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加味帰脾湯とは?
加味帰脾湯(かみきひとう)は、不安や不眠に効果をもたらす漢方薬です。
虚弱体質の方、寝汗・微熱など体に熱を感じやすい方に適しています。処方薬、市販薬ともにさまざまな会社から、顆粒や細粒、錠剤の剤形で販売されています。
加味帰脾湯と帰脾湯の違い
加味帰脾湯は、帰脾湯にサイコとサンシシが加えられた処方です。
帰脾湯の効果が貧血や不眠症に対し、加味帰脾湯の適応は貧血・不眠症に加え、精神不安、神経症があります。
加味帰脾湯の効果と効果時間
加味帰脾湯は、虚弱体質で血色の悪い人の貧血、不眠症、精神不安、神経症に使用します。
不眠への効果
不眠症には入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒などさまざまなタイプがあります。漢方薬を使用する場合、不眠の原因や体質別に薬を選びます。
加味帰脾湯は、不眠・不安があり、苛立ちやのぼせが強い人に使用します。自分の症状のタイプが不明な場合は医師や漢方専門店の薬剤師に相談しましょう。
加味帰脾湯の効果時間
漢方薬を飲んで効果が出始める時間や、効き目の持続時間には個人差があります。
また、自分の体質に合っていれば、約1か月以内に効果を実感することができるとされています。
加味帰脾湯の市販薬
市販で販売されている加味帰脾湯を紹介します。
和漢箋ユクリズム 36錠(第2類医薬品)【第二類医薬品】

加味帰脾湯は体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感をともなうものの不眠症などに使用できる漢方薬です。
加味帰脾湯の妊婦への使用
加味帰脾湯は、妊娠中の使用は禁止されていませんが、妊娠中の方は自己判断で使用するのではなく、医師に相談してから使用しましょう。
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
ツムラ加味帰脾湯 添付文書
加味帰脾湯の副作用
加味帰脾湯の主な副作用には、発疹・蕁麻疹・食欲不振・胃部不快感・悪心・腹痛・下痢などがあります。副作用と思われる症状があらわれた場合は、使用を中止して医師に相談してください。
加味帰脾湯は太る?
重大な副作用のひとつに偽アルドステロン症があり、偽アルドステロン症が起こった場合、低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加などの症状が出る恐れがあります。
重大な副作用は滅多に起こることはありませんが、体の異変に気づいた場合には、使用を中止し医師に相談してください。
加味帰脾湯は眠気がでる?
加味帰脾湯のおもな副作用に、眠気の記載はありません。ほかの薬と併用している場合には、その薬の副作用に眠気がある可能性があるので、気になる場合は医師に相談しましょう。
おわりに
加味帰脾湯は、不眠症や神経症など、メンタルの不調による症状を改善する漢方薬です。
効果の現れ方には個人差があるため、初めて使用する際や飲んでいて気になることがあるときには、医師や薬剤師、漢方専門店に相談してください。
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