巻き爪は市販薬で治せる?|巻き爪による化膿や炎症に効く薬を解説
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薬剤師監修日:
巻き爪が皮膚に食い込み、化膿や赤み・腫れなどの炎症が生じた場合は、市販の化膿止めなどで対処することができます。この記事では、巻き爪に使える市販薬やその選び方、巻き爪の予防方法について解説します。

巻き爪は市販薬で治せる?
足や手の爪が内側に巻いてしまい、皮膚に食い込み痛みを起こす巻き爪。巻き爪の縁は爪の下や周りの皮膚を傷つけやすいため、細菌感染も重なって炎症が起きる爪周囲炎を起こすことも少なくありません。
巻き爪が皮膚に食い込み、赤み・腫れなどの炎症や化膿が生じた場合は市販薬で対処することができますが、次のような場合は病院の受診が必要となります。
病院を受診した方がよいケース |
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・化膿が激しい場合 ・炎症が広範囲にわたる場合 ・日常生活に支障をきたす程の強い痛みの場合 |
巻き爪は爪の周囲の痛み、赤み、腫れを起こすことがあります。症状が進行すると膿(うみ)がたまり、臭いの原因にもなります。膿がたまっているときは早めに病院を受診をしましょう。また、巻き爪の症状が深刻な場合は、食い込んでいる爪の一部を部分切除するなどの手術が行われることがあります。
巻き爪で化膿や炎症が生じた時に使える市販薬
化膿が生じているときは、早めの受診をおすすめします。しかし、病院が休みなどですぐに受診することが難しい場合は、一時的に市販薬を使用することができます。
巻き爪が皮膚に食い込み、化膿や炎症が生じた場合は、まず化膿止めの塗り薬を使用します。化膿は傷口に細菌が感染することで起こるため、細菌の発育・増殖をおさえる抗生物質が含まれた化膿止めが効果を発揮します。
ただし、炎症がひどい場合には、抗生物質に加えて、皮膚の炎症をおさえるステロイド成分が含まれた薬を選びましょう。
ステロイドの強さは5段階
ステロイドが含まれる薬は、強さに応じて5つのランクに分けられています。効き目が強い2つのランクは処方薬のみですが、下から3つのランクは薬局などでも購入することができます。
商品画像 | 特徴 |
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・2種類の抗生物質を配合 ・巻き爪による化膿の予防と治療に |
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・抗生物質+ステロイド配合 ・ステロイドのランク|ストロング ・爪の周囲が赤く腫れ強い痛みがある時に |
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・2種類の抗生物質+ステロイド配合 ・ステロイドのランク|ウィーク ・爪の周囲が赤く腫れ強い痛みがある時に |
ドルマイシン軟膏
ドルマイシン軟膏 6g【第二類医薬品】

ドルマイシン軟膏は、抗菌作用の範囲が異なる2種類の抗生物質を配合しています。『コリスチン硫酸塩』と『バシトラシン』が化膿をともなう皮膚疾患に効果をあらわします。
巻き爪で傷ついた皮膚が化膿しないようにする予防と既に化膿してしまった皮膚のケアにおすすめです。
フルコートf
フルコートf【指定第二類医薬品】

抗生物質『フラジオマイシン硫酸塩』とステロイド『フルオシノロンアセトニド』を配合した塗り薬で、化膿をともなう皮膚炎に効果があります。
ステロイドの強さは、市販薬の中では最も強いストロングに分類されます。
ドルマイコーチ軟膏
ドルマイコーチ軟膏 6g【指定第二類医薬品】

2種類の抗生物質『バシトラシン』『フラジオマイシン硫酸塩』が配合されているため、広範囲の抗菌作用があり、化膿した患部に適しています。
ステロイド成分『ヒドロコルチゾン酢酸エステル』の強さは、最も弱いウィークに分類されます。
巻き爪にオロナインやリンデロンは使える?
オロナインや市販のリンデロンVsはどちらも化膿止めとしての役割を果たす抗生物質が含まれていないため、化膿した皮膚炎には適していません。
オロナインは、殺菌・消毒成分のみが配合された市販薬です。オロナインの主な効果として、有効成分『クロルヘキシジングルコン酸塩』が殺菌作用を示しますが、既に化膿した皮膚を治すことはできません。
リンデロンは処方薬と市販薬が同じ名前で販売されており、それぞれ様々な種類があります。処方薬のリンデロンの中には抗生物質が含まれた種類もありますが、市販薬のリンデロンVsはステロイド成分のみが配合されています。ステロイドには抗炎症作用の他に免疫抑制作用もあるため、化膿している皮膚に使うと細菌が繁殖し、かえって悪化してしまう恐れがあります。化膿している場合は、細菌の増殖を防ぐ抗生物質が配合された薬が効果を発揮します。
巻き爪の予防方法
巻き爪は体質により起こることもありますが、生活習慣によって起こることも多くあります。巻き爪の原因となるような生活習慣を改善し、巻き爪を予防しましょう。
爪と足は清潔にしておくことも大切です。
爪を正しく切る
まずは正しく爪を切ることが、巻き爪の一番の予防になります。
指の形に沿うような、端を丸めた切り方は巻き爪の原因になります。
爪切りは深爪しないように注意し、角を四角に切るスクエアカット(スクウェアカット)がおすすめです。指の先端より少し長め(指先から約1mm以内)の位置でまっすぐに切り、角を少しだけ落とすように爪ヤスリでやや丸く整えます。
つま先への負担をやわらげる
サイズの合わない靴や、つま先のせまい靴、ヒールの高すぎる靴は巻き爪の原因になります。
靴のサイズを見直すとともに、爪先に余裕がある靴や、かかとの位置を合わせて靴の中で指先が上下に動かせる靴を選ぶなど、つま先に負担をかけないようにしましょう。
使用上の注意|治らない場合は病院へ
巻き爪により周りの皮膚が化膿してしまった場合は、症状が悪化しないうちになるべく早く医療機関を受診しましょう。
市販薬を使用する際は、薬の説明書(添付文書)に記載された使用期間や用法・用量を守り、症状がよくならない場合や他に気になる症状がある場合も早めに受診をしましょう。
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