マグミットの効果
マグミットは『酸化マグネシウム』を有効成分とした、胃・十二指腸潰瘍、胃炎、上部消化管機能異常や便秘の治療に使われる処方薬です。また、尿路結石の予防にも用いられます。
『酸化マグネシウム』には、腸内にある水分を集め内容物を軟化させると同時に、膨らませることによって刺激された腸が動き、下剤として作用する効果があります。その他にも胃の中では、出過ぎた胃酸を中和する働きがあります。
マグミットの飲み方
マグミットの飲み方は、年齢や症状の度合いにより医師が量を調節しますが、成人の場合、通常の飲み方は以下の通りです。
下剤として使用する場合は、 1日2gを食前または食後の3回に分けて使用するか、就寝前に1回服用します。
胃酸を中和する制酸剤として使用する場合は、1日0.5~1.0gを数回に分けて服用します。
尿路結石の予防に使用する場合は、1日0.2~0.6gを多量の水とともに服用します。
高齢者は高マグネシウム血症を起こすおそれがあるため、使用量を減らすとともに定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど、医師が経過観察を行います。
マグミットとの飲み合わせ
マグミットと他の薬との飲み合わせについては、同時服用により他の薬の吸収を低下させるなど注意が必要な薬があります。マグミットを使用している間、別の症状などで医療機関を受診する場合は必ず医師に相談しましょう。
牛乳との飲み合わせ
マグミットを大量の牛乳やカルシウム製剤と一緒に服用することでミルクアルカリ症候群を起こすことがあります。
ミルクアルカリ症候群とは、血中のカルシウム濃度が必要以上に高くなる高カルシウム血症および高カルシウム血症などを起因とする腎障害などが発生した状態のことです。
牛乳の量については、年齢や性別などによって目安量が異なるため具体的な報告はありませんが、1回に500ml以上、1日に1リットル以上の大量摂取は控えましょう。
また、牛乳の量だけではなく体調や使用量、使用期間の他、食事やカルシウム製剤からの摂取量も考慮する必要があるため、併用の際は医師や薬剤師に相談しましょう。
マグミットの副作用
マグミットは、まれに下痢や血清マグネシウム値の上昇を引き起こすことがあります。
重大な副作用は、高マグネシウム血症となることです。高マグネシウム血症の症状には、吐き気や嘔吐、口の渇き、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠などの症状があります。病状がひどいときは呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止にいたることもあります。
そのため、マグミットを服用する際は、医師の指示を超える量の服用は避けましょう。また、長期使用する場合や高齢者の場合は定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど注意が必要です。
下痢の副作用
比較的効果は穏やかですが、服用量が多いと下痢になることもあります。下痢になった場合は、飲む回数や1回に飲む量を減らすとよいでしょう。
妊娠中の使用について
マグミットの成分『酸化マグネシウム』は、体内にほとんど吸収されないため、妊娠中の便秘にも用いられます。
ただし、大量に使用すると、子宮の収縮を誘発する恐れがあるため、使用する場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
マグミットと同じ成分の市販薬はある?
マグミットと同じ成分『酸化マグネシウム』を含む市販薬は販売されています。ただし、マグミットの代わりに『酸化マグネシウム』を含む市販薬が使える症状は、便秘と便秘に伴う症状の緩和のみに限られています。
マグミットの代わりに使える市販薬については、以下の記事をご参考にしてください。