赤ちゃん・子どものあせも(汗疹)に使える市販薬を紹介|かゆみ止め成分配合の塗り薬
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薬剤師監修日:
かゆみを伴うあせも(汗疹)の場合、皮膚を掻き壊すことによって、症状が悪化することがあります。かゆみを伴うあせもには、かゆみ止め成分が配合された市販薬を使用し、かゆみをおさえることが大切です。 また、あせもに効く市販薬は、症状によって適した成分や剤形が異なるため、お子様の症状にあった薬を選ぶとよいでしょう。この記事では、赤ちゃん・子どものあせもに使える市販薬について解説します。

あせも(汗疹)とは
あせも(汗疹)は、汗の出口が詰まり、汗が皮膚に閉じ込められることで起こる、かゆみを伴う発疹です。
赤ちゃん・子どもは、一度にたくさんの汗をかきやすい、汗の成分による刺激に弱いなどの特徴があるため、大人に比べてあせもになりやい傾向があります。
赤ちゃんは肘・膝関節の内側や首まわり、背中などに、子どもは首まわりや肘・膝関節の内側、ウエストまわりにあせもができやすいです。
あせもと汗かぶれの違い
あせもと似た症状に汗かぶれがあります。
あせもは赤いブツブツが多くみられるなどの特徴が、汗かぶれはかぶれの症状があらわれている皮膚全体が赤くなるなどの特徴があります。ただし、汗かぶれの場合もブツブツの症状があらわれることがあります。
このように、あせもと汗かぶれは症状が似ていて見分けることが難しいため、あせもかどうかの判断が難しい場合は、医師に相談するとよいでしょう。
以下の記事では、汗かぶれの原因や汗かぶれに効く市販薬などについて解説しています。
赤ちゃん・子どものあせも(汗疹)に使える市販薬の選び方|塗り薬
あせも(汗疹)によるかゆみには、かゆみ止め成分が配合された塗り薬を使用しましょう。
ただし、強い赤みがある場合は、ステロイドが配合された塗り薬を使用することもできます。ステロイドは炎症をおさえる効果がある薬で、強い赤みの原因となる皮膚の炎症をおさえます。
赤ちゃん・子どものあせもにステロイドを使用する時の注意点
子どもにステロイドを使用するときは、身体への使用にとどめ、顔・首などの皮膚の薄い部位への使用は避けた方がよいでしょう。
子どもの皮膚は大人に比べて薬の吸収率が高く、特に顔や首は身体に比べて皮膚が薄いため、全身性副作用を起こすおそれがあります。
かゆみや赤みなどの症状がひどい場合は、ステロイドを使用する前に病院を受診してください。
ステロイドは薬の強さでランク分けされている
ステロイドは薬の強さで5段階にランク分けされています。
市販のステロイドに配合される成分はストロング・ミディアム・ウィークの3つで、ストロングが一番強くウィークが一番弱いです。
赤ちゃん・子どものあせも(汗疹)に使える市販薬を紹介|ステロイド無配合の塗り薬
かゆみを伴うあせも(汗疹)には、かゆみ止め成分が配合された市販薬等を使用し、かゆみをおさえることが大切です。かゆみを伴うあせもの場合、皮膚を掻き壊すことによって、症状が悪化することがあります。
また、あせもに効く市販薬は、症状によって適した成分や剤形が異なるため、お子様の症状にあった薬を選ぶとよいでしょう。
ただし、症状がうまく伝えられないような小さいお子様など、市販薬を使用していいか迷う場合は、医師に相談しましょう。
ここではステロイド無配合の市販薬を紹介しています。
デリナースクール|伸びがよく広範囲に塗りやすい
デリナースクール【第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
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リドカイン ジフェンヒドラミン塩酸塩 イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル l-メントール |
クリーム |
デリナースクールは、2種類のかゆみ止め成分と殺菌成分、血行促進成分、清涼感をもたらす成分が配合された市販薬です。
2種類のかゆみ止め成分があせもなどによるかゆみをおさえ、殺菌成分が雑菌の繁殖を抑えて皮膚を清潔に保ちます。また、血行促進成分が荒れた肌の修復をうながします。
クリームタイプのため、伸びがよく広範囲に塗りやすい、という特徴があります。スーッとした使い心地も特徴の一つです。
アセモアαパウダージェル|ベタつかずサラサラとした使い心地
アセモアaパウダージェル 32G(第2類医薬品)【第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
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ジフェンヒドラミン リドカイン イソプロピルメチルフェノール |
パウダージェル |
アセモアαパウダージェルは、2種類のかゆみ止め成分と殺菌成分が配合された市販薬です。
2種類のかゆみ止め成分が、あせもなどによるかゆみをおさえます。殺菌成分があせもの悪化の原因となる雑菌の繁殖を防ぎます。
ジェル基剤にパウダーを配合しているパウダージェルタイプのため、ベタつかずサラサラとした使い心地が特徴です。また、無香料・無着色で、塗ったあとが白残りしません。
ムヒ・ベビーb|生後1か月から使用できる
ムヒ・ベビーb 15G(第3類医薬品)【第三類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
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ジフェンヒドラミン グリチルレチン酸 イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル |
クリーム |
ムヒ・ベビーbは、かゆみ止め成分と抗炎症成分、殺菌成分、血行促進成分が配合された、生後1か月から使用できる市販薬です。
かゆみ止め成分があせもなどによるかゆみをおさえ、抗炎症成分が皮膚の炎症をおさえます。また、殺菌成分が皮膚を清潔に保ちます。
クリームタイプのため、伸びがよく広範囲に塗りやすい、ジュクジュク・カサカサしている患部にも使用できるという特徴があります。エタノール(アルコール)無配合という点も特徴の一つです。
液体ムヒベビー|生後3か月から使用できる
液体ムヒベビー 40ML(第3類医薬品)【第三類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
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ジフェンヒドラミン塩酸塩 パンテノール(プロビタミンB5) |
液体 |
液体ムヒベビーは、かゆみ止め成分と肌の正常な働きを助ける成分が配合された、生後3か月から使用できる市販薬です。
かゆみ止め成分があせもなどによるかゆみをおさえ、肌の正常な働きを助ける成分がかいてしまった肌をケアします。
スポンジヘッド容器(液体タイプ)のため、手を汚さずに薬を塗ることができます。
赤ちゃん・子どものあせも(汗疹)に使える市販薬を紹介|ステロイド配合の塗り薬
強い赤みがあるあせも(汗疹)には、ステロイド配合の塗り薬を使用しましょう。
ステロイドは炎症をおさえる効果がある薬で、強い赤みの原因となる皮膚の炎症をおさえます。
ただし、赤ちゃん・子どもに市販のステロイドを使用するときは、身体への使用にとどめ、顔、首などの皮膚の薄い部位への使用は避けた方がよいでしょう。また、5~6日間使用しても症状が改善しない場合は、薬の使用をやめ、病院を受診するようにしましょう。
ここではステロイド配合の市販薬を紹介しています。
商品画像 | 特徴 |
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・ステロイド配合(ミディアム) ・アンテドラッグ(副作用の少ないステロイド)の市販薬 ・かゆみ止め成分配合 ・伸びがよく広範囲に塗りやすいクリームタイプ |
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・ステロイド配合(ウィーク) ・2種類のかゆみ止め成分配合 ・抗炎症成分配合 ・伸びがよく広範囲に塗りやすいクリームタイプ |
ラシュリアPEクリーム|副作用の少ないステロイド配合
ラシュリアPEクリーム【指定第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
---|---|
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル リドカイン イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル |
クリーム |
ラシュリアPEクリームは、ステロイドとかゆみ止め成分、殺菌成分、血行促進成分が配合された市販薬です。
ステロイドがあせもなどによる腫れ・赤みを、かゆみ止め成分がかゆみを抑えます。また、殺菌成分が患部を殺菌消毒し、血行促進成分が荒れた肌の回復を促します。
クリームタイプのため、伸びがよく広範囲に塗りやすい、軟膏に比べて塗った後のべとつきが少ないという特徴があります。
ラシュリアPEクリームに配合されているプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルは、ミディアムランクのステロイドです。アンテドラッグ※のステロイド剤であり、ステロイド特有の副作用を比較的起こしにくい特性をもっています。
※アンテドラッグ:皮膚表面の患部で消炎効果を発揮したあと、体内に吸収されると活性が下がる性質の薬
オイラックスA|ウィークランクのステロイド配合
オイラックスA 30g【指定第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
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クロタミトン ジフェンヒドラミン塩酸塩 ヒドロコルチゾン酢酸エステル グリチルレチン酸 アラントイン イソプロピルメチルフェノール |
クリーム |
オイラックスAは、ステロイドと2種類のかゆみ止め成分、ステロイド以外の抗炎症成分、殺菌成分、皮膚の組織修復を助ける成分が配合された市販薬です。オイラックスAに配合されているステロイドは、ステロイドの中でも最も作用が緩和なウィークランクに分類されているステロイドです。
2種類の抗炎症成分があせもなどによる腫れ・赤みを、2種類のかゆみ止め成分がかゆみをおさえます。また、殺菌成分が患部を殺菌消毒します。
クリームタイプのため、伸びがよく広範囲に塗りやすいという特徴があります。
赤ちゃん・子どもがあせも(汗疹)になりやすい原因
あせも(汗疹)は、赤ちゃん・子どもが発症しやすい皮膚疾患の1つです。
赤ちゃん・子どもは、大人に比べて身体が小さいため、汗の出口が密集して汗がたまりやすいです。さらに、赤ちゃんは自分で汗を拭き取ることができず、子どもは汗をかいたまま遊び続けてしまうことが多いため、大人に比べてあせもになりやすい傾向があります。
あせもの種類・症状
あせもには4つの種類があり、紅色汗疹がもっとも一般的なあせもです。赤ちゃん・子どもの症状が、市販薬を使用してもいいか判断できない場合は医師に相談しましょう。
あせもの種類 | 症状 |
---|---|
紅色汗疹 | ・刺激感(チクチク感)やかゆみを伴う丘疹(ブツブツ)が生じる ・もっとも一般的なあせも |
水晶様汗疹 | ・透明で水滴様の小水疱が生じる ・水疱は軽く圧迫すると破裂する |
膿疱性汗疹 | ・紅色汗疹に似ている ・丘疹(ブツブツ)というより膿疱(膿をもった水ぶくれ)として出現する |
深在性汗疹 | ・紅色汗疹と比べて、より大きく、より深達性※の丘疹(ブツブツ)が生じる ・痛みを伴うことも多い |
※深達性:皮膚の深い部分まで達するもの
あせもができやすい部位
赤ちゃんは肘・膝関節の内側や首まわり、背中などに、子どもは首まわりや肘・膝関節の内側、ウエストまわりにあせもができやすいです。
赤ちゃん・子どものあせも(汗疹)予防・対策方法
赤ちゃん・子どものあせも(汗疹)を予防・対策するためには、保護者が気を配り適切な対処をしてあげる必要があります。
とくに、赤ちゃんの場合は、自分の状態を言葉で伝えることができないため、こまめに皮膚の状態をチェックしてあげる必要があります。
また、子どもの場合は、遊びに熱中したりして、汗をかいたままの状態になりやすいため、子どもの様子をこまめにチェックしてあげることが大切です。
汗をこまめに拭き取ってあげる
汗がべたついたままでいると、汗の出口が詰まりやすくなり、あせもになるリスクが高くなります。赤ちゃん・子どもの様子をこまめにチェックし、汗をこまめに拭き取ってあげましょう。また、シャワーや沐浴で汗を流すのもよいでしょう。
温度・湿度を整える
あせもを予防・対策するためには、エアコンなどで部屋の温度・湿度を整えることが大切です。
ただし、温度の下げすぎは、体の冷えや乾燥を引き起こす原因となるため、適切な温度に調整することが重要です。
その他にできるあせも予防・対策には、通気性の良い衣服や下着を身につける、皮膚を清潔に保つ、お風呂上がりに保湿剤を塗るなどがあります。
赤ちゃん・子どもにあせも(汗疹)ができた時の対処法
あせも(汗疹)によるかゆみなどの症状は、皮膚を涼しく乾燥した状態に保つことでおさえられます。あせもができたときは、エアコンの活用や汗をこまめに拭き取るなど、汗を多くかいたりべたついたりする状態を避けましょう。
市販のかゆみ止めを使用する
あせもができたときは、市販薬を使用し早めの対処をすることが大切です。
かゆみを伴うあせもにはかゆみ止め成分が配合された塗り薬を使用し、かゆみをおさえ、皮膚をかきむしらないようにしましょう。強い赤みがある場合は、炎症をおさえる効果のあるステロイドが配合された塗り薬を使用しましょう。
市販薬を使用しても症状が改善しない場合は受診を
市販薬の添付文書に記載された日数を過ぎても症状がよくならない、または悪化するような場合は、市販薬の使用をやめ、病院を受診するようにしましょう。
接触性皮膚炎などあせも以外の皮膚病の可能性や、とびひなど細菌による感染症が起こっている可能性などがあります。
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