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タミフル予防投与の効果は?

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薬剤師監修日:

インフルエンザ治療薬・タミフルの予防投与について解説。予防投与の効果、予防投与するタイミングなど予防投与の基礎情報から、保険適用の有無、予防投与をするための条件まで徹底解説します!

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監修薬剤師 :ミナカラ薬局 薬剤師 小寺 瑶
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タミフル予防投与の効果

インフルエンザの薬である「タミフル(成分:オセルタミビル)」にはカプセルとドライシロップがあり、抗インフルエンザ薬でドライシロップがあるのはタミフルのみです。(2023年5月時点)

タミフルの予防効果

タミフルはインフルエンザウイルスが増殖するときに必要な「ノイラミ二ダーゼ」という物質の機能を阻害して、インフルエンザウイルスが感染細胞から体内に広がらないようにします。

これにより、万が一インフルエンザウイルスに感染しても、インフルエンザウイルスが体内の各所に広がることができなくなりインフルエンザ発症の予防が期待できます。

タミフルはA型・B型インフルエンザの予防として使えます。

タミフルの予防効果期間はいつからいつまで?

タミフルの予防効果は、タミフルを予防用として使っている期間のみ持続します。つまり、「連続して最大10日間」となります。

予防の効果が発揮される時間については明確な報告がありませんが、タミフルは服用から4時間前後で血中における薬の濃度が最大となるため、基本的には使用したその日から予防効果が発揮されると考えられます。

予防投与を受けるタイミング

タミフルを予防目的で使用する場合は、インフルエンザを発症した方と接触してから2日以内に使用することが求められます。

接触してから48時間を経過した後の使用では、予防としての有効性を裏付けるデータが確認できていません。

インフルエンザを発症した方と接触し予防投与を希望する場合は、可能な限り早めに受診しましょう。

タミフル予防投与の用法・用量

タミフルの予防目的での使用方法や用量は、治療の場合と異なるので十分に注意してください。

成人

タミフルを予防として使うときは、成人の方は通常オセルタミビル75mg(タミフルカプセル1個分またはタミフルDS2.5g分)を1日1回、7〜10日間使用します。

<予防>

成人
通常、オセルタミビルとして 1回75mgを1日1回、 7~10日間経口投与する。

タミフルカプセル75 添付文書 より引用

ただし、腎機能に障害がある方は医師の判断により使用量が調整されます。

小児

小児は体重によって使用量が異なります。

体重が37.5kg以上の小児は、成人と同じでオセルタミビル75mgを1日1回、10日間使用します。

<予防>

体重37. 5kg以上の小児
通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、10日間経口投与する。

タミフルカプセル75 添付文書 より引用

体重が37.5kg以下の幼小児は、オセルタミビルとして1回2mg/kgタミフルDS 66.7mg/kg)を1日1回、10日間使用します。

<予防>

小児

通常、オセルタミビルとして以下の1回用量を1日1回、10日間、用時懸濁して経口投与する。ただし、1回最高用量はオセルタミビルとして75mgとする。

幼小児の場合:2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg)

タミフルドライシロップ3% 添付文書 より引用

タミフル予防投与は保険が効かない!

タミフルを処方してもらい保険薬局でもらう場合、保険適用となるのはインフルエンザウイルスに感染し、症状の発症がみられる場合のみです。

同居している家族にインフルエンザ患者がいたとしても、予防目的では保険適用外になり、「薬の値段+薬剤技術料などの総合計額」の全額が自己負担になります。

タミフルの予防投与に副作用はある?

タミフルは、予防目的でも治療目的でも同様の副作用が現れる可能性があります。

タミフルの副作用として発疹、紅斑、下痢、嘔吐、腹痛、吐き気、肝機能数値の上昇などが報告されています。

また、まれなことではありますが重大な副作用としてショック、アナフィラキシー、異常行動などが報告されています。

タミフルを予防投与に使うための条件

タミフルは誰でも簡単に予防で処方してもらえるわけではありません。

タミフルを予防で使用することが認められるのは、原則としてインフルエンザ発症者と一緒に生活している方で、かつ以下のようなインフルエンザ発症時の重症化などのリスクが高い方です。

・慢性呼吸器疾患または慢性心疾患がある方
・糖尿病などの代謝性疾患がある方
・腎機能障害がある方
・65歳以上の高齢者

受験生はタミフルを予防投与で使える?

タミフルの使用条件に合わない場合でも、状況によっては予防投与で処方されることもあります。受験など重要な出来事を控えた方がインフルエンザ発症者と接触したときなど、予防が必要と考える際は医療機関に予防投与を相談しましょう。

すべての病院で予防投与の処方をしているわけではないので、事前に問い合わせすることをお勧めします。

小児にも予防投与できる?

インフルエンザは小児の発症が圧倒的に多く、また重症化もしやすいため、予防対策がとても大切になります。タミフルは小児にも十分に予防効果を発揮するとされています。

小児の場合は体重によって用法用量が異なるので、医師の指示に従い正しく使用しましょう。

妊婦は予防投与できる?

妊娠中にタミフルをはじめとした抗インフルエンザ薬を使用するかどうかは、医師の判断によります。

日本産婦人科学会では、重症化リスクが高い妊婦がインフルエンザ患者と接触した場合は、抗インフルエンザ薬の予防投与を考慮すべきとしています。

おわりに

人生に一度の大勝負がインフルエンザの流行シーズンと重なる受験生や、乳幼児や高齢者がいる家族の方は予防投与という方法があることを知っておきましょう。

しかし、タミフルはインフルエンザの予防にも使用できますが、インフルエンザの予防の基本は「予防接種」です。タミフルの予防投与は予防接種に置き換わるものではありません。

インフルエンザのシーズンを乗り切るためにも、予防接種は必ずシーズンのピークが来る前に受けることをおすすめします。

監修薬剤師

ミナカラ薬局薬剤師小寺 瑶

(経歴)
  • 福岡大学薬学部薬学科卒業
  • 福岡大学大学院薬学研究科薬学専攻修士課程修了
  • 株式会社大賀薬局
  • 株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
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