ミオナール®の効果|市販薬・飲み合わせ・副作用について解説
ミオナール®*1とは?
ミオナール*1は、有効成分『エペリゾン塩酸塩』が配合された薬です。エペリゾン塩酸塩には、筋肉のこりをほぐし、痛みやしびれなどを緩和する効果があります。
ミオナール*1は、肩こりや腰痛だけでなく、脳血管障害・痙性脊髄麻痺などの脳脊髄の病気による筋肉のつっぱりに対し、筋肉を緊張させている神経を鎮めてこりをほぐしたり痛みを緩和するためにも用いられます。
添付文書によるミオナール*1の効能・効果は、以下の通りです。
【効能・効果】
・下記疾患による筋緊張状態の改善
頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、腰痛症・下記疾患による痙性麻痺
脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症、術後後遺症(脳・脊髄腫瘍を含む)、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)、筋萎縮性側索硬化症、脳性小児麻痺、脊髄小脳変性症、脊髄血管障害、スモン(SMON)、その他の脳脊髄疾患
ミオナール*1とデパス®*2の違い
ミオナール*1とデパス*2の違いは、作用です。ミオナール*1は硬くなった筋肉の緊張をやわらげる作用(筋緊張改善作用)のみを持つのに対し、デパス*2は筋緊張改善作用と不安や緊張をやわらげる作用を併せ持ちます。
デパス*2は不安をやわらげ、催眠鎮静作用をもたらす精神安定剤ですが、筋肉の緊張をやわらげる効果もあるため、筋肉の緊張から起こる頸椎症・腰痛・頭痛の治療にも用いられます。
ミオナール*1は市販されている?
ミオナール*1の成分『エペリゾン塩酸塩』が配合された市販薬は、販売されていません。ただし、ミオナール*1の代わりに肩こりや腰痛に効く市販薬はあります。
コリホグス
クロルゾキサゾンが硬直した筋肉を内側からゆるめ、肩こりをほぐします。また、エテンザミドが肩や首すじ、腰などのつらい痛みをやわらげます。その他の有効成分としてカフェイン水和物が含まれておりますが、クロルゾキサゾンによって眠くなることがあるため、服用後車の運転はできません。
15歳から服用できます。
ドキシン錠
メトカルバモールが筋肉の異常な緊張や凝りをやわらげます。エテンザミドが痛みをおさえ、ビタミンE誘導体の一種であるトコフェロール酢酸エステルが末梢の血流を促進します。加えて、無水カフェインとビタミンB1誘導体のジベンゾイルチアミンが鎮痛作用を助けます。
眠くなることがあるため、服用後車の運転はできません。
12歳から服用できます。
その他肩こりなどに効く市販薬については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ミオナール*1と他の薬の飲み合わせ
ミオナール*1と同じ筋肉を緩める作用がある『メトカルバモール』が配合された薬との併用は、注意が必要です。メトカルバモールと同じ作用を持つトルペリゾン塩酸塩との使用で眼の調節障害があらわれたとの実例が報告されています。
メトカルバモールが配合された薬には、ロバキシン®*4顆粒90%などがあります。
また、ミオナール*1とアルコールの飲み合わせについて、添付文書では特に注意書きされていません。しかし、アルコールを摂取すると体質によっては薬の吸収・代謝・効果などに影響がでることがあるため、アルコールとの併用は注意してください。
ミオナール*1とロキソニン®*3の飲み合わせ
ミオナール*1が処方されるとき、ロキソニン*3が同時に処方されるケースがあります。
ミオナール*1は筋肉のこわばりに作用するのに対し、ロキソニン*3は筋肉の痛みに作用して症状を改善します。
なお、ミオナール*1の成分であるエペリゾン塩酸塩とロキソニン*3の成分であるロキソプロフェンナトリウムは、併用に対する危険性は基本的にはありません。
ミオナール*1の副作用
ミオナール*1の添付文書によると、総症例12,315例中、副作用があらわれたのは416例(3.38%)であったと記載されています。
副作用としては、脱力感、ふらつき、発疹、眠気、不眠、頭痛、悪心・嘔吐、腹痛、下痢、便秘、口の渇き、食欲不振、全身倦怠感、ほてりなどがあらわれる可能性もありますが、使用において過度に心配することはありません。
ただし、副作用がまったくないとは言い切れません。薬を使用した後、気になる症状や心配なことがある場合は医師や薬剤師に相談してください。また、以下のような症状は、重大な副作用の初期症状である可能性があります。もし症状があらわれた場合はミオナール*1の使用をやめ、医療機関を受診してください。
| 重大な副作用の初期症状 |
|---|
| 発赤、じんましん、かゆみ、呼吸困難、発熱、平らな赤い発疹や水疱、眼の充血 |
エペリゾン塩酸塩は太る?
ミオナール*1の添付文書によると、むくみや腹部膨満感などがあらわれることがあると記載されていますが、体重増加の副作用はみられていません。
ミオナール*1を使用してはいけない・慎重に使用すべき方
ミオナール*1の成分『エペリゾン塩酸塩』に対して過敏反応をおこしたことがある方は、ミオナール*1を使用できません。重大な副作用があらわれる危険性があります。
エペリゾン塩酸塩に限らず、薬物に対して過敏反応をおこしたことがある方は副作用があらわれる可能性があり、肝障害のある方はミオナール*1を使用することで肝機能を悪化させるおそれがあります。医師の指示に従い、使用してください。
ミオナール*1のジェネリック医薬品
ミオナール*1の剤形には顆粒(ミオナール*1顆粒10%)と錠剤(ミオナール*1錠50mg)があり、錠剤のみジェネリック医薬品があります。
ミオナール*1錠のジェネリック医薬品は、『エペリゾン塩酸塩錠50mg』という名前で様々なメーカーから販売されています。
ミオナール*1の用法・用量
ミオナール*1の用法・用量について目安はありますが、医師が年齢や症状に合わせて調整するため、医師の指示を守ってご使用ください。
| 用法・用量の目安 | |
|---|---|
| ミオナール*1錠50mg | 通常、1錠を食後に1日3回使用します。 |
| ミオナール*1顆粒10% | 通常、0.5gを食後に1日3回使用します。 |
※1ミオナールはエーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社の登録商標です。
※2デパスは田辺三菱製薬株式会社の登録商標です。
※3ロキソニンは第一三共株式会社の登録商標です。
※4ロバキシンはグラクソスミスクライン コンシューマー ヘルスケア ホールディングス(ユーエス)エルエルシーの登録商標です。

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル

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