シンフェーズの特徴は?飲み方や副作用について徹底解説
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薬剤師監修日:
低用量ピルである「シンフェーズ」の飲み方には、サンデースタートという特徴があります。シンフェーズの副作用や効果についても解説していきます。

「低用量ピル」は正しい使い方をすれば約90%の確率で避妊することができます。また、月経周期を安定化することもできるなど、現在社会の女性のライフスタイルにもよく合った薬として浸透してきました。
今回はピルのひとつである「シンフェーズ(シンフェーズ T28 錠 )」の飲み方とよくある困った時の対応方法を解説していきます。
シンフェーズ(シンフェーズ T28 錠 )の特徴
低用量ピルであるシンフェーズは避妊の効能効果をもった経口避妊剤で、正しく使うことで約90%の確率で避妊を実現することができるものです。
ただし、飲み忘れなどによる失敗率が9%ほどあるという報告もあり、飲み忘れの防止や避妊効果を下げる薬や食べ物に注意するなどのケアが大切になります。
特にシンフェーズは3相性ピルと呼ばれるタイプの低用量ピルで、女性本来の自然なホルモンバランスに近くなるように配合されています。子宮内膜が安定するため不正出血が起こりにくいなどのメリットがある反面、毎日飲む順番を守る必要があり飲み間違いに注意が必要なタイプの薬です。
シンフェーズは、21錠の錠剤に、薬の成分の含まれていない偽薬(プラセボ錠)が7錠加わって、合計28錠になった薬です。
28日間連続で1シートを飲み終わったら、そのまま次のシートの1日目からまた飲み始め、28日間連続飲み続けるというサイクルで服用します。そのため、休薬期間も含めて錠剤をずっと飲み続けることになります。
サンデースタートなので週末に生理が重ならない
シンフェーズの特徴は、サンデースタート、つまり日曜日から飲み始めることです。
サンデースタートのメリットは、飲み始めてから4週目の月曜日ごろに出血が始まり、金曜日ごろにほぼ終わるため、週末に生理が重ならないことです。さらに、飲み始めが常に日曜に固定されるので、2シート目以降の飲み忘れが起きにくくなります。
飲み始めの1週間は他の避妊方法を併用しよう
シンフェーズの飲み始めの最初の1週間は、コンドームなど他の避妊方法を併用します。これは、ピルの効果が確実に発揮されない可能性があるためです。
シンフェーズの副作用
シンフェーズの主な副作用として、不正性器出血、乳房痛、悪心(気持ち悪さ)、吐き気、嘔吐などの症状が挙げられます。特に、初めてシンフェーズを服用した際は気持ち悪さなどの副作用が出やすいと言われています。
また、シンフェーズの重大な副作用に血栓症(けっせんしょう)が報告されています。血栓症は血管内に血の塊ができてしまい、血流が低下したり血管がつまる恐れのある病気です。
シンフェーズの副作用により血栓症が起こる頻度は不明ですが、手足(下肢)に急激なしびれや痛みやむくみ、息切れ、胸の痛み、激しい頭痛、手足に力が入らなかったりマヒしたり、視力が悪くなったりといった、血栓症が疑われる症状があらわれた場合には直ちに医療機関で診断を受けるようにしてください。
また、アナフィラキシーの副作用も報告されています。皮ふのかゆみ、じんま疹、声のかすれ、のどのかゆみ、息苦しさ、意識の混濁などが起きる可能性があります。こちらも直ちに医療機関で診断を受けるようにしてください。
むくみ・太るのは副作用?
シンフェーズを飲むと「むくむ」「太る」といった症状を訴える方がいます。これは、ピルの成分である女性ホルモンによる影響と考えられています。
シンフェーズは第1世代と呼ばれるピルであり、むくみや体重増加の副作用が比較的あらわれやすいといわれています。気になる場合には、医師に相談しましょう。
シンフェーズの飲み方
シンフェーズは淡青色の錠剤12錠、白色の錠剤9錠、橙色の錠剤7錠からなる28錠タイプの薬で、淡青色と白色と橙色の薬それぞれに含まれる有効成分の量が異なっています。ただし、橙色の錠剤は「偽薬(プラセボ錠)」で、有効成分が含まれていません。
シンフェーズは、月経が始まった次の日曜日から(月経が日曜日に始まった場合は、その日から)飲み始め、毎日1錠ずつ28日間飲んでください。
シンフェーズは「スタート」と書かれた「1」という数字の淡青色の錠剤から飲み始め、毎日1錠ずつ番号順に飲み、淡青色7日間→白色9日間→淡青色5日間→橙色7日間と連続で服用し、28日間で全て服用したらそのまま新しいシートの1日目(淡青色)からまた28日間連続で飲み始め、このサイクルを2周目、3周目…と避妊が必要な期間分続けます。
シンフェーズは薬を飲まない期間(休薬期間)を取らず、ずっと飲み続けるため、飲み忘れを防止しやすくなります。
シンフェーズは、なるべく毎日同じ時間に飲むことが大切です。毎日継続して飲みやすい時間帯に飲むようにしましょう。
他のピルからシンフェーズに切り替える場合の飲み方
基本的に医師の指示に従ってください。一般的には、21錠タイプのピルから切り替える場合は、前に飲んでいた薬をすべて飲み終わった後、7 日間の薬を飲まない期間(休薬期間)中の日曜日からシンフェーズを飲み始めます。
28錠タイプのピルから切り替える場合は、前に飲んでいた薬の偽薬(女性ホルモンが含まれていない錠剤7錠)を飲んでいる期間中の日曜日から、シンフェーズを飲み始めます。
シンフェーズを飲み忘れたときの対処法
シンフェーズを飲み忘れた場合は、飲み忘れに気づいた時点での経過時間で対処法が変わります。
飲み忘れから24時間以内の場合
飲み忘れに気づいた時点で、飲み忘れた分を1錠飲んでください。当日の分も、いつもの時間に飲みましょう。その後は、はじめの服用スケジュール通り継続して飲んでください。
飲み忘れから24時間以上経過した場合
飲み忘れてから24時間以上経過している場合には、シンフェーズの服用を中止してください。その後の月経を待ってから、新しいシートを飲み始めましょう。その周期は、妊娠する可能性が高くなるため、コンドームなど他の避妊法を使用してください。
橙色の錠剤は何の成分も含まれていない偽薬なので、橙色の錠剤を飲み忘れた場合は飲んでも飲まなくても問題ありません。飲まない場合は、その日の分は廃棄してください。
シンフェーズの個人輸入について
シンフェーズを個人輸入で購入した場合は、「服用方法」「飲み忘れ等の対処」「検査の手配」「ピルの確保」などの「全てが自己責任」になります。これは個人輸入サイトにも記載されている事です。
病院で処方してもらった医薬品で重大な副作用が起きた時は医薬品副作用被害救済制度などで補償されることがありますが、個人輸入の医薬品などは補償の対象外になります。
基本的に、個人輸入は避け、国内の医療機関で正当なピルを使っていただくことをお勧めします。
シンフェーズと飲み合わせに注意が必要な食べ物・薬
シンフェーズと飲み合わせに注意が必要な食べ物(サプリメント含む)や医薬品として以下のようなものが報告されています。
いずれも併用が禁止されているわけではなく、必ずしも一緒に使ってはいけないわけではないため状況により一緒に処方される方もいますが、シンフェーズの使用中にこれらの薬が必要となる場合は担当の医師としっかり相談しながら対応方法を確認しましょう。
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副腎皮質ホルモン(プレドニゾロン・プレドニン・ステロイド等)
炎症をおさえる薬です。シンフェーズはステロイドの代謝を抑えると考えられており、ステロイドの作用が強まる可能性が報告されています。 -
三環系抗うつ剤(イミプラミン等)
うつ(鬱)の治療に使用される薬です。
シンフェーズは三環系抗うつ剤の代謝を抑えると考えられており、三環系抗うつ剤の作用が強まる可能性が報告されています。 -
セレギリン塩酸塩
パーキンソン病の治療に使用される薬です。
シンフェーズはセレギリンの代謝を抑えると考えられており、セレギリンの作用が強まる可能性が報告されています。 -
シクロスポリン
免疫抑制剤です。
シンフェーズはシクロスポリンの代謝を抑えると考えられており、シクロスポリンの作用が強まる可能性が報告されています。 -
テオフィリン
気管支を広げて呼吸を楽にする薬で、喘息や気管支炎の治療に使われます。
シンフェーズはテオフィリンの代謝酵素を阻害すると考えられており、テオフィリンの血中濃度が上がる可能性が報告されています。 -
オメプラゾール
胃酸を抑える薬です。
シンフェーズはオメプラゾールの代謝を抑えると考えられており、オメプラゾールの作用が強まる可能性が報告されています。 -
チザニジン
筋肉を緩める作用がある薬です。
シンフェーズはチザニジンの代謝を抑えると考えられており、チザニジンの作用が強まる可能性が報告されています。 -
リファンピシン
結核の治療に使われる薬です。
リファンピシンによりシンフェーズの代謝が進み、シンフェーズの効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。 -
リファブチン
抗菌薬です。
リファブチンによりシンフェーズの代謝が進み、シンフェーズの効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。 -
バルビツール酸系製剤(フェノバルビタール等)
てんかんの予防や、不安や緊張の治療に使われる薬です。
バルビツール酸系のお薬によりシンフェーズの代謝が進み、シンフェーズの効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。 -
ヒダントイン系製剤(フェニトインナトリウム等)
てんかんやけいれんの予防に使われる薬です。
ヒダントイン系の薬によりシンフェーズの代謝が進み、シンフェーズの効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。 -
カルバマゼピン
てんかんやけいれんの予防や、そううつ(躁鬱)の治療に使われる薬です。
カルバマゼピンによりシンフェーズでの代謝が進み、シンフェーズの効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。 -
ボセンタン
肺動脈性肺高血圧症の治療に使われる薬です。
ボセンタンによりシンフェーズの代謝が進み、シンフェーズの効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。 -
モダフィニル
眠気をとる薬で、ナルコプレシーや睡眠時無呼吸症候群の治療に使われる薬です。
モダフィニルによりシンフェーズの代謝が進み、シンフェーズの効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。
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トピラマート
てんかんを予防する薬です。
トピラマートによりシンフェーズの代謝が進み、シンフェーズの効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。 -
テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン等)、ペニシリン系抗生物質(アンピシリン等)
病原菌(細菌)を殺すいわゆる抗生剤です。
これらの薬は腸内の環境に変化を与えることでシンフェーズの再吸収を抑えてしまい、シンフェーズの効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。 -
テルビナフィン塩酸塩
水虫やカンジダの治療に使われる薬です。
月経異常の副作用があらわれたという報告があります。 -
Gn-RH誘導体(ブセレリン酢酸塩等)
子宮内膜症や子宮筋腫の治療に使われる薬です。シンフェーズはGn-RH誘導体の効果を弱めてしまう可能性が報告されています。 -
血糖降下剤(インスリン製剤,スルフォニル尿素系製剤,スルフォンアミド系製剤,ビグアナイド系製剤等)
糖尿病の治療に使われる薬で、血糖値を下げる薬です。
シンフェーズは血糖降下剤の効果を弱めてしまう可能性が報告されており、シンフェーズ服用中は特に血糖値の状態をしっかり観察しながら血糖降下剤の用量を調整するなどの注意が必要とされています。 -
ラモトリギン
てんかんを予防する薬です。
シンフェーズはラモトリギンの血中濃度を下げる可能性が報告されています。 -
モルヒネ
激しい痛みがあるときの痛み止めに使う薬です。シンフェーズはモルヒネの血中濃度を下げる可能性が報告されています。
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サリチル酸
皮膚の角質をやわらかくする薬です。シンフェーズはサリチル酸の血中濃度を下げる可能性が報告されています。 -
ロラゼパム(注射剤)
てんかんに使用する薬です。シンフェーズはロラゼパム(注射剤)の血中濃度を下げる可能性が報告されています。 -
HIVプロテアーゼ阻害剤〔ネルフィナビルメシル酸塩,リトナビル,ダルナビル等)、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(ネビラピン)
HIVやエイズの治療に使われる薬です。 -
HIVプロテアーゼ阻害剤(アタザナビル)、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(エトラビリン)
HIVやエイズの治療に使われる薬です。 -
アプレピタント、ホスアプレピタント
悪心や嘔吐に使用する薬です。シンフェーズの効果が落ちる可能性が報告されています。 -
フルコナゾール、ボリコナゾール
真菌を殺す薬です。
これらの薬はシンフェーズの血中濃度を高める可能性が報告されています。 -
アセトアミノフェン
解熱鎮痛剤です。アセトアミノフェンはシンフェーズの血中濃度を高める可能性が報告されているほか、シンフェーズによりアセトアミノフェンの血中濃度が低下する可能性が報告されています。 -
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
セイヨウオトギリソウによりシンフェーズの代謝が進み、シンフェーズの効果が落ちたり不正性器出血が発生しやすくなる可能性が報告されています。
おわりに
シンフェーズは、第1世代の3相性ピルで、サンデースタートという特徴があります。そのため、週末に生理を避けたい人におすすめです。ピルを上手に使って、生活の質を高めましょう。
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