トラムセット®︎の効果と副作用!
トラムセット*とは?
トラムセット*(トラムセット*配合錠)はオピオイド(麻薬性鎮痛薬やその関連合成鎮痛薬の総称)というカテゴリに分類される鎮痛薬で、慢性的な疼痛や抜歯後の疼痛に使用する薬です。疼痛とは、ずきずきとうずくような痛みであり、炎症や刺激による痛みのほか、神経の障害が原因で起こる痛みまでさまざまな原因があります。
なお、トラムセット*はがんを原因とする疼痛には使用できません。
トラムセット*の成分
トラムセット*は単一の成分ではなく、二つの有効成分が含まれた配合錠です。1錠中にトラマドール塩酸塩37.5mgとアセトアミノフェン325mgが配合されています。
トラマドールは、モルヒネなどに代表されるオピオイドと呼ばれる鎮痛薬のひとつで、慢性的な疼痛に効果的な成分です。
アセトアミノフェンは、子供や妊婦にも推奨される解熱鎮痛成分のひとつです。処方薬や市販薬に関わらず、さまざまな解熱鎮痛剤に含まれています。
トラムセット*の腰痛・ヘルニアへの効果
トラムセット*は慢性腰痛などの痛みにも効果を発揮する薬です。
製薬会社が行った臨床試験では、アスピリンやイブプロフェンなどで知られる非ステロイド性の消炎鎮痛剤で十分な効果を感じられなかった方にも、効果を発揮したという報告があります。
ただし、慢性疼痛については、原因となる体の器質的な問題や、心理的な要因、依存性のリスクなどについて医師の診断を受けて正しく薬を使用する必要があります。
トラムセット*は頭痛に効く?
オピオイド鎮痛薬は依存性も懸念されるため、慢性的であったとしても、通常の頭痛や偏頭痛には使用されません。
慢性的な頭痛は、何か別の病気や原因が隠されている可能性があります。自己判断でトラムセット*を使用せずに、必ず医師の診察を受けましょう。
トラムセット*はいつから効き始める?
トラムセット*は体内に吸収され、血中に成分が移行することで効果を発揮します。服用後に血中濃度が最大になるのは約30分〜3時間程度であることから、その範囲で最も効果を感じられると推測できます。
トラムセット*の副作用
トラムセット*は、国内の臨床試験では、慢性疼痛に使用した方の中の81.5%の方に副作用が認められたとの報告があります。
おもな副作用は、眠気、吐き気、便秘、嘔吐、浮動性めまい、頭痛、かゆみです。
副作用について心配なことがある場合は、医師や薬剤師に確認しましょう。
副作用の吐き気や便秘の対策は?
トラムセット*の副作用率は、吐き気が41.4 %、嘔吐が26.2%、便秘が21.2 %と報告されているため、吐き気止めや便秘薬などの薬と一緒に処方されることがあります。副作用と思われる症状がひどいときは、医師に相談しましょう。
副作用の眠気の対策は?
トラムセット*の副作用の中には、眠気、めまい、意識消失の報告があります。トラムセット*を使用中は、自動車や機械などの運転操作は控えてください。
重大な副作用
トラムセット*の重大な副作用として、以下のような症状が報告されています。服用後の体調の変化に注意し、いつもと違う症状がでた場合には医師に相談しましょう。
・ショック、アナフィラキシー
・痙攣
・意識消失
・依存性
・中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症
・間質性肺炎
・間質性腎炎、急性腎障害
・喘息発作の誘発
・劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
・顆粒球減少症
・呼吸抑制
・薬剤性過敏症症候群
トラムセット*の用法・用量
トラムセット*は症状によって用法用量が異なります。
なお、空腹時の使用はなるべく避けてください。
非がん性慢性疼痛に使用する場合
通常、成人は1回1錠、1日4回使用します。使用間隔は4時間以上空けてください。
なお、症状に応じて使用量を調整しますが、1回2錠、1日8錠を超えて使用できません。
抜歯後の疼痛に使用する場合
通常、成人は1回2錠使用します。追加で使用する場合には、使用間隔を4時間以上空けてください。
なお、1回2錠、1日8錠を超えて使用できません。
トラムセット*の使用上の注意
以下の方はトラムセット*を使用できません。
<効能共通>
・ 12歳未満の小児
・アルコール、睡眠剤、鎮痛剤、オピオイド鎮痛剤又は向精神薬による急性中毒患者
・モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中の患者、又は投与中止後14日以内の患者
・ナルメフェン塩酸塩を投与中の患者又は投与中止後1週間以内の患者
・治療により十分な管理がされていないてんかん患者
・重篤な肝障害のある患者
・トラムセット*の成分に対し敏症の既往歴のある患者
<抜歯後の疼痛>
・アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者
また、以下に該当する方はトラムセット*を使用することができない可能性があります。
・てんかんなどの痙攣性疾患またはこれらの既往歴のある方
・痙攣発作の危険因子(頭部外傷、代謝異常、アルコール又は薬物の離脱症状、中枢性感染症等)がある方
・呼吸抑制状態にある方
・脳に器質的障害のある方
・薬物の乱用または薬物依存傾向のある方
・オピオイド鎮痛薬に対し過敏症の既往歴のある方
・ショック状態にある方
・消化性潰瘍またはその既往歴のある方
・血液の異常またはその既往歴のある方
・出血傾向のある方
・心機能異常のある方
・気管支喘息のある方
・アルコール多量常飲者
・絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、 脱水症状のある方
・18歳未満の肥満、閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は重篤な肺疾患のある方
・アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある方
・腎障害あるいはその既往歴のある方
・肝障害あるいはその既往歴のある方
高齢者の使用
一般的に高齢者は生理機能が低下していることが多いため、代謝が遅くなり副作用がでやすい傾向にあります。
薬の使用後の体調変化に十分注意しましょう。
妊娠中・授乳中の使用
妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上必要であると医師が判断した場合にのみ使用されます。
トラマドールの成分は、乳汁中へ移行することが報告されています。そのため、授乳中の女性も使用できません。
子供の使用
12歳未満の子供は、海外において、重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告があるため使用できません。
トラムセット*の生活上の注意
お酒・アルコールの併用に注意
アルコールと併用すると呼吸抑制が生じるおそれがあります。また、アルコール多量常飲者がトラムセット*の有効成分の一つであるアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告があります。
トラムセット*使用中は可能な限り飲酒は控えましょう。
他の薬との飲み合わせ
トラムセット*には併用に注意するべき薬がさまざまあります。
常用している薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えるようにしてください。
また、トラムセット*に含まれるアセトアミノフェンは、市販薬にもよく配合されている成分です。重複した成分を過剰摂取することで副作用がでる可能性があります。市販薬を併用するときも医師や薬剤師に相談しましょう。
おわりに
慢性疼痛は生活の質に影響します。トラムセット*は正しく使用すれば痛みへの効果が高い薬です。医師の指示に従って正しく使用してください。
※トラムセットはジョンソン アンド ジョンソンの登録商標です。

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