タケプロンと同じ成分の市販薬はある?
現在、タケプロンと同じ有効成分を使用した市販薬は販売されていません。
しかし、タケプロンの主成分『ランソプラゾール』と似た作用をもつ成分は市販薬にも配合されています。
※2023年4月の情報
タケプロン(ランソプラゾール)とは
タケプロンは主成分を『ランソプラゾール』とした、胃酸の分泌をおさえる働きのあるプロトンポンプ阻害薬(PPI)のひとつです。
タケプロンの内服薬には、口の中で溶けるOD錠とカプセルの2種類があります。
OD錠もカプセルも成分の配合量が異なる15mgと30mgの薬があり、配合量によって使用できる病気や症状が異なります。
タケプロンと似た市販薬の選び方
市販の胃腸薬には、有効成分に『ランソプラゾール』を使用した薬がないため、タケプロンとまったく同じ効能・効果をもつものはありません。
胃酸の分泌をおさえる『H2ブロッカー』を選びましょう
胃腸薬は様々な種類がありますが、タケプロンの主成分『ランソプラゾール』の主な作用は胃酸の分泌をおさえることです。タケプロンの代わりに使用したい場合は、胃酸の分泌をおさえる作用がある『H2ブロッカー』に分類される成分を選びましょう。
『H2ブロッカー』とは胃粘膜のH2受容体と結びつくことで、余分な胃酸の分泌をおさえる働きをする成分の総称です。
タケプロンの代わりに市販薬を使う場合の注意点
タケプロンなどの処方薬の代用として市販薬を使用したい場合は、使用前に医師に確認してください。成分が異なるため、薬が症状に合わず治療の妨げになる可能性があります。
市販の胃腸薬を3日間使用しても効果が感じられない場合は使用を中止し、医師に相談してください。また、2週間以上の長期連用もおやめください。
ガスター10
ガスター10<錠> 6錠【第一類医薬品】
有効成分 | 含有量(1錠中) |
---|---|
ファモチジン(H2ブロッカー) |
10mg |
主成分のファモチジン(H2ブロッカー)が過剰な胃酸の分泌を抑制することで、胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきを緩和します。症状があらわれた時に服用するタイプの薬です。1日2回まで服用できますが、2回目の服用時は8時間以上の間隔をあけてください。
ファモチジン錠「クニヒロ」
ファモチジン錠「クニヒロ」【第一類医薬品】
有効成分 | 含有量(1錠中) |
---|---|
ファモチジン(H2ブロッカー) |
10mg |
ファモチジンが過剰な胃酸分泌を抑えて胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきを緩和します。1日2回まで服用できますが、2回目の服用時は8時間以上の間隔をあけてください。
ガスター10 S錠
ガスター10 S錠 6錠【第一類医薬品】
有効成分 | 含有量(1錠中) |
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ファモチジン(H2ブロッカー) |
10mg |
ガスター10 S錠は口の中の水分を含むと速やかに溶け、水なしでも服用できる「口中速溶タイプ」です。移動中や仕事中にもその場ですぐに服用できることが特徴です。ガスター10と同じ『ファモチジン(H2ブロッカー)』が同量配合されています。
市販薬が使用できる症状
この記事で紹介している『ファモチジン(H2ブロッカー)』を主成分とした市販薬は、胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきに使用することができます。
胃痛・胃もたれに効く市販薬の選び方
胃の痛みや胃もたれなどの胃のトラブルは、胃を守る”防御因子”と胃を攻撃する”攻撃因子”のバランスが崩れることで起こります。胃のトラブルの原因によって適した薬は異なります。
市販薬の選び方については以下の記事で詳しく解説しています。
タケプロンと市販薬の違い
タケプロンは主成分を『ランソプラゾール』とした、胃酸の分泌をおさえる働きのあるプロトンポンプ阻害薬(PPI)のひとつです。
この記事で紹介している『H2ブロッカー』と胃酸の分泌をおさえるという点では同じですが、作用や効果が少し異なります。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)とは
『プロトンポンプ阻害薬』とは、胃酸を分泌するプロトンポンプの働きをおさえる作用がある薬の総称です。
通常は、アセチルコリン・ヒスタミン・ガストリンの3つの物質がそれぞれの受容体を刺激し、その信号がプロトンポンプに伝わることで胃酸が分泌されます。
H2ブロッカーとは
『H2ブロッカー』は別名を「ヒスタミンH2受容体拮抗薬」といい、胃酸分泌の原因となるヒスタミンの信号をブロックする成分の総称です。
『H2ブロッカー』は、アセチルコリンやガストリンによる胃酸分泌までは抑制できないため、胃酸をおさえる強さは『プトロンポンプ阻害薬』の方が強いといえます。
タケプロンの効果と副作用
タケプロンは、胃酸を分泌するプロトンポンプを抑制して胃酸の分泌を抑えます。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などの治療のほか、ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助に用いられます。
タケプロンの主な副作用
タケプロンの主な副作用として、発疹、かゆみ、便秘、下痢、口渇、腹部膨満感、頭痛、眠気、発熱などが報告されています。
また、ヘリコバクター・ピロリ除菌を目的として使用した場合は、軟便、下痢、味覚異常、腹部膨満感、貧血、発疹などが主な副作用として報告されています。