アセトアミノフェン配合の市販薬|他の解熱鎮痛剤との違いを解説
更新日:
薬剤師監修日:
解熱鎮痛成分であるアセトアミノフェンは、他の解熱鎮痛成分に比べて副作用が少なく、小さな子どもも使用することができる薬です。この記事では、アセトアミノフェン配合の解熱鎮痛剤をご紹介します。薬に含まれている成分の効果や、購入・服用時の注意点まで徹底解説します。

アセトアミノフェン配合の市販薬
アセトアミノフェンは痛みをやわらげたり熱を下げる薬で、風邪や生理痛、頭痛といった日常的な痛み止めや解熱など、幅広い用途で使用されています。
主な用途 |
・生理痛、頭痛 ・悪寒、発熱時の解熱 |
---|
この記事では、タイレノールAや処方薬のカロナールと同じ成分を配合している市販薬を紹介しています。
タイレノールA
タイレノールA 10錠【第二類医薬品】

対象年齢 | 有効成分 |
---|---|
15歳以上 |
アセトアミノフェン |
タイレノールAは15歳から服用でき、1錠中にアセトアミノフェンが300mg含まれています。
ラックル
ラックル 12錠(第2類医薬品)【第二類医薬品】

対象年齢 | 有効成分 |
---|---|
15歳以上 |
アセトアミノフェン |
ラックルは、1錠中にアセトアミノフェンを300mg配合しています。水にすぐ溶けるタイプの速溶錠です。口の中でかみくだくか、軽く口の中で溶かしてから水と一緒に服用します。
パッケージには「腰痛 神経痛に早く効く」と記載されていますが、他のアセトアミノフェン配合薬と同様に、発熱や頭痛などの症状にもお使いいただけます。
バファリンルナJ
バファリンルナJ【第二類医薬品】

対象年齢 | 有効成分 |
---|---|
7歳以上 |
アセトアミノフェン |
バファリンルナJは7歳から服用でき、子どもや授乳中の方でも安心して服用できることが最大の特徴です。妊娠中の方は、時期や状況によって服用の可否が異なるため、服用前に主治医に相談してください。
眠くなる成分が含まれておらず、水なしでも飲めるチュアブル錠のため、学校や仕事がある日でも安心して服用できます。
小児用バファリンCⅡ
小児用バファリンC2 16錠(第2類医薬品)【第二類医薬品】

対象年齢 | 有効成分 |
---|---|
3~14歳 |
アセトアミノフェン |
小児用バファリンCⅡは3歳から15歳未満の子ども専用の解熱鎮痛薬です。
眠くなる成分も含まれていないため、就学中の子どもでも安心して服用できます。
フルーツ味で飲みやすい小粒の錠剤です。
小児用バファリンチュアブル
小児用バファリンチュアブル 12錠(第2類医薬品)【第二類医薬品】

対象年齢 | 有効成分 |
---|---|
3~14歳 |
アセトアミノフェン |
小児用バファリンチュアブルは、錠剤を飲み込むのが苦手な子どもでも服用しやすいオレンジ味のチュアブル錠です。
かみくだくか、口の中で溶かして服用するため、水なしで服用できます。
眠くなる成分も含まれていないため、就学中の子どもでも安心して服用できます。
アセトアミノフェン+NSAIDs配合の市販薬
アセトアミノフェン配合の市販薬にはアセトアミノフェンのみの単剤だけでなく、NSAIDs(エヌセイズ)と呼ばれる他の成分も配合されている配合剤があります。
NSAIDsは解熱鎮痛成分のグループ
NSAIDs(エヌセイズ)とは解熱鎮痛成分の一部のグループのことを指します。アセトアミノフェンと同様に、様々な痛みや発熱に効く成分です。
解熱鎮痛成分 |
NSAIDs |
・アスピリン(アセチルサリチル酸) ・エテンザミド ・イブプロフェン ・ロキソプロフェンナトリウム水和物 など |
---|---|---|
- |
・アセトアミノフェン |
ノーシンアイ頭痛薬
ノーシンアイ頭痛薬 48錠(指定第2類医薬品)【指定第二類医薬品】

対象年齢 | 有効成分 |
---|---|
15歳以上 |
アセトアミノフェン |
ノーシンアイ頭痛薬は2つの鎮痛成分を配合しています。アセトアミノフェンとイブプロフェン(NSAIDs)が、「痛みのもと」と「痛みの伝達」の2つのポイントにアプローチします。
頭痛だけではなく生理痛などの鎮痛や、発熱時の解熱など、様々な用途で使用できます。眠くなる成分やカフェインが含まれていないため、仕事や家事などで休めない時も使いやすい薬です。
ハッキリエースa
ハッキリエース 15包(指定第2類医薬品)【指定第二類医薬品】

対象年齢 | 有効成分 |
---|---|
15歳以上 |
アセトアミノフェン |
ハッキリエースaにはアセトアミノフェンに加えて、NSAIDsのひとつであるエテンザミドが配合されています。また生薬成分であるシャクヤクエキスや、鎮痛作用を補助するカフェイン水和物を配合。早く溶けるさわやかな緑の顆粒が特徴です。
ノーシン散剤
ノーシン散剤 20包(指定第2類医薬品)【指定第二類医薬品】

対象年齢 | 有効成分 |
---|---|
15歳以上 |
エテンザミド |
ノーシン散剤は、ACE処方の3つの有効成分(アセトアミノフェン、エテンザミド、カフェイン水和物)を配合しています。眠くなる成分や習慣性のある成分は含まれていません。
アセトアミノフェンとNSAIDsの違い
一般的に「痛み止め」として処方・販売されている薬の多くは「NSAIDs(エヌセイズ/エヌセッズ)」という非ステロイド性の抗炎症薬に分類され、解熱や鎮痛、抗炎症作用を発揮します。
ロキソプロフェン・イブプロフェン・エテンザミドなどはNSAIDsに分類される薬です。
対してアセトアミノフェンは、解熱・鎮痛作用がありますが抗炎症作用はほとんどなく、NSAIDsには分類されていません。
アセトアミノフェンはNSAIDs服用の際に起こりうる胃腸障害や腎障害、NSAIDsに対する過敏症(喘息や蕁麻疹など)の副作用が少ない解熱鎮痛剤として知られています。比べて、NSAIDsに含まれるロキソプロフェンやイブプロフェンはアセトアミノフェンよりも鎮痛効果が高いと報告されています。
解熱鎮痛薬に含まれている主な成分
特徴 | |
---|---|
アセトアミノフェン |
・解熱、鎮痛作用あり ・抗炎症作用はない ・子ども、授乳中も使用できる |
NSAIDs |
・解熱や鎮痛、抗炎症作用が強い ・胃腸障害などの副作用がある |
カフェイン |
・眠気の防止 |
アリルイソプロピルアセチル尿素 |
・鎮静成分のひとつ ・眠気がでる可能性がある |
アセトアミノフェンの市販解熱鎮痛薬には上記の成分がよく含まれています。
強い効果を求める方はアセトアミノフェンと一緒にNSAIDsも配合されている薬がおすすめですが、効果よりも副作用のリスクを避けたい方はアセトアミノフェンのみが配合されている単剤を購入した方が良いでしょう。
購入・服用時に注意すべきこと
薬は含まれている成分によって適した体の状態が異なります。以下の方は成分によって使用できない場合もあるため注意してください。
アセトアミノフェン | NSAIDs (イブプロフェンの場合) |
カフェイン | |
---|---|---|---|
15歳未満 |
◯ |
× |
△ |
妊娠(前期) |
◯ |
△ |
△ |
妊娠(後期) |
△ |
× |
△ |
授乳中 |
◯ |
◯ |
× |
アスピリン喘息 |
◯ |
× |
◯ |
インフルエンザ |
◯ |
△ |
◯ |
胃腸が弱い方 |
◯ |
△ |
△ |
●15歳未満の子供
15歳未満の方はNSAIDsが含まれる薬は基本的に服用できません。アセトアミノフェン単剤の薬の場合でも必ず小児用の薬を購入してください。また、カフェインは興奮作用があることから小さなお子様の睡眠を妨害してしまうおそれもあるため、できるだけカフェインが含まれない市販薬を選びましょう。
●妊娠中、または妊娠している可能性のある方・授乳中の方
妊娠中の方が解熱鎮痛剤を使用する場合、基本的にはアセトアミノフェンのみが配合されている薬が第一選択薬となります。
ただし、妊娠後期では薬の成分が胎児に影響を与えるおそれもあるため、体調面や服用するにあたっての不安がある方は医師や薬剤師、登録販売者にご相談ください。
また、カフェインも過剰に摂取することで胎児の健康に悪影響となるおそれがあるため控えましょう。
●授乳中の方
授乳中の方はアセトアミノフェンやイブプロフェンを服用できます。ただし、NSAIDsに分類されるアスピリンは乳児に悪い影響を与える可能性があるため服用できません。薬を選ぶ際は注意してください。
また、カフェインは母乳に移行してしまうため、カフェインが配合されている薬は避けてください。やむを得ず使用する場合は、授乳を控えましょう。
●アスピリン喘息をお持ちの方
アスピリン喘息を患っている方はNSAIDsを服用することで喘息症状が誘発されるおそれがあります。そのため、NSAIDsが含まれている薬は避けた方が安全でしょう。
●インフルエンザ罹患中の方
インフルエンザに罹患中の方はNSAIDsがインフルエンザ脳症を誘発する危険性があるため、基本的にはアセトアミノフェンが第一選択薬となります。場合によってはNSAIDsを使用するケースもありますが、使用する場合は医師や薬剤師、登録販売者に相談する必要があります。まずはアセトアミノフェンの単剤を使用し、効果が現れない場合は医師に相談しましょう。
●胃腸が弱い方
NSAIDsやカフェインは胃腸障害をおこすおそれがあります。服用して胃腸の調子が悪くなった経験がある方はNSAIDsやカフェインが含まれている薬は避けた方が良いでしょう。
用法用量を守りましょう
アセトアミノフェンは比較的副作用の少ない薬ですが、服用量を誤ると肝臓機能の障害が起こる危険性があります。効果がなかなか出ないからといって、用法用量を守らず多量に服用するのはやめましょう。
ミナカラ薬局の薬剤師に相談する
小さなお子様や妊娠中・授乳中の方は、ご自身の体調などによっては服用の際に注意すべき成分が薬に入っている可能性があります。購入の際に薬剤師に相談するのが安心ですが、今回ご紹介した市販薬の購入先「ミナカラ薬局」では、薬の購入時・購入後に電話やメール、LINEチャットで薬剤師に相談することが可能です。ぜひご活用ください。
記事で紹介されている商品一覧
この記事は参考になりましたか?
関連記事
カロナールと同じ成分の市販薬|アセトアミノフェン配合の解熱鎮痛薬
カロナールは頭痛や生理痛、腰痛、筋肉痛、歯痛などの様々な痛みや発熱に対して処方される薬です。この記事では、子どもや妊娠中・授乳中の方でも使えるアセトアミノフェンの市販薬を紹介します。

タイレノールと同じ成分の市販薬|アセトアミノフェン配合の解熱鎮痛剤
タイレノールはアセトアミノフェンが配合されている解熱鎮痛剤です。アセトアミノフェンは副作用が比較的少ない成分であるため、タイレノールは服用しやすい薬の1つとなっています。この記事ではタイレノールと同じ成分(アセトアミノフェン)を含む市販薬について解説します。

コロナワクチン接種後の副反応に使える市販薬|薬の備えについて解説【3回目接種】
コロナワクチン接種後の痛みや発熱などの副反応に対して、厚生労働省では市販薬で対処できると公表しています。3回目の追加接種時にも副反応対策として市販薬を準備しておくと安心です。ファイザー・モデルナ・アストラゼネカ、どの製薬会社のワクチンでも市販薬の選び方に違いはありません。この記事では、痛みや発熱に使用できる解熱鎮痛薬(解熱剤)と、モデルナアームに使える塗り薬について解説しています。

カロナール(アセトアミノフェン)の頭痛や熱への効果は?|カロナール錠200/300/500の違い
カロナール錠200/300/500は解熱鎮痛剤によく使われる処方薬です。この記事では、使用中に関心が寄せられることの多い用法・用量、頭痛や熱に対する効果、ロキソニンと比較した効き目の強さについて解説します。

カロナール細粒の飲ませ方|子どもに苦い粉薬を飲ませる方法
苦い粉薬『カロナール細粒』はアイスや牛乳と一緒に飲むと苦みを感じにくくなります。オレンジジュースや乳酸菌飲料は苦みを感じやすくなるため注意が必要です。この記事では、子どもに苦い粉薬を飲ませる方法について解説します。

モデルナアームに使えるかゆみ止め薬|腕の腫れ・かゆみの対処法【3回目接種】
この記事では、モデルナアーム(COVIDアーム) の症状が現れたときの対処法を解説します。また、あわせてモデルナアームで皮膚の腫れやかゆみなどの症状が生じたときに使えるかゆみ止めの市販薬(塗り薬および飲み薬)を紹介します。
