外的な刺激やターンオーバーの乱れなどによって、皮膚がガサガサしてしまったり、角質が硬く、厚くなってしまったりします。この記事では皮膚のガサガサや、硬くなった角質に効く市販薬について解説します。
硬くなった角質・皮膚のガサガサの治し方
外的な刺激やターンオーバーの乱れなどによって、かかとなどの皮膚は乾燥し、硬く、厚くなってしまいます。このように皮膚が硬くなったり、ガサガサしたりする症状を角化症といいます。
角化症の治し方について解説します。
市販薬で治療する
皮膚のガサガサや硬くなってしまった角質は、市販薬で治療することができます。
市販薬の成分や種類は様々なため、ご自身の皮膚の状況によって使用する薬を選びましょう。
市販のステロイドは使える?
皮膚のガサガサや硬い角質に対して、自己判断のみで市販のステロイドを使用することはおすすめできません。皮膚への刺激が強いため症状を悪化させてしまう可能性もあります。
病院に行くべきケース
市販薬で改善がみられない場合は、角化症の原因が他の病気やウイルスであることもあるため、一度病院を受診されることをおすすめします。医師の診断のもと、ステロイドなどの薬の使用や、皮膚の切除などを行う場合もあります。
市販薬の選び方
皮膚のガサガサ・硬くなった角質に効く市販薬は、皮膚の状態と、その状態に適した剤形から選びましょう。
皮膚の状態で選ぶ
まずは皮膚の状態から薬を選びましょう。皮膚の状態をカチカチタイプ、ガサガサタイプ、ひび割れタイプの3つに分けて解説します。
皮膚の状態 | おすすめの薬 |
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カチカチタイプ | 尿素 |
ガサガサタイプ | ヘパリン類似物質 |
ひび割れタイプ | ワセリン |
●カチカチタイプ:尿素
角質が硬くなっているカチカチタイプの方には、尿素を含んだ保湿剤の使用がおすすめです。
尿素は、皮膚の保湿効果とあわせて、角質をやわらかくしてくれる作用をもつのが特徴です。
尿素を含んだ薬を選ぶときは、尿素20%配合のものがおすすめです。尿素の配合率が低い薬に比べて、効果を実感しやすいでしょう。
●ガサガサタイプ:ヘパリン類似物質
皮膚が乾燥しているガサガサタイプの方には、ヘパリン類似物質を含んだ保湿剤の使用がおすすめです。
ヘパリン類似物質には、保湿・抗炎症・血行促進の3つの効果があります。
ヘパリン類似物質が皮膚に水分を与えることで乾燥を防ぎ、皮膚のバリア機能を改善します。
血行を促進する作用があるためすでに出血しているような傷には使用できませんが、皮膚の炎症をおさえ、肌荒れを改善する効果もあります。
●ひび割れタイプ:ワセリン
皮膚に傷ができてしまっているひび割れタイプの方には、ワセリンの使用がおすすめです。
ワセリンは皮膚の外側に膜を作ることで皮膚を保護し、水分の蒸発を防ぎます。水分を直接与える効果はありませんが、その分皮膚への刺激が少ないため、傷ができていたり、炎症を起こしている場合にも使用できます。
市販薬の剤形
同じ成分の薬でもその剤形によって、皮膚の状態に適したものや使いやすさが変わります。以下の表を参考にしていただき、ご自身にあったものを選びましょう。
主な剤形 | 特徴 |
---|---|
クリーム | ・塗り広げやすい ・べたつかず、水で洗い流せる |
軟膏 | ・患部の保護機能に優れ、皮膚への刺激が少ない ・べたつくため、洗い流しづらい |
乳状液 | ・クリームよりものびやすく、肌へのなじみが良い |
皮膚のガサガサ・硬くなった角質に効く市販薬
尿素・ヘパリン類似物質・ワセリンの成分を含む市販薬を紹介します。成分や剤形を参考にしていただき、ご自身にあったものを選びましょう。尿素を含む薬は全て尿素20%配合です。
尿素
主成分 | 剤形 |
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尿素 トコフェロール酢酸エステル グリチルリチン酸二カリウム |
クリーム |
角質をやわらかくする尿素に加え、トコフェロール酢酸エステルが血行を改善、皮膚のターンオーバーを促進しきれいな肌を取り戻します。さらにグリチルリチン酸二カリウムが気になる赤みをおさえます。
ユーリラックスUbは、商品に添付してあるQRコードを読み込むことで薬剤師に無料で相談ができます。薬に関する疑問や心配事を薬剤師に相談できるため、安心して薬を使用することができます。
主成分 | 剤形 |
---|---|
尿素 | クリーム |
主成分が尿素のみのため、まずは硬い角質をやわらかくしたいという方におすすめです。尿素の角質軟化作用とともに皮膚の保湿にも効果を発揮します。
クリームタイプのため軟膏と比べて塗り広げやすく広範囲の患部に適しています。
ヘパリン類似物質
成分 | 剤形 |
---|---|
ヘパリン類似物質 | 乳状液 |
ヘパリン類似物質により皮膚の水分を保ちバリア機能を高めます。珍しい乳状液タイプでクリームよりもさらさらした使用感が好みの方や、より広範囲に塗り広げたいという方におすすめです。
ミナハダは、商品に添付してあるQRコードを読み込むことで薬剤師に無料で相談ができます。薬に関する疑問や心配事を薬剤師に相談できるため、安心して薬を使用することができます。
成分 | 剤形 |
---|---|
ヘパリン類似物質 | クリーム |
クリームタイプでしっとりした使用感の薬です。塗り広げやすいクリームが患部をしっかりとカバーします。オイルベースのクリームが水分の蒸発を防ぎ、肌のうるおいが持続します。
ワセリン
主成分 | 剤形 |
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ワセリン | 軟膏 |
ワセリンの皮膚の外側に膜を作り皮膚を保護、水分の蒸発を防ぐため保湿効果も期待できます。他の薬と比べて刺激が少ないため、皮膚が過敏な方や傷ができている方におすすめです。
皮膚のガサガサ・硬くなった角質のセルフケア
水仕事で手がガサガサしてしまっている、立ち仕事でかかとが硬くなってしまったなどの皮膚の悩みは、毎日のケアで症状の改善を目指すことができます。保湿剤の使用とあわせてセルフケアの方法も確認しておきましょう。
入浴後に保湿する
尿素やヘパリン類似物質などの保湿剤を使うタイミングは、肌が清潔な入浴後がおすすめです。
入浴後は皮膚が乾燥しやすいため、体を拭いたらすぐに保湿剤を使用しましょう。
保湿剤を使用した後は、患部をラップで巻いてパックしたり、蒸したタオルで温めたりすると、成分が皮膚に浸透しやすくなります。スペシャルケアとして取り入れてみても良いでしょう。
肌のターンオーバーを整える
ターンオーバーの乱れも皮膚トラブルの原因のひとつです。
健康な皮膚は約28日の周期で新しく生まれ変わっており、これをターンオーバーといいます。何らかの原因でターンオーバーの周期が乱れると、皮膚の表面にザラザラとした古い角質が残ったり、皮膚の中の保湿成分が作られにくくなったりします。
ターンオーバーの周期が乱れる原因は、紫外線などの外的な刺激や、生活習慣の乱れなどです。紫外線を防ぐためには、丈が長い服を着たり、日焼け止めを活用したりすると良いでしょう。また、食生活の乱れや睡眠不足、精神的なストレスなどもターンオーバーが乱れる原因になります。普段の生活を見直し、健康な肌を目指しましょう。良い生活習慣が肌を健康に保ちます。
かかとの角質は削っても良い?
かかとの厚くなった角質が気になる場合は、削る処置を行っても問題ありません。
ただし、硬く、厚くなった部分に限ります。硬くなっていない正常な皮膚組織を削ってしまうと皮膚トラブルの原因になります。無理に削ってしまって、症状を悪化させないように注意しましょう。