キンダベート軟膏の市販薬はある?類似した作用を持つ市販薬を紹介
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キンダベート軟膏はクロベタゾン酪酸エステルを有効成分としたステロイド(副腎皮質ホルモン)の皮膚炎治療薬のひとつです。この記事では、キンダベート軟膏と同じ成分の市販薬およびジェネリック医薬品の有無について解説します。また、類似した作用を持つ市販薬も併せて紹介します。

キンダベート軟膏(クロベタゾン)と同じ成分の市販薬はある?
現在、キンダベート軟膏と同じ成分であるクロベタゾン酪酸エステルを配合した市販薬は販売されていません。
しかし、クロベタゾン酪酸エステルと似た作用をもつ成分を配合した市販薬は販売されています。
キンダベート軟膏の代わりの市販薬を購入したい場合は、似た作用を持つ成分を配合した市販薬を選びましょう。
※2022年11月の情報
キンダベート軟膏のジェネリック(後発品)はある?
現在、キンダベート軟膏のジェネリック医薬品(後発品)としては、クロベタゾン酪酸エステル軟膏・クロベタゾン酪酸エステルクリーム・クロベタゾン酪酸エステルローションなどがあります。
いずれも医療用医薬品のため市販で購入することができないので、ジェネリック医薬品をお求めの場合は病院を受診してください。
なお、湿疹や皮膚炎などの治療をしたい場合には、代わりの市販薬を使用するのも選択肢のひとつです。
市販薬が使用できる症状とできない症状
キンダベート軟膏は、湿疹や皮膚炎の治療によく用いられるステロイド(副腎皮質ホルモン)を配合した医療用医薬品です。
有効成分のクロベタゾン酪酸エステルは、アトピー性皮膚炎・乳幼児湿疹・湿疹・皮膚炎などに優れた効果を発揮します。
キンダベート軟膏のステロイドの強さ
一般的に、ステロイドは薬の強さによって、5段階のランクに分けられています。
キンダベート軟膏は下記の中でも下から2番目の強さである「ミディアム」に分類される、比較的おだやかなステロイド薬です。
市販薬が使用できる症状とできない症状
キンダベート軟膏と同じ有効成分のクロベタゾン酪酸エステルを配合した市販薬は販売されていませんが、似た作用をもつ成分を配合した市販薬は販売されています。
しかし、医療用医薬品と市販薬とでは効能効果が異なるため、症状によっては代わりに使用ができない場合があります。
症状に対して市販薬が対応可能かどうかについては以下にまとめました。
症状 | 市販薬の対応可否 |
---|---|
アトピー性皮膚炎 | × |
乳幼児湿疹 | ◯(目の周りや粘膜以外) |
湿疹・皮膚炎 | ◯ |
乳幼児湿疹の場合は、症状が広範囲にわたる場合は市販薬を使用せず病院を受診してください。
また、乳幼児湿疹とアトピー性皮膚炎は区別がつきにくいので、どちらの症状かわからない場合は、まず病院を受診しましょう。
キンダベート軟膏と類似した作用を持つ市販薬
キンダベート軟膏のステロイドの強さはミディアムなため、同じミディアムの強さをもつステロイドの市販薬を紹介します。
ラシュリアPEクリーム
ラシュリアPEクリーム【指定第二類医薬品】

キンダベートと同じミディアムランクのステロイド成分(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)を主成分とした薬です。
ステロイド成分以外にもかゆみ止め成分や抗炎症成分が配合されているため、かゆみと赤みの両方が気になる方におすすめです。
さらに、殺菌成分のイソプロピルメチルフェノールが掻き壊しによる化膿を予防します。塗ったあとのベタつきが気になりにくいクリームタイプの薬です。
特徴 | 剤形 |
---|---|
かゆみや赤みが気になる方におすすめ | クリーム |
リビメックスコーワ軟膏
リビメックスコーワ軟膏 10G(指定第2類医薬品)【指定第二類医薬品】

ミディアムランクのステロイド成分(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)のみを配合した薬です。かゆみなどの症状が少ない場合におすすめです。
軟膏タイプの薬のため、ジクジクした水っぽい患部にも使用できます。
特徴 | 剤形 |
---|---|
ジュクジュクしたり場合におすすめ |
軟膏 |
セロナQTローション
【廃盤】セロナQTローション 14ml【指定第二類医薬品】

ミディアムランクのステロイド成分であるヒドロコルチゾン酪酸エステルを主成分とした薬です。かゆみ止め成分のクロルフェニラミンマレイン酸塩も配合されているため、かゆみが気になる方におすすめです。
ローションタイプの薬なので、頭部などの毛の生えている場所にも使用しやすいことが特徴です。
特徴 | 剤形 |
---|---|
頭部など毛の生えている場所におすすめ | 液体(ローション) |
ステロイドの市販薬を使用する上での注意点
キンダベート軟膏と同じミディアムランクのステロイドを含む市販薬を使用するときは、以下の点に注意しましょう。
塗る前に必ず手洗いを
塗り薬を使用するときは、手をきれいに洗っておきましょう。患部も同様に、水や石鹸、消毒液などで清潔にしておくと良いでしょう。
また、水分によって薬のチューブへの細菌汚染を防ぐため、薬を塗る前には洗った手をよく拭き、水分が残らないようにしてください。
塗る期間
市販のステロイド薬を5〜6日間使用しても症状が改善しないようであれば、使用を中止し、医師の診断を受けましょう。市販薬では治療ができない症状か、皮膚症状の原因が別にあるおそれがあります。
まずは病院で検査を受けて原因をはっきりさせることを優先しましょう。
また、市販のステロイド薬を使用して症状が良くなってきた場合も2週間以上続けての使用は避けてください。
ステロイドの長期使用は副作用が出やすくなる原因となります。どうしても2週間以上使用したい場合は、医師に相談してください。
赤ちゃんに使える?
キンダベート軟膏と同じミディアムランクのステロイドの市販薬であれば赤ちゃんにも使用できます。ただし、患部が広範囲にわたる場合には、自己判断で薬を使用せず、一度病院を受診することをおすすめします。
赤ちゃんの肌は薄く敏感なため、塗る時も強く擦り込まずにやさしく塗ってあげましょう。
薬を使用して症状が悪化したと感じたら一度病院を受診しましょう。
キンダベート軟膏はネット通販や個人輸入で購入しないこと
医療用医薬品のキンダベート軟膏が通販サイトや個人輸入サイトなどで売られていることがありますが、購入することは避けてください。
個人輸入代行業者によって売られる薬は、医薬品としての安全性が保障されていないため、思わぬ健康トラブルが起こるおそれがあります。
また、厚生労働省は個人輸入の薬によって起こった健康被害については救済対象にならないと明記しています。
正しい治療を行うためにも、個人輸入・通販による医療用医薬品のキンダベート軟膏の購入は避けましょう。
もし医療用医薬品のキンダベート軟膏を購入したい場合は、代替の市販薬を購入するか、病院を受診することをおすすめします。
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