ジクアス点眼液はコンタクトレンズの上から使える?|効果や副作用も解説!
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薬剤師監修日:
ドライアイを治療する目薬「ジクアス点眼液」の効果や副作用を解説!コンタクトレンズを装着した上からジクアス点眼液を使用できるかなども詳しく説明します。

ドライアイとは?
ドライアイは涙の分泌量や、涙の質が低下することによって目の表面の潤いが保たれていない状態を指します。
さまざまな要因による涙液(るいえき)および角結膜上皮(かくけつまくじょうひ)の慢性的な病気とも言われています。
涙は油層、水層、目の表面を保護するムチン層という成分で構成されています。
それぞれの成分がバランスよく保たれることで、目の表面の潤いを保ち、殺菌や乾燥から目を守ります。
涙は目に必要な栄養を補給したり、鮮明に像を写すため黒目の表面を滑らかに保つなどの役割もあります。
ドライアイの症状
ドライアイの主な症状は以下の通りです。さまざまな症状が目に不快感を与えます。
・目が疲れる
・目が乾燥する
・目に痛みやかゆみがある
・めやにが出る
・ものがかすんで見える
・目が赤くなる
ドライアイの治療をせずに放っておくと目に傷がついてしまったり、視力が低下してしまうおそれがあります。
目に少しでも不快感や異常を感じたら眼科医の診療を受けることをおすすめします。
ジクアス点眼液の効果
ジクアス点眼液はドライアイを治療する薬です。
ジクアス点眼液に含まれるジクアホソルナトリウムという有効成分は、水分やムチンなどの成分の分泌を促進する作用があり、涙の質と量を改善します。
ジクアス点眼液はBUT短縮型ドライアイに効果を発揮!
ドライアイにもさまざまな種類があります。
ドライアイのなかでも、涙の量は問題なくても「涙の質」が異常な場合に起こるドライアイのことを「BUT短縮型ドライアイ」といいます。
BUT短縮型ドライアイは涙に含まれるムチンの状態に異常がある際に起こるといわれています。
涙を角膜の表面にとどめる成分のムチンがうまく機能せず角膜が荒れ、涙がうまく広がらないのが特徴です。
BUT短縮型ドライアイのBUT(Break Up Time)とは涙液層破壊時間のことです。
目は、まばたきをしないでいると時間が経つにつれて、表面にある涙の膜が壊れはじめ、角膜が露出してきます。この状態が起こるまでの時間の事をBUT、涙液層破壊時間といいます。
BUT(涙液層破壊時間)が短くなるほど涙の安定性に異常があるとされます。
正常なBUTは10秒以上とされ、10秒間目を開いた状態が保てない場合はドライアイの可能性が高いとされます。
ジクアス点眼液はBUT短縮型ドライアイに深く関係のあるムチンの分泌を促進し、涙液層の状態を安定させます。
ジクアス点眼液は市販されている?
ジクアス点眼液と同じ成分の市販薬はありませんが、ジクアス点眼液の代わりに、目の疲れ・目の乾き・目のかすみなどの症状に使用できる市販薬は販売されています。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
ジクアス点眼液の副作用
ジクアス点眼液を使用すると以下のような副作用と思われる症状が現れることがあります。
・目の刺激感
・目やにの分泌
・結膜の充血
・目のかゆみ、痛み
・目の異物感、不快感 など
どの症状も、ジクアス点眼液の使用を中止する事で改善されたと報告されている比較的に軽い副作用です。
ジクアス点眼液を使用して、目に異常などを感じた時は、医師の診療を受けてください。
コンタクトレンズ使用時にジクアス点眼液は使えるのか?
以前は、ジクアス点眼液に含まれる防腐剤のベンザルコニウム塩化物という添加物が、ソフトコンタクトレンズに吸着すると角膜上皮に悪い影響を与えるため使用を避けるように指示されていました。
しかし、2015年にジクアス点眼液の添加物が変更され、使用上の注意を改訂しました。
ベンザルコニウム塩化物を、クロルヘキシジングルコン酸塩液に変更したことで、ソフトコンタクレンズの上からでもジクアス点眼液が使用できるようになりました。
ただし、目の状態によってはドライアイ治療中にコンタクトレンズの使用を検討する場合があるので、コンタクトレンズ使用についてまずは医師と相談しましょう。
コンタクトレンズを付けたまま使える、ドライアイの症状に効く目薬については、以下の記事をご参考にしてください。
ジクアス点眼液の用法・用量
15歳以上の成人は通常、1滴を1回とし、1日に6回使用します。
また、ジクアス点眼液を使用する際は薬液が汚染されるのを防ぐために、容器の先端が直接目に触れないように注意してください。
ジクアス点眼液に対して過去に過敏症などを起こした人は使用できません。
他の点眼剤とジクアス点眼液を一緒に使用する際は、少なくとも5分間以上の間隔をあけて使用してください。
おわりに
日本ではおよそ2200万人ものドライアイ患者が存在し、パソコンやスマートフォンの普及、高齢者、コンタクトレンズ使用者の増加とともにドライアイ患者も増えています。
ドライアイの治療薬も日々進化していますが、その中でもジクアス点眼液は涙の質を保つことに必要な成分の分泌を促す効果があるので、より自然な形でドライアイを治療することができます。
目が疲れたら休ませることもドライアイの予防に必要です。
また、ドライアイに限らず目に少しでも違和感や異常を感じたら、早めに眼科医の診療受けましょう。
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