あせも(汗疹)とは
あせも(汗疹)は、汗の出口が詰まり、汗が皮膚に閉じ込められることで起こる、かゆみを伴う発疹です。
乳房の下や太ももの内側、わきの下など皮膚同士が接触する部分に発生しやすい症状です。
あせもと汗かぶれの違い
あせもと似た症状に汗かぶれがあります。
あせもは赤いブツブツが多くみられるなどの特徴が、汗かぶれはかぶれの症状があらわれている皮膚全体が赤くなるなどの特徴があります。ただし、汗かぶれの場合もブツブツの症状があらわれることがあります。
このように、あせもと汗かぶれは症状が似ていて見分けることが難しいため、あせもかどうかの判断が難しい場合は、医師に相談するとよいでしょう。
以下の記事では、汗かぶれの原因や汗かぶれに効く市販薬などについて解説しています。
大人のあせも(汗疹)に効く市販薬の選び方|塗り薬
あせも(汗疹)によるかゆみには、かゆみ止め成分が配合された塗り薬(外用薬)を使用しましょう。
ただし、強いかゆみや赤みがある場合は、皮膚を掻き壊すことによって症状が悪化することがあるため、ステロイドが配合された塗り薬(外用薬)を使用するのがよいでしょう。
あせもに効く市販薬は、症状によって適した成分や剤形が異なるため、ご自身の症状にあった薬を選ぶとよいでしょう。
ステロイドを使用する時の注意点
ステロイドは、かゆみや赤みの原因となる皮膚の炎症をおさえます。
ステロイド配合薬を使用する際は、顔への広範囲の使用を避けましょう。また、市販薬の添付文書に記載された日数を過ぎても症状がよくならない、または悪化するような場合は、市販薬の使用をやめ、病院(皮膚科)を受診するようにしましょう。
大人のあせも(汗疹)に効く塗り薬|ステロイド配合
強いかゆみや赤みがある場合は、皮膚を掻き壊すことによって症状が悪化することがあるため、ステロイドが配合された塗り薬(外用薬)を使用しましょう。
ここではステロイド配合の塗り薬(外用薬)を紹介しています。
オイラックスPZリペアクリーム|クリームタイプ
有効成分 | 剤形 |
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プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル グリチルレチン酸 クロタミトン アラントイン トコフェロール酢酸エステル イソプロピルメチルフェノール |
クリーム |
オイラックスPZリペアクリームは、ステロイドと抗炎症成分、かゆみ止め成分、殺菌成分、血行促進成分が配合された市販薬です。
ステロイドと抗炎症成分があせもなどによる腫れ・赤みを、かゆみ止め成分がかゆみをおさえます。また、殺菌成分が患部を殺菌し、血行促進成分が荒れた肌の回復を促します。
オイラックスPZリペアクリームに配合されているプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルは、アンテドラッグ※のステロイド剤で、ステロイド特有の副作用を比較的起こしにくい特性をもっています。
※アンテドラッグ:皮膚表面の患部で消炎効果を発揮したあと、体内に吸収されると活性が下がる性質の薬
■効能効果
しっしん、かぶれ、皮膚炎、じんましん、あせも、かゆみ、虫さされ |
■用法用量
1日数回、適量を患部に塗布してください |
近江兄弟社メンタームペンソールSP|液体タイプ
有効成分 | 剤形 |
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デキサメタゾン酢酸エステル ジフェンヒドラミン塩酸塩 l-メントール dl-カンフル パンテノール イソプロピルメチルフェノール |
ローション |
近江兄弟社メンタームペンソールSPは、ステロイドとかゆみ止め成分、殺菌成分、清涼感をもたらす成分、肌の修復を促進させる成分が配合された市販薬です。
ステロイドがあせもなどによる腫れ・赤みを、かゆみ止め成分がかゆみをおさえます。べたつきにくい液体タイプです。
■効能効果
かゆみ、虫さされ、皮膚炎、湿疹、かぶれ、ただれ、じんましん、あせも、しもやけ |
■用法用量
1日数回、患部に適量塗布してください |
ウナコーワエースG|ゲルタイプ
有効成分 | 剤形 |
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プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル リドカイン ジフェンヒドラミン塩酸塩 l-メントール dl-カンフル |
ゲルタイプ |
ステロイド成分としてプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルを配合したゲルタイプのあせも薬です。
ミディアムランクのステロイドであり、あせもだけでなく、蚊や毛虫、ムカデ、ダニ、ノミ、クラゲなどに刺された時も使用が可能です。ステロイド成分以外にも、2種のかゆみ止め成分を配合し、あせもによるつらいかゆみを鎮めます。
液体と軟膏の中間であるゲルは、伸びが良く広く塗り広げられる液体の性質と、患部にとどまり保護する軟膏の性質を合わせた剤形です。
■効能効果
虫さされ、かゆみ、湿疹、かぶれ、皮膚炎、あせも、じんましん |
■用法用量
1日数回適量を患部に塗布してください |
大人のあせも(汗疹)に効く塗り薬|ステロイド無配合
強い赤みがなくかゆみを伴うあせも(汗疹)には、ステロイド無配合の塗り薬(外用薬)を使用しましょう。
ここではステロイド無配合の塗り薬(外用薬)を紹介しています。
デリナースクール|清涼感のあるクリームタイプ
有効成分 | 剤形 |
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リドカイン ジフェンヒドラミン塩酸塩 イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル l-メントール |
クリーム |
デリナースクールは、2種類のかゆみ止め成分と殺菌成分、血行促進成分、清涼感をもたらす成分が配合された市販薬です。
2種類のかゆみ止め成分が、あせもなどによるかゆみをおさえます。また、殺菌成分が雑菌の繁殖をおさえ、血行促進成分が荒れた肌の修復をうながします。
クリームタイプの塗り薬(外用薬)で、スーッとした清涼感のある使い心地が特徴です。
■効能効果
かゆみ、かぶれ、あせも、ただれ、湿疹、皮ふ炎、じんましん、虫さされ、しもやけ |
■用法用量
1日数回、適量を患部に塗布してください |
アセモアパウダースプレー|背中にも塗りやすい
有効成分 | 剤形 |
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ジフェンヒドラミン リドカイン ベンゼトニウム塩化物 酸化亜鉛 |
パウダースプレー |
アセモアパウダースプレーは、2種類のかゆみ止め成分と殺菌成分、皮膚を保護し炎症をおさえる成分が配合された市販薬です。
2種類のかゆみ止め成分が、あせもなどによるかゆみをおさえます。殺菌成分が赤みや炎症の原因となっている雑菌の繁殖をおさえます。
パウダースプレータイプのため手を汚さずに使用できます。また、サラサラとした使い心地も特徴の一つです。
■効能効果
あせも、ただれ、かぶれ、じんましん、かゆみ、皮ふ炎、湿疹、虫さされ |
■用法用量
1日数回、患部に適量を噴射してください |
タクトローション|べとつかず、さっぱりしたローションタイプ
有効成分 | 剤形 |
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グリチルリチン酸二カリウム ジフェンヒドラミン塩酸塩 テシットデシチン アラントイン イソプロピルメチルフェノール |
ローション |
タクトローションは、2種類のかゆみ止め成分と抗炎症成分、殺菌成分、皮膚の修復を助ける成分が配合された市販薬です。
2種類のかゆみ止め成分があせもなどによるかゆみをおさえ、抗炎症成分が赤みや腫れなどの炎症をおさえます。また、殺菌成分が細菌による悪化を防ぎます。
べとつかず、さっぱりとしたローションタイプの塗り薬(外用薬)です。
■効能効果
あせも、かゆみ、皮膚炎、虫さされ、じんましん、湿疹、かぶれ、ただれ、しもやけ |
■用法用量
1日数回、患部に軽く塗布してください |
新ウナコーワクール|スポンジヘッドの液体タイプ
有効成分 | 剤形 |
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ジフェンヒドラミン塩酸塩 リドカイン l-メントール dl-カンフル |
液体タイプ |
2種のかゆみ止め成分がつらいかゆみに効果を発揮します。
また、l-メントールやdl-カンフルを配合しているため清涼感ある使い心地です。
スポンジヘッドの液体タイプのため手を汚すことなく患部に塗ることができます。
ノンステロイドで子供から大人まで使用できるあせもの薬です。
■効能効果
かゆみ、虫さされ |
■用法用量
1日数回適量を患部に塗布してください |
あせも(汗疹)の原因
あせも(汗疹)は、汗の出口が詰まり、汗が皮膚に閉じ込められることで起こります。
たくさんの汗をかいたり、汗を拭かないままにしたり、通気性の悪い服を着ていたりすると、あせもの症状が現れやすくなります。
あせもの種類
あせもには4種類の症状があり、紅色汗疹がもっとも一般的なあせもです。ご自身の症状が、市販薬を使用してもいいか判断できない場合は医師に相談しましょう。
あせもの種類 | 症状 |
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紅色汗疹 | ・刺激感(チクチク感)やかゆみを伴う丘疹(ブツブツ)が生じる ・もっとも一般的なあせも |
水晶様汗疹 | ・透明で水滴様の小水疱が生じる ・水疱は軽く圧迫すると破裂する |
膿疱性汗疹 | ・紅色汗疹に似ている ・丘疹(ブツブツ)というより膿疱(膿をもった水ぶくれ)として出現する |
深在性汗疹 | ・紅色汗疹と比べて、より大きく、より深達性※の丘疹(ブツブツ)が生じる ・痛みを伴うことも多い |
※深達性:皮膚の深い部分まで達するもの
あせも(汗疹)の予防・対策方法
あせも(汗疹)を予防・対策するためには、日常生活でのケアが重要です。皮膚を清潔に保つ、皮膚のバリア機能を高める、通気性・速乾性のいい服を着るなどして、あせもができにくい環境を整えましょう。
皮膚を清潔に保つ
あせもを予防・対策するためには、毎日お風呂に入り、皮膚を清潔に保つことが大切です。汗がべたついたままでいると、汗の出口が詰まりやすくなり、あせもになるリスクが高くなります。
入浴後は保湿剤を塗る
肌が乾燥していると、皮膚を外的刺激から守るバリア機能が低下し、あせもになるリスクが高くなります。
お風呂上がりには保湿剤を塗って肌を守り、肌が元々持っているバリア機能を高めてあげましょう。
ヒルマイルドローションは、ヘパリン類似物質が配合された保湿剤です。乾皮症や小児の乾燥性皮ふなどに適応があり、肌が乾燥がちのときに使用することもできます。
さらっと伸びるローションタイプです。クリームよりも比較的べたつきが少なく伸びが良いため、広範囲に使用する場合に適しています。
通気性・速乾性の良い衣服を着る
あせもを予防・対策するためには、通気性が良い素材の衣服を選ぶようにしましょう。
通気性が良い素材には、綿や麻などの天然繊維のものがあります。天然繊維のものは、吸湿性があり、日常の中で発生する汗を吸収するのに適しています。
ただし、運動など大量に汗をかく場合は、綿や麻ではなくポリエステルやナイロンなどの合成繊維などが適していることもあります。合成繊維は、綿や麻などの天然繊維に比べて、軽量かつ速乾性に優れています。
日焼け対策をする
日焼けによって肌がダメージを受けると、皮膚を外的刺激から守るバリア機能が低下し、あせもになるリスクが高くなります。アームカバーや日焼け止めなどで日焼け対策を行い、肌へのダメージを軽減してあげましょう。
あせも(汗疹)ができたときの対処法
あせも(汗疹)によるかゆみなどの症状は、皮膚を涼しく乾燥した状態に保つことでおさえられます。あせもができたときは、エアコンの活用や汗をこまめに拭き取るなど、汗を多くかいたりべたついたりする状態を避けましょう。
市販のかゆみ止めを使用する
あせも(汗疹)ができたときは、市販薬を使用し早めの対処をすることが大切です。
かゆみを伴うあせもには、かゆみ止め成分が配合された塗り薬(外用薬)を使用し、かゆみをおさえ、皮膚をかきむしらないようにしましょう。
市販薬を使用しても症状が改善しない場合は受診を
市販薬の添付文書に記載された日数を過ぎても症状がよくならない、または悪化するような場合は、市販薬の使用をやめ、病院(皮膚科)を受診するようにしましょう。
接触性皮膚炎などあせも以外の皮膚病の可能性や、とびひなど細菌による感染症が起こっている可能性などがあります。