硬くなった皮膚・角化症に効く市販薬|ひざ・くるぶし・かかと・ひじ
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薬剤師監修日:
外的な刺激やターンオーバーの乱れなどによって、皮膚がガサガサしてしまったり、角質が硬く、厚くなったりする症状を『角化症』といいます。この記事ではひざ・くるぶし・かかと・ひじの角化症、手指の荒れに効く市販薬の選び方について解説しています。

硬くなった皮膚・角化症の対処法
外的な刺激やターンオーバーの乱れなどによって、かかとなどの皮膚は乾燥し、硬く、厚くなってしまいます。このように皮膚が厚く硬くなったり、ガサガサしたりする症状を角化症といいます。角化症の原因はさまざまで、遺伝によるものと、外部からの刺激によって引き起こされるものがあります。
角化症の自分でできる対処法や病院での治し方について解説します。
市販薬でケアする
ひじ・ひざ・かかと・くるぶしのガサガサや硬くなってしまった角質は、市販薬でケアすることができます。
市販薬の成分や種類は様々なため、ご自身の皮膚の状況によって使用する薬を選びましょう。
市販のステロイドは使える?
皮膚のガサガサや硬い角質に対して、自己判断のみで市販のステロイドを使用することはおすすめできません。皮膚への刺激が強いため症状を悪化させてしまう可能性もあります。
病院に行くべきケース
市販薬で改善がみられない場合や、初めて症状が出た場合には、他の病気やウイルスが原因の可能性もあるため、一度病院を受診されることをおすすめします。医師の診断のもと、ステロイドなどの薬の使用や、皮膚の切除などの治療法を行う場合もあります。
角化症に効く市販薬の選び方
硬くなったひじ・ひざ・かかと・くるぶしの皮膚・角化症に市販薬を使用する場合は、皮膚の状態と、その状態に適した剤形から選びましょう。
ひざ・くるぶし・かかと・ひじの角化症だけでなく、手指の荒れなどの他の部位に使用する場合も以下の選び方を参考にしてください。
皮膚の状態で選ぶ
まずは皮膚の状態から薬を選びましょう。皮膚の状態をカチカチタイプ、ガサガサタイプ、ひび割れタイプの3つに分けて解説します。
皮膚の状態 | おすすめの成分 |
---|---|
カチカチタイプ | 尿素など |
ガサガサタイプ | ヘパリン類似物質など |
ひび割れタイプ | ワセリンなど |
●カチカチタイプ:尿素
角質が硬くなっているカチカチタイプの方には、尿素を含んだ保湿剤の使用がおすすめです。
尿素は、皮膚の保湿効果とあわせて、硬くなった皮膚を柔らかくする作用をもつのが特徴です。
高濃度の尿素は角質の元となるたんぱく質に作用し、硬くなった角質をやわらかくする働きをします。そのため、尿素を含んだ薬を選ぶときは尿素20%配合のものがおすすめです。尿素の配合率が低い薬に比べて、効果を実感しやすいでしょう。
ただし、皮が剥けている場合や、炎症を起こしている場合、傷がある場合は刺激を感じる可能性があるため使用をお控えください。
●ガサガサタイプ:ヘパリン類似物質
皮膚が乾燥しているガサガサタイプの方には、ヘパリン類似物質を含んだ保湿剤の使用がおすすめです。
ヘパリン類似物質の主な効果に角質水分保持増強作用があり、医療用でも保湿剤として広く使用されています。
ヘパリン類似物質が皮膚の角質に水分を与えることで乾燥を防ぎます。
●ひび割れタイプ:ワセリン
皮膚に傷ができてしまっているひび割れタイプの方には、ワセリンの使用がおすすめです。
ワセリンは皮膚の外側に膜を作ることで皮膚を保護し、水分の蒸発を防ぎます。水分を直接与える効果はありませんが、その分皮膚への刺激が少ないため、傷ができていたり、炎症を起こしている場合にも使用できます。
市販薬の剤形
同じ成分の薬でもその剤形によって、皮膚の状態に適したものや使いやすさが変わります。以下の表を参考にしていただき、ご自身にあったものを選びましょう。
主な剤形 | 特徴 |
---|---|
クリーム | ・塗り広げやすい ・軟膏よりもべたつかず、水で洗い流しやすい |
軟膏 | ・患部の保護機能に優れ、皮膚への刺激が少ない ・べたつくため、洗い流しづらい |
乳状液 |
・クリームよりものびやすく、肌へのなじみが良い |
硬くなった皮膚・角化症に効く市販薬
尿素・ヘパリン類似物質・ワセリンの成分を含む市販薬を紹介します。成分や剤形を参考にしていただき、ご自身にあったものを選びましょう。
尿素クリーム|硬くなった皮膚を柔らかくする
M.ケラチナミン・コーワ20%【第三類医薬品】

有効成分 | 剤形 |
---|---|
尿素 | クリーム |
有効成分が尿素のみのため、まずは硬い角質をやわらかくしたいという方におすすめです。尿素の角質軟化作用とともに皮膚の保湿にも効果を発揮します。こちらは15歳以上から使用できます。
ヘパリン類似物質|保湿・皮膚のバリア機能を高める
ヘパリン類似物質 乳状液 50g【第二類医薬品】

成分 | 剤形 |
---|---|
ヘパリン類似物質 | 乳状液 |
ヘパリン類似物質により皮膚の水分を保ちバリア機能を高めます。乳状液タイプでクリームよりもさらさらした使用感が好みの方や、より広範囲に塗り広げたいという方におすすめです。
ミナハダ ヘパリン類似物質乳状液「JM」は、商品に添付してあるQRコードを読み込むことで薬剤師に無料で相談ができます。薬に関する疑問や心配事を薬剤師に相談できるため、安心して薬を使用することができます。
ヒフメイド油性クリーム【第二類医薬品】

成分 | 剤形 |
---|---|
ヘパリン類似物質 | クリーム |
クリームタイプでしっとりした使用感の薬です。塗り広げやすいクリームが患部をしっかりとカバーします。オイルベースのクリームが水分の蒸発を防ぎ、肌のうるおいが持続します。
ワセリン|皮膚を保護する
白色ワセリン・ソフト 60G(第3類医薬品)【第三類医薬品】

主成分 | 剤形 |
---|---|
白色ワセリン | 軟膏 |
ワセリンが皮膚の外側に膜を作り皮膚を保護、水分の蒸発を防ぐため保湿効果も期待できます。軟膏タイプで刺激が少ないのが特徴です。
皮膚のガサガサ・硬くなった皮膚のセルフケア
水仕事で手がガサガサしてしまっている、立ち仕事でかかとが硬くなってしまったなどの皮膚の悩みは、毎日のケアで症状の改善を目指すことができます。保湿剤の使用とあわせてセルフケアの方法も確認しておきましょう。
入浴後に保湿する
尿素やヘパリン類似物質などの保湿剤を使うタイミングは、肌が清潔な入浴後がおすすめです。
入浴後は皮膚が乾燥しやすいため、体を拭いたらすぐに保湿剤を使用しましょう。
保湿剤を使用した後は、患部をラップで巻いてパックしたり、蒸したタオルで温めたりすると、成分が皮膚に浸透しやすくなります。スペシャルケアとして取り入れてみても良いでしょう。
肌のターンオーバーを整える
ターンオーバーの乱れも皮膚トラブルの原因のひとつです。
健康な皮膚は約4〜6週間の周期で新しく生まれ変わっており、これをターンオーバーといいます。何らかの原因でターンオーバーの周期が乱れると、皮膚の表面にザラザラとした古い角質が残ったり、皮膚トラブルが起こったりします。
ターンオーバーの周期が乱れる原因は、紫外線などの外的な刺激や、生活習慣の乱れなどです。紫外線を防ぐためには、丈が長い服を着たり、日焼け止めを活用したりすると良いでしょう。
また、食生活の乱れや睡眠不足、精神的なストレスなどもターンオーバーが乱れる原因になります。普段の生活を見直し、健康な肌を目指しましょう。良い生活習慣が肌を健康に保ちます。
かかとの角質は削っても良い?
かかとの厚くなった角質が気になる場合は、基本的には削る処置を行っても問題ありません。
ただし、硬く、厚くなった部分に限ります。硬くなっていない正常な皮膚組織を削ってしまうと皮膚トラブルの原因になります。無理に削ってしまって、症状を悪化させないように注意しましょう。
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