あせもに効くステロイド無配合の市販薬|首や脇の汗疹にも使える
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薬剤師監修日:
あせもの市販薬は大きく分けて、ステロイドが配合されたものと、そうでないものがあります。この記事では、首や脇、顔、デリケートゾーンのあせもにも使用できるステロイド無配合の市販薬を紹介します。

あせもにステロイドを使いたくない方に
あせもの市販薬は大きく分けて、ステロイドが配合されたものと、そうでないものがあります。
特徴 | |
---|---|
ステロイド配合薬 |
・かゆみや炎症をおさえる効果が強い ・悪化する前に早めに治す ・種類によって使用できる年齢と部位が異なる |
ステロイド無配合薬 |
・年齢や部位問わず全身に使用可能 ・ステロイドに比べて効果は穏やか |
あせもは、かゆみによって皮膚を掻きこわすと、症状が悪化するおそれがあります。そのため、基本的にはステロイドが配合された外用薬をおすすめします。
ただし、肌が弱かったり、過去にステロイドで副作用が出たことがある場合や、小さなお子様にどうしてもステロイドを使いたくない場合など、人によってはステロイドを避けたい理由がある方もいるでしょう。その場合は、ステロイド無配合薬の使用を検討してみましょう。
症状が軽めであればステロイド無配合でもOK
あせもの症状が比較的軽い場合は、ステロイド無配合の市販薬でも問題ありません。かゆみ止めや抗炎症成分が入った塗り薬を選びましょう。また、お子様がかゆみを我慢できず、皮膚を掻きこわしてしまう心配がある場合は、化膿を予防する効果がある殺菌成分配合の薬を選びましょう。
顔や首、脇などはステロイド無配合の薬がおすすめ
身体の部位の中でも顔や首、脇などは皮膚が薄く、薬の種類によってはステロイド配合薬が使用できない場合があります。ステロイド無配合の塗り薬は、基本的に年齢問わず、全身に使用ができるものが殆どなので、顔や首、脇などのあせもにも使用ができます。
症状が重い場合は病院へ
ステロイド無配合の塗り薬は、年齢や身体の部位を問わず使用ができるのがメリットですが、効果が比較的弱いことがデメリットです。かゆみの症状があまりにも強かったり、痛みや腫れの症状が出てしまっている場合は、ステロイド無配合薬では対処しきれないことがあります。
あせもの症状が重く、市販のステロイド薬を使いたくない!という方は、病院を受診するようにしましょう。
あせもに効く市販薬の選び方:ステロイド無配合
あせもに効くステロイド無配合の塗り薬を選ぶ際は、まず成分に注目しましょう。あせもの主な症状はかゆみです。かゆみによって皮膚を掻きこわして悪化することを防ぐ必要があるため、かゆみ止め成分が配合された薬を選びましょう。
【かゆみをおさえる成分】
分類 | 主な成分 |
---|---|
鎮痒成分 |
クロタミトン など |
抗ヒスタミン成分 |
ジフェンヒドラミン など |
局所麻酔成分 |
リドカイン など |
かゆみ止めの市販薬は大きく分けて局所麻酔成分が入っているものと、入っていないものに分けられます。局所麻酔成分は神経を一時的に麻痺させて、かゆみを感じることを止める成分です。「あせもがかゆくて夜眠れない」などといった強いかゆみに悩んでいる方は、局所麻酔成分が入っている市販薬を、かゆみがそこまで強くない方は局所麻酔成分無配合のものを選ぶと良いでしょう。
【その他の成分】
あせもはかゆみ以外には皮膚の赤みや腫れといった炎症症状が出る場合があります。また、皮膚を掻きこわして傷口から細菌が感染するのを防ぐことも重要です。
そのためあせもに使用する市販薬は、かゆみ止め成分以外にも次の成分も配合された薬を選ぶのもよいでしょう。
分類 | 主な成分 |
---|---|
抗炎症成分 |
グリチルレチン酸 など |
殺菌消毒成分 |
イソプロピルメチルフェノール など |
皮膚修復作用 |
トコフェロール酢酸エステル、アラントイン など |
清涼成分 |
l-メントール など |
これらの成分には次のような特徴があります。ご自身の症状に合わせて成分から薬を選ぶと良いでしょう。
- 抗炎症成分:炎症をおさえる
- 殺菌消毒成分:傷口から細菌が感染することによる化膿を防ぐ
- 皮膚修復作用:傷ついた皮膚が修復するのを助ける
- 清涼成分:爽やかな清涼感をあたえる
あせもにおすすめの剤形
あせもに使用する市販薬を選ぶ際に判断基準となるものとして、成分の他に剤形があります。あせもの市販薬にはさまざまな剤形の薬が販売されていますが、代表的な剤形を3つご紹介します。
剤形 | メリット | デメリット |
---|---|---|
クリーム |
・伸びがよく塗りやすい ・軟膏よりもベタつきにくい |
・軟膏に比べて刺激が強い |
軟膏 |
・患部を保護する機能が強い ・刺激が少ない |
・クリームよりもベタつく |
液体 |
・さらっとした使用感 ・薬が浸透しやすい |
・刺激が強くしみやすい |
軟膏は刺激が少なく皮膚保護作用が高いのが特徴ですが、あせもは夏にできることが多いため、べたつきやすい軟膏は使いづらいと感じる方もいます。液体は広い患部に塗り広げやすくさらっとした使用感ですが、他の剤形に比べて刺激が強く、炎症が強いあせもに使うとしみる場合があります。クリーム剤は、液体よりも刺激が少なく、軟膏よりも伸びがよくべたつきにくいところが使いやすい剤形ですが、軟膏よりも刺激が強いのがデメリットです。
クリーム、軟膏、液体にはそれぞれにメリット・デメリットがあるため、使用する方の症状や好み、状況に合わせて剤形を選択しましょう。
あせもに効くステロイド無配合の市販薬
ステロイド無配合のあせもに効く薬を紹介します。
かゆみ止め成分以外にもさまざまな成分を含み、部位や年齢を問わず使用できます。
自分に合った成分・剤形を確認して選びましょう。
日本初!※購入後に薬剤師に相談できるあせも薬
デリナースクール【第二類医薬品】

剤形 | クリーム |
かゆみ止め成分 |
◯ |
清涼成分 |
◯ |
殺菌成分 |
◯ |
肌の修復成分 |
◯ |
アフターフォローの有無 |
◯ |
有効成分 |
リドカイン ジフェンヒドラミン塩酸塩 イソプロピルメチルフェノール 酢酸トコフェロール l-メントール |
非ステロイド性クリームのあせも薬です。
かゆみ止め成分のジフェンヒドラミン塩酸塩に加えてリドカインが配合されており、強いかゆみを鎮めます。殺菌成分が掻きこわしによる細菌感染を予防し、皮膚を清潔に保ちます。
さらに清涼成分であるl-メントールが配合されているため、スーッとした清涼感を好む方におすすめです。
また、商品に添付してあるQRコードを読み込むことで薬剤師へ無料相談することが可能。薬を使用するうえでの心配事も薬剤師に相談ができるので、薬の使用をサポートしてもらえるのも嬉しいポイントです。
※当社調べ
2種の皮膚修復成分配合
オイラックスソフト 16g【第三類医薬品】

剤形 | クリーム |
かゆみ止め成分 |
◯ |
清涼成分 | - |
殺菌成分 |
◯ |
肌の修復成分 |
◯ |
アフターフォローの有無 | - |
有効成分 |
クロタミトン ジフェンヒドラミン塩酸塩 グリチルレチン酸 アラントイン イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル |
かゆみ止め成分や抗炎症成分によりあせものかゆみや炎症を鎮めるとともに、アラントインやビタミン成分のトコフェロール酢酸エステルにより皮膚の修復を助けます。
クリームタイプで広範囲のあせもにも塗り広げやすく、しっとりとした使い心地です。
さらっと使える液体タイプ
ペンソールH 40ML(第2類医薬品)【第二類医薬品】

剤形 | 液体 |
かゆみ止め成分 |
◯ |
清涼成分 |
◯ |
殺菌成分 | - |
肌の修復成分 | - |
アフターフォローの有無 | - |
有効成分 |
ジフェンヒドラミン塩酸塩 ジブカイン塩酸塩 dl-カンフル l-メントール グリチルレチン酸 |
2種のかゆみ止め成分を配合しており、強いかゆみを鎮めます。液体タイプで清涼成分が含まれているためスーッとした使い心地です。夏場でもべたつかず速乾性があり爽やかに使用することができます。
手が汚れないパウダースプレー
アセモアパウダースプレー 40G(第2類医薬品)【第二類医薬品】

剤形 | パウダースプレー |
かゆみ止め成分 |
◯ |
清涼成分 | - |
殺菌成分 |
◯ |
肌の修復成分 | - |
アフターフォローの有無 | - |
有効成分 |
ジフェンヒドラミン リドカイン ベンゼトニウム塩化物 酸化亜鉛 |
ステロイド無配合のアセモアはジフェンヒドラミン、リドカインといった2種のかゆみ止め成分を配合し、あせもによるかゆみを鎮めます。また、化膿を予防する殺菌成分のベンゼトニウム塩化物も含み、あせもが悪化するのを防止します。
パウダースプレータイプなので手が汚れる心配がなく、サラサラした使い心地です。
シートタイプのあせも薬
メソッドシート【第三類医薬品】

剤形 | シート |
かゆみ止め成分 |
◯ |
清涼成分 | - |
殺菌成分 | - |
肌の修復成分 |
◯ |
アフターフォローの有無 | - |
有効成分 |
ジフェンヒドラミン塩酸塩 グリチルリチン酸二カリウム アラントイン |
患部を拭いてかゆみを鎮めるシートタイプの市販薬です。
あせもの原因となる汗や汚れなどを拭き取りながら、かゆみ止め成分や抗炎症成分が患部に塗布され有効成分が浸透します。
また、アラントインが傷ついた皮膚の修復に役立ちます。
個包装タイプのため外出時の携帯にも便利です。
あせもの予防・対策方法
あせもをケアする際は、薬に頼るだけではなく、生活でも皮膚を清潔に保ち、通気性を良くすることを心がける必要があります。
皮膚を清潔に保ちましょう
汗がべたついたままでいると、汗を皮ふまで送る細い管(汗腺導管)が詰まりやすくなります。あせもが再発するリスクが高くなるため、毎日シャワーで汗を洗い流したり、お風呂に入るようにしましょう。
汗を拭き取るときは強く拭きすぎると皮膚を傷つけるおそれがあるため、優しく拭き取るようにしましょう。
お風呂上がりに保湿剤を塗る
肌が乾燥していると皮膚を外的刺激から守るバリア機能が低下し、あせもになりやすくなります。お風呂上がりには保湿剤を塗って肌を守り、肌が元々持っているバリア機能をサポートしましょう。
ヒルマイルドローション 30g【第二類医薬品】

ヒルマイルドローションは、ヘパリン類似物質が配合された保湿剤です。乾皮症や小児の乾燥性皮ふなどに適応があり、肌が乾燥がちのときに使用することもできます。
さらっと伸びるローションタイプです。クリームよりも比較的べたつきが少なく伸びが良いため、広範囲に使用する場合に適しています。
通気性・速乾性の良い衣服を着る
仕事や運動などの用途別に、通気性が良い素材の衣服を選ぶようにしましょう。
通気性が良い素材には、綿や麻などの天然繊維のものがあります。吸湿性があり、日常の中で発生する汗を吸収するのに適しています。
ただし、運動など大量に汗をかく場合は、綿や麻ではなくポリエステルやナイロンなどの合成繊維などが適していることもあります。綿や麻は速乾性が少なく大量の汗を吸ってしまうと重くなってしまうのに対し、ポリエステルやナイロンなどは軽量かつ速乾性に優れています。
また、汗をかいて衣類が濡れているときは、こまめに着替えることも必要です。運動や仕事などで汗を多くかきやすい場合は、着替えを持参することもおすすめします。
日焼け対策をする
日焼けによって肌がダメージを受け、バリア機能が低下すると、あせも再発のきっかけになることがあります。アームカバーや日焼け止めなどの日焼け対策をすることで、肌へのダメージを軽減させ、あせもを防ぐことにつながります。
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