ラキソベロンの効果|市販薬・飲み方・効果時間・副作用について解説
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薬剤師監修日:
便秘薬のラキソベロンについて、同じ成分が配合された市販薬や飲み方、効果が現れるまでの時間、副作用について添付文書をもとに解説します。

ラキソベロンとは?
ラキソベロンは便秘の治療薬として処方されるほか、病院での検査の前後に消化管内を空にする目的で使用されることが多い下剤です。
ラキソベロンの剤形には、錠剤と内用液があり、それぞれで効能・効果が異なります。
効能・効果 | |
---|---|
ラキソベロン錠 |
・各種便秘症 ・手術後の排便補助 ・胃の検査で造影剤(硫酸バリウム)を使用した後の排便促進 |
ラキソベロン内用液 |
・各種便秘症 ・手術後の排便補助 ・胃の検査で造影剤(硫酸バリウム)を使用した後の排便促進 ・手術前における腸管内容物の排除 ・大腸検査(X線・内視鏡)前の処置における腸管内容物の排除 |
成分は『ピコスルファートナトリウム水和物』
ラキソベロンの成分『ピコスルファートナトリウム水和物』は、大腸の粘膜を直接刺激して、消化した食べ物を体外へ排出するぜんどう運動を活発にさせるとともに、大腸から水分が吸収されるのをおさえることで便を軟らかくして排便を促進させます。
ピコスルファートナトリウム水和物は、大腸にあるアリルスルファターゼという酵素で分解されてから効果を発揮する成分で胃や小腸ではほとんど作用しません。
ラキソベロンは市販されている?
ラキソベロンと同じ成分『ピコスルファートナトリウム水和物』が配合された市販薬は、販売されています。
ラキソベロン内用液と同じ液体タイプの市販薬はありませんが、ラキソベロン錠と同じ錠剤タイプの市販薬は便秘薬として販売されています。
ビューラック・ソフト
ビューラック・ソフト 50錠【第二類医薬品】

ビューラック・ソフトは、有効成分にピコスルファートナトリウム水和物のみが配合された薬です。1錠中のピコスルファートナトリウム水和物は2.5mgで、処方薬のラキソベロン錠と同じ含有量です。
外側が砂糖でおおわれた糖衣錠タイプです。
15歳以上から服用できます。
ピコラックス
ピコラックス 100錠【第二類医薬品】

ピコラックスは、ビューラック・ソフト同様、有効成分がピコスルファートナトリウム水和物のみの薬で、1錠中のピコスルファートナトリウム水和物は処方薬のラキソベロン錠と同様の2.5mgです。
小粒の錠剤タイプです。
15歳以上から服用できます。
また、便秘に効く市販薬は他にも様々あり、薬によって適した症状が異なります。症状別の詳しい選び方については、こちらの記事をご参考にしてください。
ラキソベロンの飲み方
ラキソベロンの飲み方について、症状別に目安はありますが、医師が年齢や症状に合わせて調整するため、医師の指示を守ってご使用ください。
ラキソベロン内用液については、症状に応じて使用量を少しずつ調節しやすいのが長所です。無色でわずかに粘性がある液体で、においはあまりありませんが甘味があります。
ラキソベロン内用液は原則としてコップ1杯程度の水に滴下して溶かし、滴下後はすぐに全量を飲み切ってください。乳幼児や寝たきりの高齢者の方など十分な量の水が飲めない場合は、口の中に直接滴下した後に飲めるだけの飲料で飲み込む方法や、食べ物を食べる方法があります。服用前に必ず医師に相談し、指示にしたがって使用してください。
便秘
飲み方の目安 | |
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ラキソベロン錠 | 通常、成人は1日1回2~3錠。7~ 15歳の子どもは、1日1回2錠。 |
ラキソベロン内用液 |
通常、成人は1日1回10~15滴(0.67~1.0mL)。 子どもは年齢に応じて量が異なり、1日1回、次の通り。 ・6か月以下:2滴(0.13mL) ・7~12か月:3滴(0.20mL) ・1~3歳:6滴(0.40mL) ・4~6歳:7滴(0.46mL) ・7~15歳:10滴(0.67mL) |
手術後の排便補助
飲み方の目安 | |
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ラキソベロン錠 | 通常、成人は1日1回2~3錠。 |
ラキソベロン内用液 |
通常、成人は1日1回10~15滴(0.67~1.0mL)。 |
バリウムを使用した後の排便促進に
飲み方の目安 | |
---|---|
ラキソベロン錠 | 通常、成人は1日1回2~3錠。 |
ラキソベロン内用液 |
通常、成人は6~15滴(0.40~1.0mL)。 |
これ以外で腸管の中を空にしなければならない手術の前、大腸検査(X線、内視鏡)の前処置にラキソベロン内用液を服用する場合の飲み方の目安は、以下の通りです。
●腸管の中を空にしなければならない手術の前
通常、成人は14滴(0.93mL)。
●大腸検査(X線、内視鏡)の前処置
通常、成人は検査予定時間の10~15時間前に20mL。
ラキソベロンを毎日飲んでも大丈夫?
ラキソベロンは、比較的便秘改善作用が強い刺激性下剤であるため、長期連用すると耐性が生じ、効きにくくなることがあります。服用の際は医師の指示に従い、気になることがある場合は、医師・薬剤師に相談するようにしましょう。
また、便秘にはいくつかのタイプがあり、それぞれに適した便秘薬を選ぶ必要があります。薬を使用しても思うような排便効果が得られない場合も自己判断で増量したりせず、医師や薬剤師に相談しましょう。
ラキソベロンの効果時間
ラキソベロンは錠剤と内用液で効果が現れる時間が異なります。内用液は服用後の約7〜12時間後、錠剤は約9〜12時間後に効果が現れるとされています。
一般的に便秘薬は就寝前に使用することが多いですが、ラキソベロンも寝る前に飲むと翌朝に効果が期待できると考えられます。
・内用液:各種便秘症(513例)に対して就寝前に成人3~20滴、小児1~15滴を使用した結果、効果が明らかな341例の約52%の症例において7~12時間後に排便がみられた。
・錠:常習性便秘の方を対象にラキソベロン錠2~3錠を7日間使用したところ、効果発現時間は9~10時間および11~12時間が大部分だった。
ラキソベロンの副作用
ラキソベロンの副作用として、腹痛、吐き気、嘔吐、お腹がゴロゴロ鳴る、 腹部膨満感、腹部不快感、下痢などがあらわれることがあります。副作用が疑われるような症状が出た場合は、担当の医師または薬剤師にご相談ください。
ラキソベロンで腹痛が生じた時の対処法
ラキソベロンは大腸を刺激して排便をうながすため、その際に腹痛が生じることがあります。痛みがなかなか治まらない場合やあまりにも痛い場合は、適切な治療方法を探すためにもなるべく早く担当医にご相談いただくことをおすすめします。
ラキソベロンを使用できない方
次に当てはまる方はラキソベロンを使用できません。
・急性腹症が疑われる方
・ラキソベロンの成分でアレルギー反応を起こしたことがある方
・腸管に閉塞がある、または閉塞の疑いがある方(内服液を大腸検査前に用いる場合)
ラキソベロンは妊娠中に使える?
妊娠中は女性ホルモンの影響で腸の動きが鈍くなったり、腹圧が十分にかけられないなどの影響で便秘になりやすい方もいらっしゃいます。妊娠中でも使える便秘薬はいくつかありますが、薬によっては胎児に悪影響を及ぼすものもあるため、まずはかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。
ラキソベロンの妊娠中の使用については、安全性が確立していません。妊娠または妊娠している可能性のある方には、医師が必要だと判断した場合にのみ使用することになっています。
医師の指示のもとラキソベロンを使用する場合は、用法・用量を必ず守りましょう。
ラキソベロンのジェネリック医薬品
ラキソベロンの剤形は、錠剤と内用液があり、それぞれの剤形でジェネリック医薬品があります。
ラキソベロンのジェネリック医薬品は、『ピコスルファートナトリウム内用液0.75%』や『ピコスルファートナトリウム錠2.5mg』などという名前で様々なメーカーから販売されています。またジェネリック医薬品は先発薬と異なり、カプセルとドライシロップの剤形もあります。
ジェネリック医薬品を希望する場合は、医師や薬剤師に相談してみましょう。
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