口唇ヘルペスとは|市販薬で対処できる?
口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルスに感染することによって引き起こされる病気です。唇やその周りに水疱(水ぶくれ)ができるのが特徴で、痛みをともないます。
単純ヘルペスウイルスは一度感染すると症状が良くなった後も神経細胞に住み着きます。疲労やストレスなどで抵抗力が落ちるとウイルスが活発に活動し始め、再発を何度も繰り返す場合があります。
口唇ヘルペスは市販薬で対処が可能
口唇ヘルペスは市販薬での対処が可能ですが、それは過去に病院で口唇ヘルペスの診断を受けた方に限ります。口唇ヘルペスの市販薬を使用できるのは再発の場合のみです。
初めて口唇ヘルペスらしき症状が出たという方は、まずは病院へ行き、医師の診察を受けるようにしましょう。
口唇ヘルペスにステロイドの使用は厳禁
口唇ヘルペスに効果があるのは抗ウイルス成分が配合された治療薬です。
ステロイドにはウイルスを殺菌する効果はないため、口唇ヘルペスにステロイドを使用しても効果はありません。むしろ症状が悪化する危険性もあるため、口唇ヘルペスにステロイドは使用しないようにしましょう。
陰部周辺にできたヘルペス(性器ヘルペス)に効く薬は市販で売っている?
性器ヘルペスに効く薬は市販では売っていません。性器ヘルペスと疑われる症状があらわれた場合は、病院を受診しましょう。
■性器ヘルペスとは
性交渉などで感染し、性器やお尻などに水ぶくれや皮膚のただれができます。初めての発症では、激しい痛みや発熱をともなうこともあります。
口唇ヘルペスの市販薬(抗ウイルス薬)の選び方|内服薬はある?
皮膚科での口唇ヘルペスの治療は、抗ヘルペスウイルス薬の内服薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)を用いることが一般的です。ただし軽症の場合には、抗ヘルペスウイルス薬の塗り薬だけでの治療の場合もあります。
病院で処方される抗ヘルペスウイルス薬の塗り薬と、その成分は以下のとおりです。
処方薬 | 成分 | 市販薬の有無 |
---|---|---|
ゾビラックス軟膏5%・クリーム5% アシクロビル軟膏5%・クリーム5% |
アシクロビル | 〇 |
アラセナ-A軟膏3%・クリーム3% ビダラビン軟膏3%・ビダラビンクリーム3% |
ビダラビン | 〇 |
口唇ヘルペスに効く塗り薬は市販でも販売されており、過去に医師による口唇ヘルペスの診断・治療をうけた方のみ購入できます。
なお、口唇ヘルペスに効く市販の内服薬は、販売されていません。
塗り薬には軟膏タイプとクリームタイプがある
口唇ヘルペスに効く市販の塗り薬には、軟膏タイプとクリームタイプがあります。塗り広げやすさを重視する方はクリームタイプ、患部を保護したい方は軟膏タイプがおすすめです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
軟膏 | ・患部を保護する機能が高い ・刺激が少ない |
・べとつく |
クリーム | ・伸びがよく塗り拡げやすい ・ベトつかない |
・軟膏に比べると刺激が強い |
軟膏は薬が患部にとどまる性質が強いため、患部を保護することに優れた剤形になっています。ただし、使用感が若干べとつくため、苦手な方はクリームタイプがおすすめです。
クリームタイプは伸びが良いため、薬を塗り広げやすく、べとつかないことが特徴です。ただし、軟膏に比べて刺激が強いため、傷がある場合などにはしみることもあります。
成分の違いはある?
口唇ヘルペスの市販薬にはアクシロビルやビダラビンといった、ヘルペスウイルスに直接作用する抗ウイルス成分が配合されています。それぞれの成分に大きな違いはなく、どちらか一方の成分が優れている、といったこともありません。
口唇ヘルペスに効く市販薬(塗り薬)|子どもに使える薬も紹介
口唇ヘルペスに効く市販の塗り薬には、抗ウイルス成分(アシクロビル、ビダラビン)が配合された薬がありますが、成分の有効性における差はないため、各剤形の特性からご自身に合った薬を選びましょう。
商品画像 | 特徴 |
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・抗ウイルス成分|アシクロビル ・患部を保護することに優れた軟膏タイプ |
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・抗ウイルス成分|アシクロビル ・伸びがよくベタつきにくいクリームタイプ |
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・抗ウイルス成分|ビダラビン ・患部を保護することに優れた軟膏タイプ |
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・抗ウイルス成分|ビダラビン ・伸びがよくベタつきにくいクリームタイプ |
アクチビア軟膏|アシクロビル5%配合の軟膏
アクチビア軟膏 2g【第一類医薬品】
有効成分 | 用法用量 |
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アシクロビル | 1日3〜5回 患部に適量を塗布 |
アクチビア軟膏は、有効成分アシクロビルが5%配合された市販の塗り薬です。
添加物としてマクロゴールを配合した軟膏タイプで、患部をしっかりと保護します。
1日3〜5回の使用で口唇ヘルペスの原因となるウイルスに直接作用し、症状を改善します。
ヘルペシアクリーム|アシクロビル5%配合のクリーム
ヘルペシアクリーム【第一類医薬品】
有効成分 | 用法用量 |
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アシクロビル | 1日3〜5回 患部に適量を塗布 |
ヘルペシアクリームは、有効成分アシクロビルが5%配合された市販の塗り薬です。
クリームタイプの薬なので、塗り広げやすく、ベタつかない使用感です。
1日3〜5回の使用で口唇ヘルペスの原因となるウイルスに直接作用します。
アラセナS|ビダラビン3%配合の軟膏
アラセナS 2g【第一類医薬品】
有効成分 | 用法用量 |
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ビダラビン | 1日1〜4回 患部に適量を塗布 |
アラセナSは、有効成分ビダラビンが3%配合された市販の塗り薬です。
基剤にワセリンを使用した軟膏タイプで、刺激が少なく、患部をしっかりと保護します。
1日1〜4回の使用で口唇ヘルペスの原因となるウイルスに直接作用し、症状を改善します。
アラセナSクリーム|ビダラビン3%配合のクリーム
アラセナSクリーム 2g【第一類医薬品】
有効成分 | 用法用量 |
---|---|
ビダラビン | 1日1〜4回 患部に適量を塗布 |
アラセナSクリームは、有効成分ビダラビンが3%配合された市販の塗り薬です。
クリームタイプで塗っても目立ちにくいのが特徴です。軟膏特有のテカリが気になる方や、人に会うのに薬の塗り跡を目立たせたくない方におすすめです。
1日1〜4回の使用で口唇ヘルペスの原因となるウイルスに直接作用し、症状を改善します。
ミナカラは第一類医薬品の購入が簡単
口唇ヘルペスの再発治療薬は第一類医薬品に該当します。ネット通販で第一類医薬品を購入する場合、通常は質問に答えた後、薬剤師から送られてくるメールを再度お客様が確認し、承諾をする作業が必要となりますが、ミナカラの場合は問診項目に答えるだけで第一類医薬品を購入することが可能です。
もちろん、お客様側で薬剤師に質問をしたい場合は問診に引き続き薬剤師とのやり取りが可能です。問診項目に不備があったり、質問が発生する場合はミナカラから再度ご連絡をさせて頂きます。
口唇ヘルペスが再発した際の日常生活の注意点
口唇ヘルペスが再発した際は、症状を悪化させないこと、周りにうつさないことが大切です。
症状を悪化させない
症状を悪化させないためには、患部を清潔に保つ、患部への刺激を避けることが大切です。
患部をやさしく洗う、メイク等をするときは患部を避けて刺激しないなどして、症状を悪化させないようにしましょう。
また、患部にできたかさぶたをムリにとることはやめましょう。ムリにかさぶたをとると、傷跡が残るおそれがあります。
周りの人にうつさない
水ぶくれの中には多くのウイルスが含まれています。
口唇ヘルペスが再発したときは、タオルやコップ等の共有を避ける、患部にふれた後は手をしっかりと洗うなどして、周りの人にうつさないようにしましょう。
なお、赤ちゃんにうつると、重い症状をおこすおそれがあるため、とくに注意が必要です。
口唇ヘルペスを再発させないための対処法
口唇ヘルペスは再発しやすい病気です。再発を予防するためにも日常生活において次のことに注意しましょう。
睡眠を沢山取る
口唇ヘルペスは疲労で抵抗力が弱まると再発するリスクが高くなります。毎日しっかりと睡眠を取り、規則正しい生活を心がけてください。
ストレスをためない
口唇ヘルペスはストレスも再発の原因となります。難しいかもしれませんが、なるべくストレスを感じる環境を避けること、またストレスを解消する方法を自分なりに見つけておくと良いでしょう。
強い紫外線を避ける
強い紫外線は皮膚の抵抗力を下げるため、夏のレジャーの後に口唇ヘルペスを再発することがあります。UV効果のあるリップを塗るなどして、紫外線を避けるようにしましょう。
生理前は要注意
女性は生理前になるとホルモンバランスの乱れによって、口唇ヘルペスを再発するリスクが高くなります。生理前はいつも以上に生活習慣等に気を配るようにしてください。
口唇ヘルペスの原因・症状・治療方法
口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)が原因で発症します。単純ヘルペスウイルスにはHSV-1とHSV−2の2種類があり、HSV−1が口唇ヘルペスの原因になることが多いです。
ヘルペスウイルスは一度感染すると、休眠または潜伏状態で体にとどまるため、睡眠不足やストレスなどで抵抗力が低下すると、ウイルスが活性化し再び症状があらわれることがあります。
種類 | 特徴 |
---|---|
HSV−1 | 唇にできるヘルペス(口唇ヘルペス)、目の角膜にできる潰瘍(単純ヘルペス角膜炎)の原因になることが多い |
HSV−2 | 性器ヘルペスの原因となることが多い。ただしHSV−1が原因で性器ヘルペスを引き起こすこともある |
口唇ヘルペスの症状
口唇ヘルペスを発症すると、唇やその周りに痛みのある水疱があらわます。水疱があられる前にチクチク・ピリピリという違和感を感じることもあります。
水疱がやぶれるとかさぶたになり、かさぶたは5〜10日ほどで取れて治ります。
なお、口唇ヘルペスを発症しても、チクチク・ピリピリという違和感と赤い腫れだけで、水疱ができない場合もあります。
口唇ヘルペスの治療方法|皮膚科では内服薬での治療が一般的
口唇ヘルペスの治療はなるべく早めのほうがよく、チクチク感や不快感が現れてすぐ、水疱が現れていないうちに治療をはじめるのが効果的です。
皮膚科では、抗ヘルペスウイルス薬の内服薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)での治療が一般的です。抗ヘルペスウイルス薬にはウイルスの増殖をおさえる効果があります。
軽症の場合には、抗ヘルペスウイルス薬の塗り薬だけでの治療の場合もあります。なお、塗り薬は市販でも販売されており、医師による口唇ヘルペスの診断・治療をうけた方のみ購入できます。
はじめて口唇ヘルペスと疑われる症状があらわれた場合は、皮膚科を受診しましょう。
頭皮にもヘルペスは感染する?
単純ヘルペスウイルスは、口唇や性器、顔面に感染することが多いですが、頭皮にも感染することがあります。