子どもの乾燥肌に使える市販薬(保湿剤)を紹介|クリームタイプ、乳状液タイプなど
更新日:
薬剤師監修日:
子どもの肌は大人に比べて皮脂の分泌量が少ないため、大人よりも乾燥しやすいといえます。 また、皮膚のバリア機能も未発達でデリケートな状態のため、乾燥など外部からの刺激によって様々な皮膚トラブルを引き起こやすいです。 この記事では、子どもの乾燥肌に使える市販薬や乾燥肌対策などについて解説しています。

子どもの肌が乾燥しやすい原因|乾燥性湿疹とアトピーの違い
子どもの肌は大人に比べて皮脂の分泌量が少ないため、大人よりも乾燥しやすいといえます。
また、皮膚のバリア機能も未発達でデリケートな状態のため、乾燥など外部からの刺激によって様々な皮膚トラブルを引き起こやすいです。
乾燥により肌をかきむしってしまうと湿疹などの原因になる
皮膚が乾燥するとかゆみを感じることがあり、子どもが我慢できずに肌をかきむしってしまうと、皮膚の炎症をおこし湿疹ができてしまうこともあります。こういった乾燥が原因となる湿疹は、小児乾燥性湿疹・小児乾燥型湿疹などと呼ばれることもあります。
以下の記事では、湿疹ができたときの対処法や、湿疹に使える市販薬について解説しています。
乾燥性湿疹とアトピー性皮膚炎の違い
湿疹ができた場合は、乾燥性湿疹ではなくアトピー性皮膚炎などの可能性もあります。
乾燥性湿疹とアトピー性皮膚炎では、原因や症状などが違います。
特徴 | |
---|---|
乾燥性湿疹 |
・乾燥肌という要因により発症 ・体が温まってくるとかゆくなる ・皮膚が乾燥し粉をふいているような状態になる ・特にすね、腰回り、背中などがかゆくなりやすい |
アトピー性皮膚炎 |
・乾燥肌とアレルギー体質という要因が重なることで発症 ・皮膚のバリア機能低下やストレスなどの刺激要因が重なることでも発症 ・強いかゆみを伴う赤い湿疹が左右対称に現れる ・ジクジクしたりカサカサしたり皮膚が厚く硬くなったりする ・年齢によって症状の現れる部分が違う |
乾燥性湿疹は、乾燥肌という要因により発症します。乾燥性湿疹を発症すると、皮膚が乾燥し粉をふいたような状態になります。とくにすね、腰回り、背中などがかゆくなりやすいです。
一方でアトピー性皮膚炎は、乾燥肌とアレルギー体質という要因が重なることで発症したり、皮膚バリア機能低下やストレスなどの刺激要因が重なることで発症したりなど、さまざまな要因が重なりあって発症します。
アトピー性皮膚炎を発症すると、強いかゆみを伴う赤い湿疹が左右対称に現れます。症状があらわれる部分は年齢によって異なります。
子どもの乾燥肌の治し方|市販薬で対処できる?
子どもの乾燥肌は、ヘパリン類似物質を配合した市販の保湿剤などを使用することで対処することができます。
ただし、市販薬の添付文書に記載された日数を過ぎても症状がよくならない、または悪化した場合や、以下のような症状がある場合は、病院を受診するようにしましょう。
・粉をふいたり、皮膚がとても乾燥している ・水ぶくれがある、ブツブツがある、じゅくじゅくしている ・ブツブツの範囲が広がったり、新しい場所にできた など |
子どもの乾燥肌に使える市販薬|保湿剤
子どもの乾燥肌には、ヘパリン類似物質を配合した保湿剤がおすすめです。
ヘパリン類似物質は、病院で処方される医療用医薬品ヒルドイドクリームなどにも配合されており、保湿効果が高い成分です。
乾燥による肌のかゆみが気になる場合は、ヘパリン類似物質に加えて、かゆみ止め成分が配合された保湿剤がおすすめです。
なお、湿疹ができている場合や症状がひどい場合は、炎症をおさえる効果が高いステロイドと呼ばれる塗り薬が使用されることもありますが、自己判断では使用せず、医師の診断をうけるようにしましょう。
子どもの乾燥肌に使える保湿剤|乳状液タイプ、クリームタイプなど
商品画像 | 特徴 |
---|---|
![]() |
・ヘパリン類似物質配合の保湿剤 ・塗り広げやすくさらっとした使い心地 |
![]() |
・ヘパリン類似物質配合の保湿剤 ・しっとりとしたオイルベースのクリーム |
![]() |
・ヘパリン類似物質配合の保湿剤 ・さらっと伸びるローションタイプ ・片手で開けられるワンタッチキャップ採用 |
![]() |
・ヘパリン類似物質配合の保湿剤 ・逆さでも使えるスプレータイプ ・さっぱりとした使用感 |
ミナハダ ヘパリン類似物質乳状液「JM」|さらっとした使い心地
ヘパリン類似物質 乳状液 50g【第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
---|---|
ヘパリン類似物質 |
乳状液 |
病院で処方される医療用医薬品『ヒルドイド』と同じ有効成分を配合した保湿剤です。さらっとした使い心地でべたつかず、手や顔にも使用できる乳状液タイプです。無香料・無着色で、赤ちゃんも使用できます。
ヒフメイド油性クリーム|しっとりとした使用感
ヒフメイド油性クリーム【第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
---|---|
ヘパリン類似物質 |
クリーム |
オイルベースのクリームで肌を保護する作用に優れており、しっとりした使用感が特徴です。
油分の中に水分が混ざったW/O型と呼ばれるクリームで、水に溶けにくいという性質があります。そのため、汗をかいても、薬が流されにくく皮膚をしっかり保護することができます。
ヒルマイルドローション|さらっと伸びるローションタイプ
ヒルマイルドローション 30g【第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
---|---|
ヘパリン類似物質 |
ローション |
ヒルマイルドローションは、ヘパリン類似物質が配合された保湿剤です。さらっと伸びるローションタイプです。
クリームよりも比較的べたつきが少なく伸びが良いため、広範囲に使用する場合に適しています。
ヒルマイルドスプレー|逆さでも使えるスプレータイプ
ヒルマイルドスプレー【第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
---|---|
ヘパリン類似物質 |
スプレー |
ヒルマイルドスプレーは、ヘパリン類似物質が配合された保湿剤です。さっぱりとした使用感のスプレータイプです。
逆さにしても使えるため、背中など手の届かない場所に最適です。
乾燥肌によるかゆみに効く保湿剤|かゆみ止め成分配合
乾燥によるかゆみが気になる場合は、ヘパリン類似物質に加えて、かゆみ止め成分が配合された保湿剤を選びましょう。
商品画像 | 特徴 |
---|---|
![]() |
・ヘパリン類似物質+かゆみ止め ・かきむしってしまう乾燥肌に |
ヘパソフトプラス|2種類のかゆみ止め成分配合
ヘパソフトプラス 50g【第二類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
---|---|
ヘパリン類似物質 パンテノール ジフェンヒドラミン クロタミトン |
クリーム |
『ヘパリン類似物質』にくわえ、かきむしることでダメージを受けた肌を修復する『パンテノール』と、2種類のかゆみ止め成分が配合されており、かきむしってしまう乾燥肌におすすめです。
子どもの乾燥肌対策|スキンケア、お風呂の入り方など
子どもの乾燥肌対策には、スキンケアを行い肌の清潔を保つ、紫外線対策をおこなうなどがあります。
スキンケアをおこない肌を清潔に保つ
保湿剤を塗る以外にも、皮膚の汚れや汗を落とすなどして、肌の清潔を保つことも肌の乾燥を防ぐために重要です。
とくに汗を多くかきやすい夏場は、こまめに汗を拭きとる、シャワーで汗を洗い流すなどして肌を清潔に保つようにしましょう。大量の汗をかくと、水分の蒸発を抑える働きがある皮脂膜が流れてしまいます。
なお、肌を清潔にしたあとは、保湿剤をぬり肌の保湿をすることが大切です。
お風呂に入るときは皮脂のとりすぎを防ぐ
お風呂に入るときは、ゴシゴシ洗わないようにする、十分な泡で優しく洗うなどして、皮脂のとりすぎを防ぎましょう。
とくに、子どもの場合は大人に比べて肌がデリケートなため、体を洗うときは指の腹をつかい、やさしくなでるようにして洗うことが大切です。ボディーソープは乾燥肌向けのものを選びましょう。
なお、お風呂上りは肌が乾燥しやすいタイミングのため、お風呂あがりに保湿するのがおすすめです。
普段使いとしては、この記事で紹介している医薬品ではなく、医薬部外品や化粧品に分類されるスキンケア製品が適しています。乾燥肌に使えるスキンケア製品については以下の記事で解説しています。
紫外線対策をおこなう
皮膚の乾燥を防ぐためには、紫外線対策をすることも大切です。とくに紫外線量の多い時期(5〜8月)に外出するときは、帽子をかぶる、肌の露出が少ない服装をするなど、紫外線を防ぐ対策をおこないましょう。
紫外線を長時間あびると、皮膚が乾燥したり、皮膚のバリア機能が低下したりします。
適度な湿度を保つ
空気が乾燥すると皮膚が乾燥しやすくなります。過度な冷暖房に注意する、加湿器などで適度な湿度を保つことで、皮膚の乾燥を防ぎましょう。
ミナカラ薬局の薬剤師に相談する
薬について相談したいことや、心配や不安がある方は、ミナカラ薬局の薬剤師相談をご利用ください。ミナカラ薬局では薬剤師にLINEで相談することができ、それぞれのお悩みに対応します。
記事で紹介されている商品一覧
この記事は参考になりましたか?
関連記事
乾燥肌に使えるスキンケア製品の選び方|市販薬の違いを解説
皮膚のカサカサや粉吹き、かゆみなどの症状を起こす乾燥肌対策は毎日のセルフケアが大切です。薬局や通販サイトで販売されているスキンケア製品を使って肌の保湿をしましょう。この記事では、肌の乾燥に使えるスキンケア製品の選び方や、医薬品・医薬部外品・化粧品の違いについて解説しています。

顔の保湿に使える乾燥肌の薬について解説|顔のカサカサ・粉吹きに
市販の保湿剤には、顔や目の周りに使えない薬もあるため注意が必要です。この記事では、顔のカサカサや粉吹きに使える保湿剤の選び方について解説しています。

乾燥肌のかゆみは市販のクリームで治せる?|かゆみ止めの選び方を解説
乾燥肌によるかゆみは、市販薬を使って保湿することで対処できます。この記事では、乾燥肌によるかゆみに効くクリームや液体タイプの薬について解説しています。

乾皮症に効く市販薬|保湿クリームの選び方や治し方について解説
乾皮症は皮脂欠乏症とも呼ばれ、特に老化が原因となる乾皮症は、老人性乾皮症と呼ばれています。この記事では、乾皮症に効く市販薬の選び方と対処法について解説しています。

ヒルドイドと同じ市販薬はある?|ヘパリン類似物質が乾燥肌・手足の荒れに効く!
ヒルドイド®(後発医薬品:ビーソフテン®)は『ヘパリン類似物質』を含む保湿剤で、乾燥肌などに対して皮膚科で処方されます。この記事では、ヒルドイドと同じ成分が配合され、代用として使える市販薬について解説します。

ビーソフテンと同じ成分の市販薬|クリームとローションの違いは?
ビーソフテン®は『ヘパリン類似物質』を含む保湿剤で、乾燥肌などに対して皮膚科で処方されます。この記事では、ビーソフテンと同じ成分が配合され、代用として使える市販薬について解説します。

しもやけに効く市販薬の選び方|原因と治し方について解説
しもやけの明確なメカニズムは分かっていませんが、寒さや冷たさなどによる血行不良が原因とされています。この記事では、しもやけの原因や市販薬の選び方について解説しています。

手指や足のひび割れ・あかぎれに効く|市販薬の選び方について解説
手の皮膚が乾燥しガサガサした状態が続くと、皮膚に亀裂が生まれ、痛みや赤み、出血などの症状があらわれます。この記事では、手指や足のひび割れ・あかぎれに効く市販薬の選び方について解説しています。

手荒れに効く市販薬|手荒れ・手湿疹に効く薬の選び方
手荒れ(手湿疹)に効く市販薬には様々な種類があり、症状によって適した成分が異なるため、ご自身の症状にあわせて薬を選ぶことが大切です。この記事では、手荒れに効く市販薬の選び方を症状別に解説しています。

アルコール消毒による手荒れに効く市販薬|対策・予防法
アルコール消毒液が皮膚に触れた際の化学的な刺激や、アルコールが蒸発する際に水分が奪われることによる乾燥など原因となり手荒れの症状があらわれます。この記事ではアルコール消毒による手荒れに効く市販薬について解説しています。

尿素クリームの選び方|硬い角質や手荒れに効く市販薬を紹介
尿素クリームとは、かかと・ひじ・ひざ・くるぶしの硬くなった角質や皮膚のガサガサ、手荒れなどに効く保湿剤です。この記事では尿素クリームの効果と市販薬の選び方について解説します。

硬くなった皮膚・角化症に効く市販薬|ひざ・くるぶし・かかと・ひじ
外的な刺激やターンオーバーの乱れなどによって、皮膚がガサガサしてしまったり、角質が硬く、厚くなったりする症状を『角化症』といいます。この記事ではひざ・くるぶし・かかと・ひじの角化症、手指の荒れに効く市販薬の選び方について解説しています。
