歯肉炎・歯周病の症状に効く市販薬|歯茎の出血予防薬と薬の選び方も紹介
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薬剤師監修日:
歯肉炎・歯周炎(歯槽膿漏)・歯周病の違いとともに、歯肉炎・歯周炎に使える薬の選び方も解説しています。また、歯周病の症状(歯茎の腫れや痛み)を緩和するおすすめの市販薬、歯茎の出血を予防する薬もあわせて紹介。歯周病を予防する薬用歯磨き粉と予防のためのポイントも紹介しています。抗生物質ジスロマックの市販薬があるかについても解説。

歯周病とは|歯肉炎・歯周炎との違い
歯周病とは、細菌によって引き起こされる炎症性の疾患のことをいい、歯肉炎と歯周炎(別名:歯槽膿漏)の2つに大別されます。
つまり、歯周病は歯肉炎や歯周炎などの歯の周りに生じる病気の総称ということになります。
中でも歯肉炎は歯茎の腫れのような比較的軽度の炎症のことを指し、歯周炎は歯肉炎が悪化して歯を支える骨にまで影響が出ている炎症のことを指します。
また、歯周病が進行すると歯茎から出血することもあります。
歯周病の治療方針と薬の選び方
歯周病治療の基本は、歯周病を引き起こす原因を除去することです。
歯周病の原因のほとんどはプラーク(歯垢)によって引き起こされるため、歯周病治療にあたってはまず第一にプラークを取り除くことが大切になります。
そのため市販薬には歯周病を治療するものはなく、あくまで歯肉炎や歯槽膿漏の症状を緩和するための対症療法として使用することを意識しましょう。
その上で、ここでは歯肉炎や歯槽膿漏に使用する市販薬のおすすめの選び方を解説します。
歯肉炎や歯槽膿漏に使える薬の選び方
まず、歯肉炎や歯槽膿漏に使用する市販薬を選ぶ際は効能効果の欄を確認し、効能効果の欄に「歯肉炎・歯槽膿漏における諸症状の緩和」「歯肉炎」など、改善したい症状の記載があるものを選びましょう。
その上で、症状ごとに対応できる成分が異なるため、歯茎の腫れには抗炎症成分、歯茎からの出血があれば組織修復成分や殺菌成分を配合した薬を選びましょう。
症状に対して具体的にどのような成分が配合されているものを選べば良いかは、次の表の通りです。
症状 | 求める作用 | 主な成分 |
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歯茎の腫れ | 抗炎症作用 | グリチルリチン酸二カリウム、プレドニゾロンなど |
歯茎からの出血 | 組織修復作用 | アラントイン、パンテノールなど |
殺菌作用 | ヒノキチオール、セチルピリジニウム塩化物水和物など | |
歯茎の痛み | 局所麻酔作用 | ジブカイン塩酸塩、アミノ安息香酸エチルなど |
歯肉炎・歯周病の症状に使える市販薬|歯茎の腫れや殺菌に
歯肉炎や歯槽膿漏といった歯周病の症状である、歯茎の腫れや殺菌に使える市販薬を紹介します。
デントヘルスR|歯茎の腫れや殺菌に
デントヘルスR【第三類医薬品】

特徴 |
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腫れをおさえる抗炎症成分のグリチルリチン酸二カリウムをはじめとして、殺菌成分セチルピリジニウム塩化物水和物や、歯ぐきをひきしめて腫れを和らげるヒノキチオール、組織修復成分のアラントインも配合しています。
べたつき感がなく、添加物にl-メントールを配合しているのでスーッとした使い心地が特徴です。
歯肉炎・歯周病の症状に使える市販薬|歯茎の痛みに
歯肉炎や歯槽膿漏などの歯周病の症状である、歯茎の痛みに使える市販薬を紹介します。
デンタルクリーム|歯茎の痛みに
メディケアデンタルクリーム 5G(第2類医薬品)【第二類医薬品】

特徴 |
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痛みをおさえる局所麻酔成分のジブカイン塩酸塩とアミノ安息香酸エチルを配合した歯根炎、歯肉炎、歯槽膿漏の痛みに使用できる薬です。
また、殺菌成分の塩化セチルピリジニウムと、スーッとするl-メントールも配合しています。
痛みがある方におすすめの薬です。
歯肉炎・歯周病の症状に使える市販薬|歯茎の出血予防に
ビタミンCを補うことで歯茎の出血予防に使える市販薬を紹介します。
ホワイティフル|歯茎の出血予防に
ホワイティフル 180錠【第三類医薬品】

特徴 |
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歯茎を健康に保ち出血を予防するビタミンCを1日量6錠中に1000mg配合しています。
また、口内の粘膜の健康をサポートするビタミンB2とB6も配合。血行促進成分のビタミンEが歯茎の血行を良くし、組織の修復をサポートします。
パウチ型で持ち運びやすく、1日2回の服用で済むことが特徴です。
ホワイティフルは、商品に添付してあるQRコードを読み込むことで薬剤師に無料で相談ができます。薬に関する疑問や心配事を薬剤師に相談できるため、安心して薬を使用することができます。
ただし、1ヶ月ほど使用しても改善がみられない場合は、医師、薬剤師又は歯科医師に相談してください。
歯周病は市販薬で治せない?歯科医院を受診する目安
基本的に、歯周病の症状で気になるものがある場合は歯科医院を受診することをおすすめします。
歯周病の治療には、プラーク(歯垢)の除去だけでなく歯石を削るなど、歯科医による治療が不可欠な場合があります。
初期症状の状態で治療を始めたほうが、治療にかかる時間も費用も少なくて済む傾向にあるので、なるべく早めに歯科医に相談しましょう。
市販薬は歯肉炎や歯槽膿漏の症状を改善したり予防することはできますが、歯周病自体を治療することはできないため、歯周病を治療したい場合は歯科医院を受診することをおすすめします。
歯肉炎・歯周病を予防する薬用歯磨き粉と予防法
歯肉炎・歯周病を予防する薬用歯磨き粉
歯肉炎および歯周病を予防する薬用歯磨き粉を紹介します。
シュミテクト歯周病ケア【医薬部外品】

グリチルリチン酸モノアンモニウムが歯茎の炎症をおさえ、歯茎を健康に保ちます。また、硝酸カリウムが、歯がしみるのを防ぎます。
高濃度フッ素配合(1450ppm)のため、6歳未満は使用できません。さわやかでマイルドなミントフレーバーです。
歯肉炎・歯周病の予防法
歯周病の一番の予防法はプラーク(歯垢)の除去なので、毎日しっかりと歯磨き(ブラッシング)をすることが歯周病予防の基本になります。
理想は毎食後に歯磨きができれば良いのですが、できなければ寝る前に1回だけでも行いましょう。
うがい薬の使用に関してはあくまで歯磨きの補助的な位置付けとしてとらえ、きちんと歯磨きを行った上でならうがい薬による口内洗浄も予防効果が期待できるとされています。
デンタルフロスなどを使用して歯垢を取り除くのも良いでしょう。
また、定期的に歯科医院に行って歯石を除去したり、歯科検診を受けたりすることも歯周病の予防法のひとつです。
歯石を取りに行く理想の頻度としては1年に3〜4回が良いといわれています。
歯周病の抗生物質ジスロマックの市販薬はある?
2022年9月現在、歯周病で使用されることがある抗生物質であるジスロマック(アジスロマイシン)の市販薬は販売されていません。
また、代わりとなる市販薬も販売されていないため、抗生物質を使用して歯周病を治療したい場合は歯科医院を受診しましょう。
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