クラリチン(ロラタジン)の市販薬はある?代わりに使える薬を紹介
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薬剤師監修日:
クラリチン(ロラタジン)は、花粉症などのアレルギー症状をおさえる第2世代抗ヒスタミン薬です。この記事では、クラリチンと同じ有効成分を配合したスイッチOTC医薬品(クラリチンEX)について解説するとともに、クラリチンの代用で使用できる類似した作用をもつ市販薬を紹介します。また、ジェネリック医薬品(後発品)の有無についても解説します。

クラリチン(ロラタジン)と同じ成分の市販薬はある?
現在、クラリチン(ロラタジン)の有効成分であるロラタジンを配合した市販薬(スイッチOTC医薬品)は「クラリチンEX」という名称で販売されています。
病院に行く時間がないなどでクラリチンの代わりとなる薬を使用したい場合は、同じ成分を配合した市販薬、あるいは類似した作用をもつ市販薬を使用することも治療の選択肢のひとつです。
※2022年12月の情報
処方薬クラリチンと市販薬クラリチンEXの違い
処方薬のクラリチンと同じ成分を配合した市販薬であっても、医療用医薬品と市販薬では使用できる症状が異なるため、そのまま代わりに使えるとは限りません。
たとえば、クラリチンの有効成分であるロラタジンを配合した市販薬クラリチンEXは蕁麻疹(じんましん)や皮膚のかゆみに対しては使用できないため、じんましんや皮膚のかゆみでお悩みの場合は別の薬を選択する必要があります。
市販薬クラリチンEXは鼻のアレルギー症状に対してのみ使用ができます。
効能・効果 | |
---|---|
クラリチン (処方薬) |
アレルギー性鼻炎,蕁麻疹, 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎,皮膚そう痒症)にともなうそう痒 |
クラリチンEX (市販薬) |
花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる 次のような鼻のアレルギー症状の緩和:鼻みず、鼻づまり、くしゃみ |
クラリチンにジェネリック(後発品)はある?
ジェネリック医薬品とは、先発医薬品(先に製造された医薬品)と同じ成分や効果を持つ後発医薬品(後に製造された医薬品)のことです。先発医薬品に比べると開発費用がかからないため安価なことが特徴です。
現在、クラリチンのジェネリック医薬品は、「ロラタジン錠」や「ロラタジンOD錠」などの名称でさまざまなメーカーから販売されています。
ジェネリック医薬品は医療用医薬品のため市販で購入することができないので、医療費の負担をおさえたい場合などでジェネリック医薬品を購入したいときは、診察時に医師にジェネリック医薬品を希望することを伝えましょう。
なお、症状によってはジェネリック医薬品ではなく、代わりの市販薬を使用するのも治療の選択肢のひとつです。
クラリチンと同成分の市販薬|クラリチンEX
鼻のアレルギー症状で処方薬のクラリチンを使用していた場合は、市販薬のクラリチンEXを使用するのも治療の選択肢のひとつです。
クラリチンEX 14錠【第二類医薬品】

クラリチンEXは医療用医薬品のクラリチンと同成分配合のスイッチOTC医薬品です。1日1回1錠飲むだけで効き目が持続するため、仕事などで忙しい方でも服用しやすくなっています。
就寝時に鼻づまりで寝つきが悪い方や、朝起きた時に症状が出てしまう方は、夕食後に服用するのがおすすめです。
水なしで飲めるタイプ|クラリチンEX OD錠
処方薬のクラリチンでは「レディタブ」という水なしでも服用することのできるタイプの薬がありますが、市販薬でレディタブは存在しないため、錠剤が苦手という方はOD錠を選ぶことをおすすめします。
クラリチンEX OD錠 10錠【第二類医薬品】

クラリチンEX OD錠は口の中で溶けて水なしでも使用できるタイプの薬です。
処方薬クラリチンと同じ成分の「ロラタジン」を同量配合しています。
クラリチンEX服用のポイント
クラリチンEXは症状を起こすのをおさえる「抗ヒスタミン作用」だけでなく、ヒスタミン放出そのものをおさえる「抗アレルギー作用」もあわせ持っています。
花粉など季節性のアレルギー性鼻炎による症状に使用する場合は、花粉飛散期に入って症状が出始めたら症状の軽い早めの時期からの服用が効果的です。
クラリチンの代わりに使える市販薬
クラリチンは第2世代抗ヒスタミン薬です。
抗ヒスタミン薬とは、体内でヒスタミンという物質の作用をブロックし、花粉やハウスダストによる鼻のアレルギー症状やじんましんなどの皮膚の症状に効果を示す薬です。
第1世代抗ヒスタミン薬は眠気や口の渇きなどの副作用が強く現れることが特徴です。一方、第2世代抗ヒスタミン薬では、第1世代の効果をできるだけ維持したまま、副作用が比較的出づらいように作られています。
ここではクラリチンの代わりに使用できる第2世代抗ヒスタミン薬を紹介します。
アレジンAZ|蕁麻疹・皮膚のかゆみに効く薬
アレジンAZ錠【第二類医薬品】

医療用医薬品としても使用されている第2世代の抗ヒスタミン成分アゼラスチン塩酸塩が配合された薬です。
処方薬のクラリチンと同じように、鼻炎症状だけではなく、じんましんやかゆみなどの皮膚症状にも使用できるのが特徴です。
じんましんや湿疹・かぶれによる皮膚のかゆみを改善します。アゼラスチン塩酸塩は『抗炎症作用』があるため、皮膚のかゆみだけではなく、皮膚の腫れにも効果を発揮します。
じんましんに効く薬の選び方
じんましんの対処には基本的には抗ヒスタミン成分の飲み薬が適していますが、局所的なじんましんでかゆみの症状が強い場合は、飲み薬とあわせて塗り薬を使用することもできます。
じんましんに効く飲み薬と塗り薬の選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。
ケアビエン|鼻のアレルギー症状に効く薬
【第2類医薬品】ケアビエン 120錠入り 60日分【第二類医薬品】
第2世代の抗ヒスタミン成分であるフェキソフェナジン塩酸塩が鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状をやわらげます。他の抗ヒスタミン成分に比べて眠気や集中力の低下がおこりにくいことが特徴です。
鼻のアレルギー症状に効く薬の選び方
抗ヒスタミン成分にはさまざまな種類があります。
同様に市販薬にもたくさんの種類があり、目的の症状によって薬を使い分ける必要があるため、何を基準に選ぶかといった選び方を知ることはとても大切です。
鼻のアレルギー症状に効く市販薬の選び方について、詳しくはこちらの記事をごらんください。
処方薬クラリチンは通販や個人輸入では購入しないこと
医療用医薬品のクラリチンが通販サイトや個人輸入サイトなどで売られていることがありますが、購入することは避けてください。
個人輸入代行業者によって売られる薬は、医薬品としての安全性が保障されていないため、思わぬ健康トラブルが起こるおそれがあります。
また、厚生労働省は個人輸入の薬によって起こった健康被害については救済対象にならないと明記しています。
正しい治療を行うためにも、個人輸入・通販による医療用医薬品のクラリチンの購入は避けましょう。
もし医療用医薬品のクラリチンを購入したい場合は、スイッチOTC医薬品のクラリチンEXまたは代替の市販薬を購入するか、病院を受診することをおすすめします。
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