かかとは様々な原因によって乾燥し、ガサガサしたり、角質が硬くなったりします。この記事ではかかとのトラブルの原因と角質ケアの方法、かかとの症状に適した市販薬について解説します。
かかとの特徴とトラブルの原因
かかとは角質が硬くなってしまったり、乾燥してガサガサしたり、ひどい場合にはひび割れを起こしてしまったりします。かかとのケアをしっかり行うために、まずはかかとの特徴とトラブルの原因について解説します。
かかとは乾燥しやすい場所
通常、皮膚は皮脂によって膜を作り、水分を保持しています。しかし、足の裏には皮脂を出す機能がないため、足の裏は他の皮膚に比べても乾燥しやすい場所です。
さらに、かかとは体を支える場所でもあるため、体重による圧力や地面や靴との摩擦が皮膚への刺激になり、皮膚のガサガサや角質が硬くなる原因になります。
皮膚のターンオーバーの乱れ
ターンオーバーの乱れも皮膚トラブルの原因のひとつです。
健康な皮膚は約28日の周期で新しく生まれ変わっており、これをターンオーバーといいます。何らかの原因でターンオーバーの周期が乱れると、皮膚の表面にザラザラとした古い角質が残ったり、皮膚の中の保湿成分が作られにくくなったりします。
かかとは他の部位に比べ皮膚が厚いため、ターンオーバーの周期も他の部位より長くなるのも特徴です。
かかとの角質ケアの方法
かかとのガサガサや硬くなった角質は、毎日のケアで改善することができます。
かかとの角質ケアの具体的な方法について解説します。
保湿剤を使って保湿する
かかとのトラブルの原因のひとつである乾燥を防ぐために、市販の保湿剤を活用しましょう。保湿剤を使用することで、かかとのガサガサや硬くなった皮膚を改善することができます。保湿剤の中でも、かかとの状態によって適した薬が異なります。
●入浴後のケア
入浴後は皮膚が乾燥しやすいため、体を拭いたらすぐに保湿剤を使用してください。
保湿剤の使用後は、患部をラップで巻いてパックしたり、蒸したタオルで温めたりすると、成分が皮膚に浸透しやすくなります。乾燥が気になるときのスペシャルケアとして取り入れてみても良いでしょう。
皮膚のターンオーバーを整える
ターンオーバーの周期が乱れる原因は、紫外線などの外的な刺激や、生活習慣の乱れなどです。紫外線を防ぐためには、丈が長い服を着たり、日焼け止めを活用したりすると良いでしょう。また、食生活の乱れや睡眠不足、精神的なストレスなどもターンオーバーが乱れる原因になります。普段の生活を見直し、健康な肌を目指しましょう。良い生活習慣が肌を健康に保ちます。
かかとの角質は削っても良い?
かかとの厚くなった角質が気になる場合は、削る処置を行っても問題ありません。ただし、硬く、厚くなった部分に限ります。硬くなっていない正常な皮膚組織を削ってしまうと皮膚トラブルの原因になります。無理に削ってしまって、症状を悪化させないように注意しましょう。
かかとの角質の削り方
かかとの角質を削る場合は角質がやわらかくなっている入浴後がおすすめです。
市販されているかかとの角質用のやすりなどを使って角質を削りましょう。やすりは清潔な状態で使用してください。
正常な肌を傷つけないことが最も大切です。慎重に削ることを心がけてください。
削った後のケア
削った後の皮膚はとても敏感です。削った後はヘパリン類似物質を含む保湿剤で保湿してください。
保湿剤を使った後は靴下をはいて保護すると良いでしょう。保湿剤の付着が気になる場合は、包帯などを使ってかかとを保護しましょう。
保湿剤の選び方
かかとの角質ケアにおすすめの保湿剤は皮膚の状態によって異なります。
ご自身のかかとの状態から適した薬を選びましょう。
皮膚の状態 | おすすめの薬 |
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カチカチタイプ | 尿素 |
ガサガサタイプ | ヘパリン類似物質 |
ひび割れタイプ | ワセリン |
●カチカチタイプ:尿素
角質が硬くなっているカチカチタイプの方には、尿素を含んだ保湿剤の使用がおすすめです。
尿素は、皮膚の保湿効果とあわせて、角質をやわらかくしてくれる作用をもつのが特徴です。
尿素を含んだ薬を選ぶときは、尿素20%配合のものがおすすめです。尿素の配合率が低い薬に比べて、効果を実感しやすいでしょう。
●ガサガサタイプ:ヘパリン類似物質
皮膚が乾燥しているガサガサタイプの方には、ヘパリン類似物質を含んだ保湿剤の使用がおすすめです。
ヘパリン類似物質には、保湿・抗炎症・血行促進の3つの効果があります。
ヘパリン類似物質は一時的な保湿ではなく、皮膚の奥にある細胞に働きかけることで、皮膚が本来持っている水分保持機能を改善することができます。
血行を促進する作用があるためすでに出血しているような傷には使用できませんが、皮膚の炎症をおさえ、肌荒れを改善する効果もあります。
●ひび割れタイプ:ワセリン
皮膚に傷ができてしまっているひび割れタイプの方には、ワセリンの使用がおすすめです。
ワセリンは皮膚の外側に膜を作ることで皮膚を保護し、水分の蒸発を防ぎます。水分を直接与える効果はありませんが、その分皮膚への刺激が少ないため、傷ができていたり、炎症を起こしている場合にも使用できます。
保湿剤の剤形
同じ成分の薬でもその剤形によって、皮膚の状態に適したものや使いやすさが変わります。以下の表を参考にしていただき、ご自身にあったものを選びましょう。
主な剤形 | 特徴 |
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クリーム | ・塗り広げやすい ・べたつかず、水で洗い流せる |
軟膏 | ・患部の保護機能に優れ、皮膚への刺激が少ない ・べたつくため、洗い流しづらい |
乳状液 | ・クリームよりものびやすく、肌へのなじみが良い |
皮膚のガサガサ・硬くなった角質に効く市販薬
尿素・ヘパリン類似物質・ワセリンの成分を含む市販薬を紹介します。成分や剤形を参考にしていただき、ご自身にあったものを選びましょう。尿素を含む薬は全て尿素20%配合です。
尿素
主成分 | 剤形 |
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尿素 トコフェロール酢酸エステル グリチルリチン酸二カリウム |
クリーム |
角質をやわらかくする尿素に加え、トコフェロール酢酸エステルが血行を改善、皮膚のターンオーバーを促進しきれいな肌を取り戻します。さらにグリチルリチン酸二カリウムが気になる赤みをおさえます。
ユーリラックスUbは、商品に添付してあるQRコードを読み込むことで薬剤師に無料で相談ができます。薬に関する疑問や心配事を薬剤師に相談できるため、安心して薬を使用することができます。
主成分 | 剤形 |
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尿素 | クリーム |
主成分が尿素のみのため、まずは硬い角質をやわらかくしたいという方におすすめです。尿素の角質軟化作用とともに皮膚の保湿にも効果を発揮します。
クリームタイプのため軟膏と比べて塗り広げやすく広範囲の患部に適しています。
ヘパリン類似物質
成分 | 剤形 |
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ヘパリン類似物質 | 乳状液 |
ヘパリン類似物質により皮膚の水分を保ちバリア機能を高めます。珍しい乳状液タイプでクリームよりもさらさらした使用感が好みの方や、より広範囲に塗り広げたいという方におすすめです。
ミナハダは、商品に添付してあるQRコードを読み込むことで薬剤師に無料で相談ができます。薬に関する疑問や心配事を薬剤師に相談できるため、安心して薬を使用することができます。
成分 | 剤形 |
---|---|
ヘパリン類似物質 | クリーム |
クリームタイプでしっとりした使用感の薬です。塗り広げやすいクリームが患部をしっかりとカバーします。オイルベースのクリームが水分の蒸発を防ぎ、肌のうるおいが持続します。
ワセリン
主成分 | 剤形 |
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ワセリン | 軟膏 |
ワセリンの皮膚の外側に膜を作り皮膚を保護、水分の蒸発を防ぐため保湿効果も期待できます。他の薬と比べて刺激が少ないため、皮膚が過敏な方や傷ができている方におすすめです。