口内炎は主に口の中の粘膜に起きる炎症のことです。原因はストレスや生活習慣、真菌、ウイルス、アレルギーなどさまざまで、中には病気の前兆として症状が現れる場合もあります。
今回は病院での治療が必要な症状の特徴・受診する科・治療方法について解説します。
病院での治療が必要な口内炎とは
口の中は常に外界と接しているので細菌やウイルスがくっつきやすい場所です。また噛んだり義歯が当たるなどで傷つきやすい場所でもあります。
通常なら、免疫機能の働きで口内炎は自然に回復します。しかし、病気や薬の副作用など何らかの影響で免疫力が低下すると、口内炎が治りにくくなります。
次に当てはまる場合は、病院で医師に原因を診断してもらうことをおすすめします。
・症状が長く続いている
・症状が口の中・喉の奥・唇など広範囲に広がっている
・発熱や全身の倦怠感など、他の症状もある
・食事や会話が困難なほど痛みが強い
・ただれや出血がある
このほかにも何か気になる症状がある場合には、はやめに病院を受診することをおすすめします。
口内炎は、歯磨きが困難な状況の高齢者などでも悪化しやすいものです。口内炎が長期間治らなかったり、口の中から喉の奥まで広がるほど悪化した場合は病院で診察を受け、治療を進めてください。
口内炎は何科を受診する?子供の場合は?
口の中に痛みがあると食事や会話にも苦痛がともない、日常生活に支障をきたすことがあります。悪化した口内炎は速やかに病院で診てもらいましょう。
口内炎は口の中のトラブルなので、歯科・口腔外科・耳鼻咽喉科で治療を受けるのが一般的です。義歯や虫歯の先があたって口内炎ができているような場合は、まずはかかりつけの歯医者で診てもらうといいでしょう。
子供の口内炎は何科を受診する?
子供が口内炎になった場合も、大人と同様に歯科・口腔外科・耳鼻咽喉科での受診が可能です。
かかりつけの小児科がある場合は、事前に病院に電話などで口内炎の診察が可能か確認を取ってから病院にいきましょう。
口内炎の種類
■アフタ性口内炎
免疫力の低下などが主な原因です。白っぽい潰瘍ができ、痛みをともなうこともあります。
■ヘルペス性口内炎
ヘルペスウイルスの感染が原因です。強い痛みを伴った小さな水泡ができます。口の中だけでなく、舌や唇の裏にも発症することがあります。
■カンジダ性口内炎
真菌(カビ菌)であるカンジダの増殖が原因です。白いコケ状のものが口の内側の広範囲に付着し、赤くただれることもあります。
■カタル性口内炎
義歯や矯正器具などによる刺激などが原因です。粘膜に炎症が起こり、赤い潰瘍などがみられます。
アフタ性口内炎はステロイドの塗り薬を使用
一般的なアフタ性口内炎には、抗炎症作用や抗アレルギー作用のあるステロイドが配合された薬が効果的で、口内炎の炎症をおさえ痛みを和らげます。
口内炎に効く市販薬については、関連記事をごらんください。
おわりに
口の中やその周辺は、何かとトラブルを起こしやすい場所です。口の粘膜は乾燥によっても免疫機能が低下するので、細菌やウイルスがさらに繁殖しやすくなります。
口内炎は口の中の衛生状態で治りが左右されます。虫歯や歯周病の治療を含めた口腔ケア、義歯や矯正器具の清掃など、口の中を清潔な状態に保つよう心がけてください。バランスのよい食生活とよく噛んで食べる習慣も口内炎予防につながります。