手荒れにワセリンは使える?|症状別に適した市販薬を解説
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薬剤師監修日:
ワセリンは保湿剤の一種で、皮膚表面の水分の蒸発を防いだり、傷ついた皮膚を保護する機能があります。この記事では、ワセリンの効果や、手荒れに効く市販薬の選び方について解説しています。

手荒れにワセリンは使える?
ワセリンは皮膚保護剤の一種で、油脂でできた軟膏タイプの塗り薬です。油分が膜を作ることで、皮膚の水分が蒸発するのを防いだり、外部の刺激から皮膚を保護したりする機能があります。
ワセリンはひび割れ・あかぎれができている状態の手荒れには適していますが、炎症をおさえるなどの効果はありません。手荒れは、症状にあわせて薬を選ぶことが大切です。
手荒れに効く市販薬の選び方
炎症がひどい手荒れにはステロイド、乾燥による手荒れにはヘパリン類似物質などの保湿剤がおすすめです。手荒れに効く市販薬の詳しい選び方については、こちらの記事で解説しています。
ワセリンの市販薬|ひび・あかぎれに
以下で紹介している市販薬は有効成分がワセリンのみで、薬の違いはほとんどありません。どちらも手足のひび・あかぎれ、皮膚の荒れ、皮膚の保護に使用できます。
プロペト ピュアベール
プロペト ピュアベール【第三類医薬品】

白色ワセリン
白色ワセリン・ソフト 60G(第3類医薬品)【第三類医薬品】

ワセリンの効果的な塗り方・使い方
ワセリンを使うときは、力を込めずにやさしく丁寧に繰り返し塗ってください。
塗るときは手と患部を洗って清潔にしましょう。手や患部が汚れていると、菌が入り症状が悪化することがあります。
手を洗った後や入浴後など水に触れた後は、水分を拭き取った後に塗ることを習慣にするとよいでしょう。
こんな手荒れはワセリン以外の薬が使えることも
ワセリンには皮膚に水分を与える効果がないため、手荒れの症状がひどいときは別の塗り薬が適している場合があります。
皮膚の乾燥がひどい
皮膚がガサガサしていたり、ぼろぼろと粉がこぼれ落ちたりするようなひどく乾燥している状態でワセリンを使っても症状が改善しないようであれば、ワセリンではなく別の保湿成分を配合した保湿剤を使うことをおすすめします。
乾燥がひどい場合は皮膚に水分を補う必要があるので、皮膚に水分を与える効果のあるヘパリン類似物質などの成分が含まれた保湿剤を使うことが大切です。
ヘパリン類似物質 乳状液 50g【第二類医薬品】

ヘパリン類似物質 乳状液「JM」は、クリームタイプよりもさらっとした使い心地が特徴の乳状液タイプです。
ひびわれ・あかぎれがある
皮膚にひびわれやあかぎれの症状がある場合は、ワセリンを傷口の保護剤として使用することもできますが、ひび割れ・あかぎれに特化した塗り薬も市販されています。
ヒビケア軟膏【第三類医薬品】

ヒビケア軟膏αは皮膚の組織を修復する成分や、血行を促進する成分が配合されています。
皮膚に赤み・かゆみがある
皮膚に赤みやかゆみがある場合は、皮膚が炎症を起こしているおそれがあります。
ワセリンには炎症をおさえる効果がないため、保湿成分だけでなく抗炎症成分やかゆみ止め成分を一緒に配合した薬を使いましょう。
また、プツプツとした湿疹や水ぶくれがある場合はステロイド成分を配合した薬を使用することもあります。
ラシュリアPEクリーム【指定第二類医薬品】

ラシュリアPEクリームはステロイドの中でも副作用を起こしにくいアンテドラッグという種類のステロイド成分が使用されています。
年齢に関わらず使用することができ、湿疹や炎症をともなう手荒れ、皮膚のかゆみや赤み、腫れに効果をあらわします。
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