アズノール軟膏の効果と副作用|あせもやニキビ、陰部に使える?
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薬剤師監修日:
アズノール軟膏は、皮膚の炎症などに処方される薬です。この記事では、アズノール軟膏の効果や副作用を解説します。また、あせもやニキビ、顔や陰部にも使える?同じ成分の市販薬はある?といった疑問にもお答えします。

アズノール軟膏の効果・用法用量
アズノール軟膏は、湿疹、熱傷・そのほかの疾患によるびらんや潰瘍に処方され、赤ちゃんやお年寄りの方でも使用できる薬です。
有効成分の『ジメチルイソプロピルアズレン』は、西洋ハーブであるカモミールを水蒸気蒸留して得られるアズレンという成分をもとにつくられています。
アズノール軟膏の効果
アズノール軟膏の有効成分『ジメチルイソプロピルアズレン』には、炎症による腫れ・痛みを鎮めるだけでなく、アレルギー反応を引き起こす物質ヒスタミンをおさえ、かゆみを取り除いたり、さらに傷の治りを促進する作用もあります。
これらの作用により、アズノール軟膏は湿疹、熱傷・そのほかの疾患によるびらんや潰瘍に効果を発揮します。
アズノール軟膏の効能・効果 | 〇湿疹 〇熱傷・そのほかの疾患によるびらんや潰瘍 |
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アズノール軟膏の用法・用量
添付文書による通常の用法・用量は次の通りですが、症状によって塗る回数などの使い方が異なるため、医師の指示を受け正しく使用をしましょう。
また、薬を塗る際は、手をきれいに洗ってから使用するようにしてください。
用法・用量 | 通常1日数回、適量を患部に塗布する |
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小児の使用上の注意 | 特別な注意喚起はなし |
妊婦の使用上の注意 | 治療による有益性が危険性を上回ると、医師が判断した場合のみ処方される |
授乳婦の使用上の注意 | 治療上による有益性および母乳栄養の有益性を考え、授乳の継続または中止について医師と相談する |
アズノール軟膏は赤ちゃんや妊婦でも使える?
アズノール軟膏は、皮膚が弱い赤ちゃんにも処方されることのある薬です。
実際に赤ちゃんのおむつかぶれにアズノール軟膏が処方されることがあります。
妊婦さんや授乳中の方でも医師の判断によっては使用できるため、希望される場合は医師にご相談ください。
アズノール軟膏はあせもやニキビに使える?
よく見られる皮膚の炎症症状に、あせもやニキビがありますが、アズノール軟膏はこれらの皮膚疾患にも使用はできるのでしょうか。
あせもには使用可能
アズノール軟膏は、あせもに処方される薬の1つです。
一般的に、あせもの症状が強い場合はステロイド薬などが処方されますが、炎症が軽度の場合は、アズノール軟膏が処方されることがあります。
あせもの処方薬については以下の記事で詳しく解説しています。
また、あせもはお子様に多い疾患ですが、症状が軽度であれば、市販薬でのケアが可能です。お子様が使えるあせもの市販薬に関しては、次の記事で解説しています。
ニキビへの使用には適さない
ニキビも皮膚の炎症の1つであるため、アズノール軟膏が使用できるのでは?と考える方も多いでしょう。
しかし、アズノール軟膏がニキビに処方されることはあまりありません。
一般的にニキビと呼ばれるものは、アクネ菌が原因で発生するため、ニキビにはアクネ菌に効果のある薬を使用します。
医師から特別な指示がない限り、自己判断でニキビにアズノール軟膏を使用するのは控えてください。
ニキビに効果がある市販薬に関しては、別記事で解説しています。
アズノール軟膏は顔に使える?
アズノール軟膏は、顔や皮膚が薄い部位でも使用が可能です。
しかし、炎症の原因が何なのかを理解して使用をしないと、アズノール軟膏を使用しても症状が進行してしまうおそれがあります。
アズノール軟膏を顔などの皮膚が薄い部分に使う場合は、医師の指示を守ってご使用ください。また、処方してもらったときの症状と別の機会で使用する際は、再度医師に相談しましょう。
陰部に使える?|細菌や真菌には効果がない
陰部のトラブルで多く見られるカンジダ症は、真菌というカビの一種が原因となり炎症を起こします。また、細菌感染による炎症の場合もあります。
アズノール軟膏には真菌や細菌を殺菌する効果はないため、カンジダ症には抗真菌薬を、細菌性の炎症の場合は抗菌薬や抗生物質を用います。
アズノール軟膏を使用する際は、皮膚のトラブルの原因菌が何かを診てもらい、病院から処方された用法用量を守って正しく使用しましょう。
また、アズノール軟膏が手元にあるからといって、医師の指示なく自己判断で陰部に使用することはやめましょう。
アズノール軟膏はやけどに使える?
アズノール軟膏は、やけどによる皮膚のただれなどにも処方されることがあります。
ただし、アズノール軟膏は、その時の患者の症状に合わせて医師が処方する処方薬です。アズノール軟膏はやけどに適応があるものの、やけどは状態や程度によって、使用する薬も異なります。そのため、残ってしまった処方薬を別の機会に自己判断で使用するのはやめましょう。
やけどで病院を受診する目安や市販薬が使えるやけどについては、こちらの記事をご覧ください。
アズノール軟膏の副作用と注意点
アズノール軟膏の副作用
赤ちゃんからお年寄りまで使用できる薬ですが、副作用が全く無いわけではありません。
稀なことではありますが、以下の症状が副作用として出る場合があります。万が一、副作用と思われる症状が出た場合は、直ぐに使用を中止し、医師の診察を受けるようにしてください。
皮膚刺激感等の過敏症状 | 皮膚のかゆみ・熱感・ヒリヒリ感等の刺激感 |
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接触性皮膚炎 | 水ぶくれ・発疹・かぶれ・かゆみなど |
アズノール軟膏は目には使用できない
アズノール軟膏は全身の皮膚に使用できる薬ですが、目には使用することができません。また、粘膜への使用もできません。
薬が誤って目に入ってしまったらすぐに洗い流し、異変を感じる場合はすぐに医師の診察を受けるようにしてください。
アズノール軟膏の市販薬はある?
アズノール軟膏と同じ成分を含む、皮膚に塗る市販薬には、「タナールAZ軟膏」があります。
ただし、タナールAZ軟膏はあせもなどの皮膚の炎症や湿疹、じんましんなどには使えますが、アズノール軟膏のようにやけどなどに使うことはできません。
タナールAZ軟膏が使える症状 |
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湿疹、じんましん、皮膚炎、かぶれ、かゆみ、ただれ |
また、タナールAZ軟膏は、ネット上での販売はなく、一部の薬局でのみ販売されている薬となります。
外部リンク:タナールAZ軟膏の正規取扱店を検索する
ネット上でも購入でき、あせもなどに使えるアズノール軟膏の代用薬については、こちらの記事をご覧ください。
ムヒ・ベビーb 15G(第3類医薬品)【第三類医薬品】

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