虫刺されにリンデロンは使用できる?同じ成分の市販薬をピックアップ
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薬剤師監修日:
ステロイドの処方薬の1つにリンデロンがありますが、リンデロンは虫刺されにも使用することが可能です。しかし、リンデロンシリーズのステロイド配合薬は複数存在し、強さのランクによって使用できる部位が異なります。この記事ではリンデロンの種類と強さのランクについてや、同じ成分が配合された虫刺されに効く市販薬を紹介します!また、リンデロンの代わりに使用できる市販薬を紹介します。

虫刺されにリンデロン®は使っても良い?
虫刺されはかゆみとともに炎症が出ることが多く、皮膚を掻きむしって症状が悪化するケースが多いです。
強い炎症に効果を発揮するのがステロイド薬ですが、その中に1つにリンデロンという処方薬があります。
虫刺されにリンデロンは使用可能
虫刺されはステロイドを使用してなるべく早く治療したほうが良い場合があります。
かゆみや腫れが強い場合はもちろんステロイドを使用することが推奨されますが、皮膚症状が軽くても症状が悪化する前にステロイドを使用して早く治すことをおすすめします。
虫さされに効く市販薬に関しては次の記事で詳しく解説しています。
リンデロンの種類と強さ
ステロイド配合の塗り薬は強さによって上からストロンゲスト・ベリーストロング・ストロング・ミディアム・ウィークの5種類に分類されます。
5段階中上から2つのランクに該当するストロンゲストとベリーストロングは作用が非常に強く、医師・薬剤師の指導が必要なため、処方薬のみに配合される成分となっています。
処方薬のリンデロンには主に4種類の塗り薬があり、それぞれ成分とステロイドの強さが異なります。
処方薬名 | 成分 | |
---|---|---|
ストロンゲスト (最も強い) | なし | - |
ベリーストロング (非常に強い) | リンデロンDP | ベタメタゾンジプロピオン酸エステル |
ストロング (強い) | リンデロンV ・リンデロンVG | ベタメタゾン吉草酸エステル |
ミディアム (普通) | なし | - |
ウィーク (弱い) | リンデロンA | ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム |
●リンデロンDP
リンデロンの中でも最も作用が強いのがリンデロンDPで、ステロイドの強さはベリーストロングに分類されます。
主に手足や体幹といった部位に使用し、顔には使用しません。
●リンデロンV
リンデロンVはストロングランクに分類されるステロイド薬です。リンデロンDPは皮膚が薄い部位には使用できませんが、リンデロンVは強さのランクが1つ下がるため、顔を除く部位であれば、腹部など皮膚の薄い部分にも使用できます。
●リンデロンVG
リンデロンVと同じステロイド成分に加えて、抗生物質であるゲンタマイシン硫酸塩が配合されている薬です。細菌に対しても効果があるため化膿をともなう皮膚炎などに処方されます。
虫刺されは強いかゆみが原因で皮膚を搔き壊して悪化するケースが多いため、二次感染を防ぐためにも抗生物質が一緒に配合されているステロイド薬が処方されることがあります。
●リンデロンA
リンデロンAは正式には作用の強さのランク分けがされていませんが、目や耳、子供の顔周りにも使用できることからウィークタイプのステロイドと同等の強さがあることが推測できます。
抗生物質であるフラジオマイシン硫酸塩も一緒に配合されています。
リンデロンと同じステロイド成分を含む市販薬
市販薬の中にはリンデロンと同じ成分を配合している薬が販売されています。
以前に処方してもらったリンデロンと同成分の薬をお探しの方はこちらをご覧ください。
リンデロンVs軟膏・クリーム・ローション
リンデロンVsは処方薬のリンデロンVと同じ成分が同量配合されているスイッチOTC医薬品です。ステロイドの強さはリンデロンVと同じストロングです。
リンデロンVsには、軟膏・クリーム・ローション、3種類の剤形があります。
剤形によって、塗るのに適した箇所や患部の状態が異なるため、ご自身の症状に合ったものをお選びください。
ランク | 有効成分 | 特徴 |
ストロング |
ベタメタゾン吉草酸エステル |
・ステロイド単一成分 |
■リンデロンVs軟膏
リンデロンVs軟膏 10g【指定第二類医薬品】

リンデロンVs軟膏は、塗ったときのべたつきはあるものの、傷口にしみにくく、患部を保護する力に長けた軟膏タイプです。ジュクジュクタイプ、カサカサタイプ、どちらの状態の患部にも使用しやすい剤形です。
冬などで乾燥しやすいとき、刺激がない方がいいという方にもおすすめです。
■リンデロンVsクリーム
リンデロンVsクリーム 10g【指定第二類医薬品】

リンデロンVsクリームは、べたつきが少なく、伸びが良いクリームタイプです。カサカサした患部に使用しやすい剤形です。
ベタつきにくい使用感のため、夏場の使用にも適しています。
■リンデロンVsローション
リンデロンVsローション 10g【指定第二類医薬品】

リンデロンVsローションは、クリームよりさらにべたつきがないさらっとした使用感のローションタイプの薬です。軟膏やクリームが塗りにくい、頭皮など毛が生えている部分への使用に向いています。
ただし、刺激を感じることがあるため、傷がある部分には向いていません。
ベトネベートクリームS
ベトネベートクリームS 10G(指定第2類医薬品)【指定第二類医薬品】

ランク | 有効成分 | 特徴 |
ストロング |
ベタメタゾン吉草酸エステル |
・ステロイド単一成分 |
リンデロンVと同じステロイド成分であるベタメタゾン吉草酸エステルを配合した市販薬です。強い炎症をともなっている虫刺されに使えます。
べたつきが少なく、伸びが良いクリームタイプです。カサカサした患部に使用しやすい剤形です。
リンデロンと同じ強さのステロイド配合市販薬
リンデロンとは配合されているステロイドの成分は異なりますが、薬の強さが同じランクの市販薬をご紹介します。以下で紹介している市販薬は抗生物質が配合されているため、化膿してしまった虫刺されにおすすめの薬です。
リンデロンV・VGと同ランクのステロイド薬|ストロング
■フルコートf
フルコートf【指定第二類医薬品】

有効成分 | 特徴 |
フルオシノロンアセトニド フラジオマイシン硫酸塩 |
・掻き壊して化膿した患部に使用可能 |
ステロイド成分に加えて抗生物質であるフラジオマイシン硫酸塩を配合しているため、掻き壊して化膿した患部に効果を発揮します。市販薬の中では最も強いストロングランクのステロイドであるため、大人の方の身体にできた化膿している虫刺されに使用できます。
リンデロンAと同ランクのステロイド薬|ウィーク
■テラ・コートリル軟膏a
テラ・コートリル軟膏a 6g【指定第二類医薬品】

有効成分 | 特徴 |
ヒドロコルチゾン オキシテトラサイクリン塩酸塩 |
・掻き壊して化膿した患部に使用可能 |
ステロイド成分に加えて抗生物質であるオキシテトラサイクリン塩酸塩を配合。ウィークランクのステロイドで大人から子供まで使用できます。軟膏タイプなので患部をしっかりカバーし、刺激が少ないのもポイントです。
リンデロンの代わりに使える市販薬|ミディアムランク
ミディアムランクのステロイド薬は、大人も子供(顔・首を除く)も使用することができるステロイド薬です。ストロングよりも副作用の心配が低く、ウィークよりも作用が強い点で使いやすいランクです。
また、次の虫刺されは皮膚の炎症症状が強く出ることが多いため、ステロイド配合の塗り薬をおすすめします。
ステロイド配合の塗り薬を推奨する虫刺され |
---|
蜂、アブ、ブヨ、ダニ、毛虫、ムカデ、クラゲ |
ミディアムランクは子供の体や手足にも使用できるため、虫刺され対策の常備薬としてはミディアムランクの薬がおすすめです。
ラシュリアPEクリーム|ミディアムランク
ラシュリアPEクリーム【指定第二類医薬品】

特徴 |
|
ミディアムランクのステロイド配合市販薬であるラシュリアPEクリームは、ステロイド成分であるプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル以外にもさまざまな虫刺され症状に対応した成分が含まれています。
かゆみ止め成分リドカインや抗炎症成分プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルが虫刺され特有のかゆみや腫れを鎮め、殺菌成分イソプロピルメチルフェノールで掻き壊しによる化膿を予防します。
また、ビタミン成分であるトコフェロール酢酸エステルが皮膚の修復を助けます。
l-メントールは入っていないので、すーっとするのが苦手な方におすすめです。
病院を受診したほうがいいケース
虫刺されは基本的に市販の塗り薬でのケアが可能ですが、虫に刺された時に次の症状が出た場合はすぐに病院を受診してください。
◆ショック症状(体温の低下、血圧の低下、顔面蒼白など)が現れたとき
◆刺されてから15分以内にめまい、吐き気、呼吸困難などの症状が現れたとき
◆全身に蕁麻疹症状が現れたとき
◆腫れや赤みが強いとき
その他、症状に違和感があったり、広範囲(手のひら2枚分以上)、不安が残る場合も皮膚科を受診し、虫に刺されたときの状況や詳しい症状などを医師に伝えましょう。
またステロイドは長期の使用が禁止されているため、薬を使用して5〜6日間たっても治らない場合は病院を受診するようにしましょう。
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