟膏 |
ピロエースZ軟膏は抗真菌成分に加えて、殺菌成分と、抗炎症成分が配合された水虫治療薬です。
軟膏タイプのため、塗った後のべとつきがありますが、患部を保護する効果が高く、クリームや液体に比べて刺激が少ないことが特徴です。特にジュクジュクして、薬がしみると痛みを感じる水虫におすすめです。
いんきんたむし・ぜにたむし治療の注意点
いんきんたむし(股部白癬)・ぜにたむし(体部白癬)に市販薬を使用する場合は、以下の点に注意してください。
薬は最低でも1か月間塗りつづける
白癬菌は自覚症状がなくても患部に残っている可能性があるため、症状が良くなったからといって自己判断で使用をストップするのはやめてください。
水虫治療薬を使用して症状が良くなっても、最低でも1か月は使用を続けるようにしましょう。
入浴後に薬を塗る
水虫治療薬を使うタイミングはお風呂上がりがおすすめです。患部が清潔であり、皮膚がやわらかくなって薬が浸透しやすいためです。
また、同じ時間に塗る習慣をつけておけば塗り忘れを防ぐこともできます。
市販のステロイド薬の使用はしないこと
いんきんたむし・ぜにたむしは強いかゆみをともなう事が多いため、湿疹と誤って判断し、ステロイド薬を使用してしまう方がいます。いんきんたむしの原因菌は白癬菌であるため、ステロイド薬を使用しても効果はありません。
いんきんたむし・ぜにたむしにステロイド薬を使用すると、かえって症状がひどくなるおそれもあるため、自己判断で市販のステロイド薬を使用するのはやめましょう。
いんきんたむし・ぜにたむしの感染経路|女性も発症する?
いんきんたむし(股部白癬)・ぜにたむし(体部白癬)は水虫と同じ白癬菌が原因となるため、自分の足や手に水虫があると、そこから広がって股間部や体部に感染することがあります。
また、家族に水虫を発症している方がいる場合は、タオルやマットを共有していると、家族から感染してしまう場合もあります。
トイレや銭湯などの公衆施設が感染経路になるケースもあります。
いんきんたむしは女性も発症する
原因菌である白癬菌は、高温多湿の環境を好みます。股間部は通気性が悪く、特に男性の場合は陰嚢と太ももの間に湿気がこもりやすいため、白癬菌が増殖しやすい環境です。
そのため、いんきんたむし(股部白癬)は女性に比べて男性の方が圧倒的に発症数が多い傾向にあります。
しかし、締め付けの悪い下着を着用していたり、肥満体質で陰部と太もも間の通気性が悪い環境が整えば、女性でもいんきんたむしを発症する可能性はあります。
家庭でできるいんきんたむし・ぜにたむしの予防・対策
いんきんたむし(股部白癬)・ぜにたむし(体部白癬)の予防・対策に大切なことは、皮膚を清潔に保つことです。皮膚に白癬菌が触れても、長時間付着しない限り、感染は成立しません。
皮膚の表面に付着した白癬菌は石鹸で洗い流すことができるので、毎日お風呂に入るなど、普段から足や身体を清潔に保ちましょう。
他にも、家庭でできる水虫の予防・対策としては次のようなものがあります。
・自分や家族に水虫症状がある場合は放置せず、すぐに治療をする。 ・通気性の良い下着を身につける。 ・感染拡大を防ぐためにタオル等は共有しない。 |
夏場は要注意
白癬菌は高温多湿の環境で増殖しやすいため、冬や秋に比べ、夏場はいんきんたむし(股部白癬)の発症リスクが高くなります。気温や湿気が高くなる季節は、より一層上記の点に注意するようにしましょう。
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