フェロベリンってどんな薬?効果や副作用、使い方や剤形についても解説!
フェロベリン*とは?
フェロベリン*は下痢止めとして使われる薬です。有効成分として、ベルベリン塩化物水和物とゲンノショウコエキスが含まれています。今回はフェロベリン*について解説します。
フェロベリン*の市販薬は販売されている?
フェロベリン*は医師からの処方箋が必要な薬ですが、フェロベリン*と似た有効成分(タンニン酸ベルベリン、ゲンノショウコ)が含まれた市販薬も販売されています。
エクトール赤玉
腸内病原菌に対する殺菌作用と収れん作用を示すタンニン酸ベルベリン、収れん作用を示すゲンノショウコエキス末、鎮痛・鎮痙作用により痛みを和らげるロートエキス3倍散など5つの有効成分が下痢に効果をあらわします。3歳から使えます。
ビオフェルミン下痢止め
腸内の異常な腐敗・醗酵を抑えるタンニン酸ベルベリン、いたんだ腸粘膜を保護するゲンノショウコ乾燥エキス、腹痛をやわらげるロートエキス、シャクヤクエキス、腸内菌叢のバランスを整えるビフィズス菌が下痢に効果をあらわします。11歳から使えます。
フェロベリン*の効果・作用
作用機序:なぜ効くの?
フェロベリン*に含まれる有効成分はベルベリン塩化物水和物とゲンノショウコです。
この2つの成分が腸管のぜん動抑制作用をはじめ、腸管平滑筋収縮抑制、抗菌、腸内の腐敗や発酵の抑制、胆汁分泌促進、収れんなどの薬理作用を持っています。
これらの作用が下痢の原因にアタックし、腸内を正常に保つことで下痢を止めることができます。
効果・効能
フェロベリン*は下痢症の改善に効果的な薬です。
添付文書における適応症の記載は下痢症のみとなっています。
効能又は効果
下痢症
下痢の予防としての適応症はありません。
フェロベリン*の用法・用量
用法・用量
通常、成人では1回2錠を1日3回服用します。
薬の摂取量や摂取回数は、年齢や症状によって適宜増減することがあります。医師に指示された服用方法を守って服用してください。
用法及び用量
通常成人1回2錠を1日3回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
フェロベリン*の使用上の注意
フェロベリン*の添付文書から使用上の注意を確認しておきましょう。
ノロウイルスやO157には使用しない
O157をはじめとする腸管出血性大腸菌や赤痢菌など、細菌性の下痢症状をもつ人はフェロベリン*を使用できません。
感染性の下痢は身体の中にある細菌を体外に出さないと根本的な解決ができず、下痢止め薬を使うことでかえって治療期間を長引かせてしまう可能性があるからです。
添付文書でも禁忌として細菌性の重い下痢症状を持つ人に対して、医師はフェロベリン*を投与してはいけないと記載されています。
禁忌(次の患者には投与しないこと)
出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌 (O157等) や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]
細菌性下痢については、症状がたとえ重いものではなくても、原則としてフェロベリン*は使用できません。
やむを得ず服用するときも医師の判断の上で、慎重な服用が必要となります。
細菌性下痢患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。 治療期間の延長をきたすおそれがある。
フェロベリン*を服用するとき注意が必要な人
フェロベリン*を使用するにあたっての注意については知っておく必要があります。以下をご覧ください。
妊娠中・授乳中に使用できる?
妊娠中の使用に関しては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与することとされています。
また、授乳中の使用に関しては、治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討することとされています。
子どもは使用できる?
子どもの使用に関しては2024年11月現在、メーカーより注意は出ておりません。
ただし、子どもは大人に比べ薬の代謝、排泄機能が未熟であるため、服用量や服用の必要性には大人よりも慎重な見極めが必要となります。そのため、自己判断での服用はやめましょう。
高齢者は使用できる?
高齢者のフェロベリン*の使用は可能です。
ただし、高齢者は生理機能の低下していることが多いため、副作用が出やすくなることがあります。医師と相談の上で適切な服用をしていきましょう。
高齢者への投与
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
フェロベリン*の副作用
フェロベリン*に副作用はある?
臨床試験では調査症例624例中、副作用として便秘2例(0.3%)がみられたという報告があります。
そのほか起きうる副作用として発疹があげられており、添付文書では以下のように記載されています。
副作用
市販後の一般臨床試験等による調査症例624例中、副作用として便秘2例 (0.3%) がみられた。
消化器(0.1~5%未満) ・・便秘
皮膚 (頻度不明) ・・発疹
おわりに
フェロベリン*はつらい下痢の症状を止めてくれる薬です。つらい症状を早く治すためにも、正しい服用を心がけましょう。
少しでも効果に疑問をもったときには漫然と使用を続けず、処方した医師または薬剤師に相談してみましょう。
※フェロベリンは日本ジェネリック株式会社の登録商標です。

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