しみ・そばかすに効く市販薬|飲み薬で内側から改善
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薬剤師監修日:
既に出来てしまったしみ・そばかすは市販薬で改善することができます。この記事では、しみ・そばかすの種類とそれぞれに効く成分について解説し、あわせてしみ・そばかすに効くおすすめの市販薬を紹介します。また、しみに効く塗り薬があるのかについても説明します。

出来てしまったしみ・そばかすに効く市販薬の選び方
既に出来てしまったしみ・そばかすに効く市販薬は、有効成分や内容量、服用回数といった点を基準にして選びましょう。
成分で選ぶ|肝斑に効く薬はトラネキサム酸を
しみのなかでも肝斑は、トラネキサム酸が含まれた薬を選ぶようにしましょう。
肝斑は、両頬に左右対称に広がってできる薄茶色のしみの一種です。
トラネキサム酸は、病院で抗炎症作用や止血作用などを利用して使われていますが、肝斑を改善する効果もあると認められている成分です。
肝斑に効くトラネキサム酸を配合した市販薬について、詳しくは別記事で解説しています。
既に出来てしまったしみが肝斑以外の場合は、次の成分が配合された薬を選びましょう。
働き | |
---|---|
ビタミンC (アスコルビン酸) |
既に肌に沈着したメラニン色素を無色化し、新しいメラニン色素の沈着を緩和する。 |
L-システイン | アミノ酸の一種。 メラニン色素の生成をおさえ、体外へ排出する働きをうながす。 |
ビタミンB2 | 皮膚・粘膜の正常な働きを助ける。 |
ビタミンB6 | 皮膚や粘膜の正常な働きに加え、たんぱく質からのエネルギーの産生を助ける。 |
ビタミンE | 血行を促進し、新陳代謝を活発にすることでメラニンの排出をサポートする。 ビタミンCと一緒に摂取することで相乗効果が得られる。 |
内容量や服用回数で選ぶ
薬によって内容量や服用回数が異なります。
内容量については、しみ・そばかすの改善には時間がかかるため、薬を選ぶ際は容量が半月分ではなく1か月分以上のものを選ぶことをおすすめします。
服用量は、たとえば薬を飲む回数をなるべく減らしたい方は、1日の服用回数が少ない薬を選ぶなど、ご自身のライフスタイルに合わせて薬を選ぶのもよいでしょう。
効能・効果で選ぶ
しみ・そばかすに効く薬を選ぶときは、必ず効能・効果の欄に「しみ」「そばかす」の記載がある薬を選びましょう。
たとえ適切な成分が配合されていても、成分の配合量が異なるなどでしみやそばかすに効果がない場合があります。
しみ・そばかすに効く市販薬
しみの原因は、主に肌に沈着したメラニン色素です。メラニンは、紫外線を浴びることによって、肌の奥にあるメラノサイトという細胞から生成されます。
既に出来てしまったしみ・そばかすは、市販薬によって過剰なメラニンの生成を抑制したり、沈着したメラニン色素を体外へ排出することで、薄く目立たなくする効果が期待できます。
しみ・そばかすに効く市販薬は、成分や内容量、服用回数を参考に、ご自身に合った薬を選びましょう。
ホワイティフル|5つの有効成分
ホワイティフル 180錠【第三類医薬品】

成分 | 分量(6錠中) |
---|---|
アスコルビン酸(ビタミンC) | 1000mg |
L-システイン | 240mg |
リボフラビン(ビタミンB2) | 6mg |
ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6) | 12mg |
コハク酸d-α-トコフェロール (天然型ビタミンE) |
50mg |
内容量(15歳以上の場合) | 1日の服用回数 |
---|---|
30日分 | 2回 |
ビタミンCとL-システインが協力して肌に沈着したメラニンを無色化し、新しいメラニンの生成を抑制します。ビタミンB2とB6が皮膚や粘膜の正常な働きを助け、ビタミンEが血行を良くします。
パウチ型で持ち運びやすく、朝晩1日2回の服用で済みます。
ハイチオールCホワイティア|シンプル処方
ハイチオールCホワイティア 120錠【第三類医薬品】

成分 | 分量(4錠中) |
---|---|
L-システイン | 240mg |
アスコルビン酸(ビタミンC) | 500mg |
パントテン酸カルシウム | 30mg |
内容量(15歳以上の場合) | 1日の服用回数 |
---|---|
30日分 | 2回 |
ビタミンCとL-システインが肌に沈着したメラニンの無色化、新しいメラニンの生成の抑制、肌のターンオーバーの正常化、角質の排出といったさまざまな効果を発揮します。
さらに、パントテン酸カルシウムが皮膚や粘膜の正常な働きを助けます。
トランシーノホワイトCクリア|大容量タイプ
トランシーノホワイトCクリア 240錠【第三類医薬品】

成分 | 分量(4錠中) |
---|---|
L-システイン | 240mg |
アスコルビン酸(ビタミンC) | 1000mg |
コハク酸d-α-トコフェロール (天然型ビタミンE) |
50mg |
リボフラビン(ビタミンB2) | 6mg |
ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6) | 12mg |
ニコチン酸アミド(ビタミンB3) | 60mg |
内容量(15歳以上の場合) | 1日の服用回数 |
---|---|
60日分 | 2回 |
ビタミンCやL-システインが過剰に作られたメラニンを無色化し、肌のターンオーバーを促進します。また、皮膚の新陳代謝を促進し、メラニンの排出に効果を発揮します。
加えて、4種のビタミン(E・B2・B6・B3)がすこやかな肌に導きながら、しみケアをサポートします。
大容量タイプで約2か月間使用できます。
しみ・そばかすに効く塗り薬はある?
しみ・そばかす対策として市販されているクリームなどの製品は、多くが医薬部外品で薬ではありません。そのため、しみを予防する効果は認められていますが、すでにできてしまったしみに対する効果は認められていません。
既に出来てしまったしみに対しては、この記事で紹介した飲み薬などを使用し、まだしみが出来ていない場合は予防としてクリームなどの製品を使用することをおすすめします。
しみの予防方法について詳しくは以下の記事で解説しています。
飲み薬を使用している間はコンシーラーで隠すのもあり
飲み薬でしみやそばかすを改善するには少し時間がかかります。
薬を使用している期間もしみやそばかすが気になる場合は、美白ケアができるコンシーラーを試してみるのもおすすめです。
トランシーノ薬用ホワイトニングUVコンシーラー
しみ・そばかすに効く飲み薬|シナール
しみ・そばかすに効果のある処方薬のひとつに、シナールという薬があります。
シナールは、病気や妊娠・授乳中のビタミンの補給のほか、メラニン色素の形成をおさえ、炎症後の色素沈着の改善にも用いられる処方薬です。
ただし、しみ・そばかすに対して処方される場合は、美容目的のため、保険が適用されず、自費となります。
成分は『アスコルビン酸』と『パントテン酸カルシウム』
シナールの成分は、『アスコルビン酸』と『パントテン酸カルシウム』です。
アスコルビン酸(別名ビタミンC)には、抗酸化作用があります。
パントテン酸カルシウムはビタミンB5とも呼ばれ、多くの食品に含まれており、皮膚や粘膜の正常な働きを助けます。
また、少量のパントテン酸カルシウムをビタミンCと同時に服用すると、単独服用時より血中のビタミンC濃度が高まると報告されています。
シナールと同じ薬は市販されている?
シナールと同じ有効成分の市販薬は、販売されています。ただし市販薬は、成分の含有量が異なるなどの違いはあります。
シナールの処方薬と市販薬の違いや、シナールの代わりに使える市販薬については、こちらの記事で詳しく解説しています。
処方薬のシナール|オンライン診療での処方も
シナールについて、病院での処方をご希望の場合や、「毎日忙しくて病院に行く時間がない!」という方は、診察から薬の受け取りまでスマホ・PCを通じてシナールを処方してもらうこともできます。
ただし、医師の判断により、検査や対面診療が必要となる場合もあるため、処方可能かどうかオンライン診療を受ける予定の病院にあらかじめ確認しておきましょう。
しみの種類と見分け方
しみは、いくつかの種類に分けられており、代表的なしみは以下の4つに大別されます。
しみの種類 |
・老人性色素斑 |
---|
老人性色素斑
老人性色素斑は、最も一般的なしみです。長年浴び続けた紫外線により皮膚がダメージを受け、しみの原因物質であるメラニンが過剰に生成されるとともに、体外へ排出する力が弱まることによってしみになります。
日光黒子と呼ばれることもあります。
そばかす(雀卵斑)
そばかすは、しみの一種で雀卵斑(じゃくらんはん)とも呼ばれ、紫外線や遺伝が原因であると考えられています。
3歳以降にできはじめ、思春期に最も目立つようになるのが特徴です。
そばかすの特徴は、鼻から頰にかけて一つ一つのしみの大きさが粒状に小さいところです。
炎症後色素沈着
炎症後色素沈着は、にきびや怪我、やけどや虫刺されなどの外的な刺激によって引き起こされる症状です。
皮膚が外的な刺激によって炎症を起こすとメラニンが生成されます。通常は肌のターンオーバーによりメラニンも排出されますが、ターンオーバーの異常などにより正常に排出されなかった場合にしみとして残ります。
しみと正常な皮膚の境界はわかりにくく、色調にもムラが出ることもあります。
時間の経過とともに自然に消えることもあります。
炎症後色素沈着に効果のある市販薬や詳細については以下の記事で解説しています。
肝斑
肝斑は、女性ホルモンのバランスが乱れることによって生じると考えられています。
多くの場合、額や頬骨の上あたりにもやもやと広がり、左右対称にあらわれるのが特徴です。
肝斑は、誰にでもできる可能性はありますが、比較的30〜40代の女性に多く、妊娠や経口避妊薬の服用をきっかけにできるケースが多いです。逆に閉経後には薄く、目立ちにくくなります。
しみ・そばかすに効く市販薬に関するQ&A
Q 飲み薬と塗り薬どちらの方がよいですか?
A すでに出来てしまったしみ・そばかすには、飲み薬を選びましょう。
塗るタイプはクリームなどがありますが、医薬部外品であって薬ではありません。しみ・そばかすの予防には使えますが、今あるしみ・そばかすを改善する効果はありません。
Q シミに効くビタミンは何ですか?食べ物は何がいいですか?
A シミ対策におすすめの栄養素は、ビタミンC・E・B2・B6のほか、L-システイン、リコピン、イソフラボンなどもあります。
それぞれの栄養素を多く含む食べ物は、次の通りです。ただし、これらに偏って摂取するのではなく、栄養素を多く含む食材を意識的に摂取しつつ、栄養バランスのとれた食生活を心がけましょう。
成分 | 代表的な食べ物 |
---|---|
ビタミンC | オレンジ、レモン、グレープフルーツ、赤ピーマン、ブロッコリー など |
ビタミンE | アーモンド、ピーナツ、ひまわり油、ほうれん草、アボカド、ブロッコリー など |
ビタミンB2 | レバー、納豆、のり、アボカド、グリーンアスパラガス、そら豆(ゆで) など |
ビタミンB6 | レバー、サバ、バナナ、玄米ご飯、マグロ、カツオ など |
L-システイン | 大豆、卵、数の子、にしん、ホタテ など |
リコピン | トマト、トマトジュース、金時人参、すいか、柿、あんず など |
イソフラボン | 大豆、豆腐、豆乳、きな粉、納豆、油揚げ など |
それぞれの栄養素がしみ対策に役立つ理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。
Q どのくらい飲んだら効果が出ますか?
A 症状や体質、体の状態などによって異なりますが、1か月を目安に服用しても効果が感じられない場合は、服用を中止し医師・薬剤師に相談してください。
効果を実感されている場合は、1か月を超えて飲み続けることもできます。
肌のターンオーバーの周期は、年齢や肌の状態にもよりますが、30〜45日程かかると考えられているため、飲み続けることで、しみ・そばかすを緩和する効果が期待できます。
Q 妊娠中・授乳中も飲めますか?
A この記事で紹介している薬は、妊娠中・授乳中も服用することができます。ただし、薬によっては、注意が必要なものもあるため、添付文書をご確認ください。
妊娠中や出産後は、ホルモンバランスが変化することで、一時的に黒色メラニンの生成が高まると考えられており、シミが増えることがあります。
特に妊娠中の方が服用する場合は、かかりつけ医に服用している旨をお伝えしておくと安心です。
しみ・そばかすを改善する方法
普段の生活の中でできる、しみ・そばかすを改善するための方法について解説します。出来てしまったしみを薄くし、新しくしみを作らないように気を付けましょう。
紫外線を防ぐ
紫外線はしみの原因のひとつです。紫外線は日差しの強い夏だけでなく、1年に渡って影響を及ぼします。
日焼け止めや日傘などを使って紫外線を防ぎましょう。できるだけ長袖を着用し肌の露出を減らすと効果的です。
肌を保湿する
肌が乾燥していると、紫外線によるダメージを受けやすくなってしまいます。毎日の洗顔後に保湿剤などで保湿するようにしましょう。
顔以外でも保湿剤を利用するとより効果的です。
ストレスを溜めない
ストレスは肌の老化の原因となる活性酸素を増やします。しみだけでなく、しわなどの原因にもなるため注意しましょう。
また、ストレスは女性ホルモンのバランスを乱し、肝斑の悪化原因にもなります。運動や趣味など自分にあったストレス解消法を見つけてください。
睡眠をしっかりとる
睡眠不足は肌にとって良いことはありません。規則正しい生活習慣は活性酸素の増加を抑え、肌のターンオーバーを促し、女性ホルモンのバランスを整えます。
休日についしてしまう夜更かしが睡眠のリズムを崩し、睡眠不足の原因となるため注意しましょう。
毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることを心がけると体内時計が調整され、規則正しい睡眠のリズムを作ることができます。
継続することが大切
しみ・そばかす対策は継続することが大切です。一度できてしまったしみは、薬を使えばすぐに消えるというものではありません。
紫外線予防や規則正しい生活習慣、そして、しみ・そばかすに効果がある飲み薬の服用を継続して行うことで、しみを薄く目立たなくすることができます。
皮膚科で相談する
市販薬でしみ・そばかすを薄く目立たなくすることができますが、完全に消すことはできません。
市販薬を使用しても満足できる効果が感じられない場合は、レーザー治療などもあるため、皮膚科でご相談いただくことをおすすめします。
ミナカラ薬局の薬剤師に相談する
薬について相談したいことがあったり、心配や不安がある方は、ミナカラ薬局の薬剤師相談をご利用ください。
ミナカラ薬局では薬剤師にLINEで相談をすることができ、それぞれのお悩みに対応します。
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