ものもらいとは、細菌に感染したり、分泌腺が油分で詰まることによってまぶたに炎症が起こる病気です。
ものもらいは自然治癒できる場合が多いですが、症状が悪化した場合は病院で治療を行います。
また、ものもらいの種類によって自宅でのケア方法も異なるため、ものもらいの種類を見わけることがセルフケアにおいても必要となりますが、判断が難しい場合は病院で診察を受けることも治療の近道です。
この記事では病院でのものもらいの治療方法について解説します。
ものもらいに使える市販薬の選び方についてはこちらの記事でご紹介しています。
ものもらいの病院での治療
ものもらいは原因によって麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と霰粒腫(さんりゅうしゅ)の2つに分類されます。
まぶたのふちにあるまつ毛の毛根や、まぶたの内側にある油分を出す分泌腺が細菌に感染し、炎症を起こすのが麦粒腫。疲れやストレス、アイメイクの刺激などで、分泌腺に分泌物が詰まって炎症を起こすのが霰粒腫です。
麦粒腫の治療
麦粒腫の原因は細菌感染であるため、治療には抗菌作用のある点眼液や軟膏が処方されます。場合によっては抗菌の内服薬を使用することもあります。
一般的には薬による治療を開始してから1週間程度で完治することがほとんどです。腫れや痛みが強い場合は、腫瘍を切開して膿を外に出すこともあります。
霰粒腫の治療
霰粒腫の原因はまぶたの分泌腺の詰まりです。細菌の感染が原因ではないため、お薬などは使わずに、放置していても自然治癒するケースもあります。
基本的に痛みや赤みはなく、まぶたに触ると皮膚の下にコリコリとしたしこりができ、まばたきの際に違和感を感じます。
しかし、霰粒腫を汚い手で触るなどをすると、細菌感染を併発して化膿性霰粒腫(かのうせいさんりゅうしゅ)に悪化することがあります。
化膿性霰粒腫になると、痛みや腫れを生じ、麦粒腫同様に抗菌作用のある薬を使った治療が必要となります。
霰粒腫が大きくなると手術をすることも
霰粒腫は自然治癒することもありますが、詰まった分泌物が肥大して硬くなると自然治癒が難しくなります。
しこりが大きくなって角膜を圧迫する状態になると、目の健康状態にも悪影響を及ぼすため、手術でまぶたを切開をしてしこりを除去することもあります。また、副腎皮質ホルモンをしこり周辺に注射する場合もあります。
病院でものもらいに処方される薬
ものもらいで病院を受診した場合、目薬や飲み薬が処方されます。
なお、ものもらいの薬に限らず、薬には開封後の使用期限があります。以前処方された薬が手元に残っている場合でも、安易に使用することはやめましょう。また、感染症や副作用の原因となる可能性があるため、ほかの方に処方された点眼薬や飲み薬は使い回さないようにしましょう。
クラビット点眼液
ものもらいの原因菌の一つであるブドウ球菌属への抗菌効果があるため、ものもらいに処方されます。結膜炎や角膜炎の治療に使用されることもあり、ブドウ球菌以外にもさまざまな菌に対して効果があります。
フルメトロン点眼液
抗炎症作用のあるフルオロメトロンが含まれているため、ものもらいなどの炎症をおさえる目薬として処方されます。ものもらいのほか、結膜炎や角膜炎の治療にも使用されます。
フロモックス(抗生物質)
菌の働きをおさえる抗生物質の内服薬・フロモックスが処方されることもあります。フロモックスはものもらい以外でもさまざまな感染症の治療に使用されます。
軽症の場合は市販薬でもOK
軽度のものもらいの場合は、市販の目薬で対処することも可能です。症状に合わせて適した市販薬を選択しましょう。